水月光庵[sui gakko an]

『高学歴ワーキングプア』著者 水月昭道 による運営
※お仕事連絡メールに一両日中の返事がない場合は再送願います

大学生協でジャンプアップ。『アカデミア・サバイバル』

2009年09月26日 | 庵主のつぶやき
アマゾンで良い書評を頂きました。

お一方は『学歴ロンダリング』(光文社)の著者に近い方とお見受けしますが、大変ありがたいことです。本書は『アカデミア・サバイバル』でも引用させて頂いております。拙書『高学歴ワーキングプア』で提示できなかった数字なども多くあります。特に、東大院の就職率や院試の状況などを知りたい方には魅力的な本となっています。


他の著者からのレビューには、前著『高学歴ワーキングプア』に対して、『就活のバカヤロー』(光文社新書)などで有名な「石渡嶺司」氏から、かつてとても良いものを頂きました。


石渡氏は、来月には「常見 陽平」氏とともに『強い就活!』を、また、同じ共著者と『就活下流になりたくない!(仮)』の二冊を刊行予定ということで、大変勢いのある、大学業界関連ライターのなかでいま最も旬な方であります。


既刊本の内容がどれも面白い(足を使って得たデータが出し惜しみすることなく、存分に使われており、太っ腹で、非常にくっきりと現場のことがよくみえる)のはもちろんですが、さらに私が注目しているのは、この著者が販促にものすごく力を入れていることです。

全国書店を訪問し、ポップやサイン本などを置いてもらう交渉(経費は馬鹿にならないはずです!手出しのはず!)を進めるのみならず、最近では発売前のアピールなども熱心に展開しているそうです。確かに、本は黙っていては本当に売れない時代となっているようですから、見習うべきところが非常に多いと思います。

他の著者へのレビューなど、私も見習わなければ。。


さて、『アカデミア・サバイバル』ですが、大学生協での売り上げが、一気にジャンプアップして二位となったもようです。しかし、一般書店ではまだまだ静かなようで、是非、お近くの方へ本書の存在をお知らせいただけますと幸いです。

世論の力なくして、高学歴ワーキングプアの問題は、なかなか解決しないはずです。

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シルバーウィーク

2009年09月21日 | 庵主のつぶやき
シルバーウィークは、みなさまどうお過ごしでしょうか。
もしかして愚問だったかもしれませんね。
大学関係者は、まずほとんどが普通に仕事でしょうね。
(というか、こういう時にしかできない仕事やってるでしょうね)
お疲れ様です。私もはげみたいと思います。(当然、仕事です)

さて、『アカデミア・サバイバル』ですが、大学生協にて好調のようです。



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学会費に思うこと

2009年09月19日 | 庵主のつぶやき
18日の毎日新聞にて、小論を発表。

私大の経営難の影響を最も強く受けているのは、若手研究者であることを、現状をふまえながら解説。現状維持(学校の規模や経営環境、年功序列・終身雇用など)に汲々とするのではなく、教育機関の原点に戻り、未来(問題)改善型の「人作り」のシステム構築を急ぐべきと指摘。

詳しくは、紙面をご参考に。

さて、本日、学会費(年会費)なるものを納入してきた。
一言、「高いなあ」。毎年やってくる年会費の請求。
その時期の○○学会という封書をみると、ものすごいプレッシャーがかかる。
昨今は、細分化の流れもひどく、会員になっている学会は、5~10の間くらいが普通だろう。すると、安いところでも五千円、高いと、一万を超えるから、毎年、ある時期がくると、五万以上のお金がふっとんでいくわけで、これはつらい。

おまけに、それがどこか(就職)に繋がることもなければ、金を稼ぐたしになるわけでもない。高額の支払いをずっと続けていたとしても、そこに明るい道がみえてくるわけではない。だから、年をおうごとに苦しさは増す一方となる。
数少ない人脈づくりの場ということで割り切るしかないのだろうか。

なにか疲れた一日だった。








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書き終わって思うこと

2009年09月15日 | 庵主のつぶやき
一冊の本が刊行されたあとのことについて、少し雑感を。

2009年9月10日に、『アカデミア・サバイバル』は、私の手から離れました。
それまでは、手塩にかけて育てていましたが、この日をもってお別れでした。

これ以降、本文に関して、もう出来ることはないということもありますし、読者がどう読んでくださるのかということも、私には全く予想がつきません。内容に理解を示してくださる方もいれば、思いもよらない厳しい批判にさらされる場合もあります。そもそも、売れるか売れないかといったことすら、蓋を開けてみるまではわかりません。

全ては、私のコントロールできないところにあるのです。

初稿ゲラがでて、再校を行い、再々校に進むといった過程までが、自分が存分にかかわれる時間で、そこにはある種のリミットが儲けられています。
魂を込め、丁寧に文章と向かい合う時間は、渦中にいる間は果てしなく長く感じる時もあるのですが、終わってみれば大概「あっという間」に感じられます。

