クレームと言うと筆頭に上がるのは、1)雑音2)鍵盤が戻らない3)音が出ない4)音が止まらない・・・などなど。
2)~4)は現物を見れば、たいがい何れかの部品が上手く機能していなので、だいたいことは対処できるのですが。
調律師泣かせなのは、1)の雑音なのです。
雑音の原因は、共鳴・摩擦・異物混入・弦の劣化・・・この中でも一番困るのが-共鳴-
弦の振動に共振しなくていいものが振動してしまうもの、多く見られるものは、鍵盤蓋の蝶番また天屋根の蝶番のネジの緩み・天屋根のうえのケース写真縦・絵画の額のガラス・
と例をあげればきりがありません。共鳴している場所がわからずに途方にくれることがあります。
以前に3時間ほどかけてやっと見つけ出したのが、ピアノの後ろの壁にあるコンセントのネジが緩んでいてそこに共鳴していました。疲れる仕事でした。
先日も雑音のクレームでお客さんの所へ行ってみると「きゅっきゅ」という音がして気になってしょうがないとのこと、これも激しく勢いのある曲ならまだ我慢が出来ても、静かに繊細な表現をしたい時は、悲しくなるくらい気になってしょうがないものです。
結局、鍵盤を正しく作動させるために、バランスピンとフロントピン(だいたい真鍮で出来ている)と言う部品があり、摩擦を軽減するためにブッシングクロス(羊毛を編んで起毛してあるもの)このブッシングクロスとバランスピンがすれあって雑音が出ていました。
処置としては、滑走剤を塗る(黒鉛・シリコン液・イボタ蝋)ことで雑音は消えまた快適に演奏ができるようになりお客様にも喜んでいただけました。
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