すっきりした図柄である。
余白が多いので料理を乗せやすい。
とくに縁の、青と白の割合が絶妙。
二羽の鳥の仲睦まじそうな表情も落ち着く。
初期伊万里といいたいところだが……中期とみている。
初期伊万里は1616(元和2)年から寛永頃1650年代頃まで。
たったの30年少々、現存しているものは希少だ。
文禄、慶長の役で連行された朝鮮の陶工たちが伝えた磁器制作技術に
明末古染付を合体させた不安定な時期。
この皿の図柄も御須の発色も初期伊万里的だが、
高台が三つ点である。
朝鮮・中国から来た技術が少し落ち着いた中期である。
その落ち着きが、またこの皿の魅力となっている。