きみの靴の中の砂

英領ヴァージン諸島

 

 

 英領ヴァージン諸島。
 首都ロードタウン郊外のホテル。
 プール・サイドに張られた白いキャンバス地のオーニングの下。

 赤く染められた手織りの麻のテーブル・クロスの上に、アジアからの旅人らしきその女性は、クラッシュド・アイスを入れたジン・ソーダのハイボール・グラスを置き、時折、それを陽の光にかざして見るのだが一向に口に運ぼうとはしない。

 ラジオから聞こえているのはジャマイカ・クレオール語の時報 —— トルトーラ・ショッピングモールが午後2時をお知らせします。

 カリブ海の湿気を含んだ風がゆったりと吹き抜ける午后。

「日本の方ですか?」と彼女に声をかけるなど訳のないことではあったのだが…。

 
 
 
<a href="https://blogmura.com/profiles/11138716?p_cid=11138716"><img src="https://blogparts.blogmura.com/parts_image/user/pv11138716.gif" alt="PVアクセスランキング にほんブログ村" /></a>

最新の画像もっと見る

最近の「『ノート(Cahiers)』或いは、稿本『北回帰線の南』から」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事