陋宅の目と鼻の先に都道が交差する大きな四つ辻があり、そこを起点として小山の尾根に添った古い細道が一本ある。先を行けば途中に六地蔵があり、すぐ横に広場があるところを見ると、そこはかつては野辺送りの地でもあったようだ。その先には、大層古い出城の跡がある。
その尾根道を登り初めて間もなく、路傍に写真の馬頭観世音の碑があるのに気付く。
通常、文字だけの場合、近隣で息絶え、行き倒れた荷馬・農耕馬の冥福を祈るものだが、この碑の場合、両側に馬頭観音像が祀られているところを見ると、近くに、亡くなった家畜を投げ入れた沼や池など、言わば動物の共同墓地があったことが推測される。場所は多摩川の古い流路に添った山際の陰で、地形的にも充分それが裏付けられる。
お盆間近のこともあり、写真整理の最中にそんなことを思い出した。
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ところで、世界中どこを探しても、日本の夏ほど魑魅魍魎(ちみもうりょう)が所狭しと集結、闊歩、暗躍する地域はない。それらを欧米のエクソシストのように退治するのではなく、お清め・お祓いをして鎮め、人と共存するのも日本ならではの文化である。
人も獣も、かつて生を受けたものすべてが集まる日本の夏 ----- お盆が近くなり、夜は、なにやら、あたりが賑やかになってきたような気がするのだが。
【The Buffalo Springfield / Flying On The Ground Is Wrong】
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