そして、店頭に並んだあとの時間の流れは、なぜかもっともっと速く過ぎ去っていく感じなのです。

まだ、一週間も経っていないのに、もう随分経っているような気がする今日この頃。今回もまた、こんな不思議な感覚に捕まり何かとまどってしまうのです。

さて、本書(アカデミア・サバイバルの初稿)は、どんな風に読まれていくのでしょうか。ただ、待ってみるより他ありませんが、日々、そわそわしてしまうのも正直なところです。人生の時の流れも似たようなものかもしれませんね。

新政権にも、大切な部分が届いてくれると嬉しいのですが。
大学における雇用や教育の問題は、一般社会におけるそれと根っこを同じくしていますから、ぜひ注目して欲しいものです。











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おかげさまで無事に発売にこぎつけました

2009年09月10日 | 庵主のつぶやき
ついに、本日、『アカデミア・サバイバル』が全国書店の店頭に並ぶこととなりました。

これも、関係者のみなさまや読者の方々から多くの励ましやお力添えを頂いたおかげと深く感謝いたしております。

今後とも、ご指導のほどよろしくお願いします。

さて、発売日とあって、いきなり取材の申し込みメールが入ったので、「えらく早いな」と驚きつつ(内心嬉しく思い)、中を見たところ、「子どもの道草」関連での依頼でした。『アカデミア・サバイバル』の初日に、『子どもの道草』ということで、まぁなにやら縁の不思議を感じた次第。


前著『高学歴ワーキングプア』を出してから、しばらくの間、こんな質問をされたことを思い出す。
「専門は『環境心理学』ということですが、今回、専門外の著書を上梓して注目されたことについてどう思いますか?」

実は、そのおかげで本来のテーマである「子どもの道草」関連の依頼も結構増えたから、ありがたいことだ。

よく、研究テーマどんぴしゃでなければ、それは「別のことをやった」というように認識されることもめずらしくないが、私は少し異なる考えである。

一人の人間がやっていることは、その人が経験したすべてのことと何らかの繋がりが築かれていると思うのだ。
「どんぴしゃ、ど真ん中」の研究テーマだって、そもそもの問題意識やその設定は、個人がそれまでにした経験に負っているところが大きいはずだ。
同じように、「研究以外のこと」と見えるものも、実はいつもやっている「研究活動やその知見」がベースとなって形作られている場合が珍しくない。

いつも取り組んでいることがあるからこそ、そこから少し広がった世界にも関心が繋がるのではないだろうか。
それが、形になることもあれば、ならないこともある。それはご縁次第のようにも思う。
大事なのは、切り分けて考えるのではなく、どう繋げれば出来ることが広がっていくのか、という発想ではないか。

自分の専門の領域で活躍することに重点を置くだけでなく、
博士号をとるまでの過程で経験したすべてのことを、いかにして日常の生活や社会と結びつけ、人や世界との新たな関係性を結んでいくかということに、もっと意識的にならねば何かもったいないような気もするのだ。これからの大学院には、こんな教育もあって欲しい。


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アマゾンでの予約開始 『アカデミア・サバイバル』 

2009年09月06日 | 庵主のつぶやき
アマゾンでの予約が始まりました。
アカデミア・サバイバル

初版1万4000部です。

聞くところによると、本というのは初版本が(後から)一番高い価値がつくらしい。
これに著者のサインなんかがあると、さらに良いとか何とか耳にしたこともある。それも、○○様へとかの特定の宛名は、入れないほうがいいらしい。著者のサインと日付のみ、もしくはメッセージくらいが一番だとかなんとか。あくまでも手放す時のことを考えた場合らしいが、この辺、なにやら難しい。

思えば前著では惜しいことをした。著者の手元にも、すでに二冊しか初版のものは残っていない。9刷版などは五十冊くらいあるのだが。。まあ、それも三日で初版が売り切れたので仕方なかったとはいえ、惜しい。
今回は、初版本をもう少し持っておきたいと思う。

自著ネタ続きで恐縮だが、小生の記念すべき(恥ずかしい)一冊目である『子どもの道くさ』,水月昭道/著,(東信堂)は、初版1500部だった。すでに1100部ほどは売れたようだが(お買い上げ頂いた方、ありがとうございます)、まだ、400部は売れ残っているみたいで、こちらについてはすぐに自分で百冊ほど買っておきたいと思う。もとの数も少なく、重刷の可能性もわからないので、今のうちに確保しておかねば。。

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新政権には慎重な判断を大いに期待する

2009年09月03日 | 庵主のつぶやき
文科省が面白いことをやってくれるみたいだ。

8月28日の朝日ドットコムの紙面によれば、博士院生に180万円支給することを検討中とか。二千名程度の枠だそうだ。

博士課程へ進んでも、現状ではその先に不安があるため敬遠されることが多くなっている。こうした状況を打開したいらしい。
優秀な学生を確保したいという思惑も、ともある。

博士課程の院生に給与という形でお金を出すことには大賛成だが、一つだけ気になる点がある。
それは、「優秀な学生を確保したい」というくだりだ。

そもそも優秀な人材というのは、良い土壌があって初めて生まれてくるものである。
現状でいえば、(その是非はおいておくが)大学院重点化によって研究の世界に足を踏み入れる若者が大幅に増え、結果的に裾野が大きく広がったからこそ、優秀な人材も多数出てきたのではないだろうか。

その上澄みのみを確保して安心しようというのなら、長期的に見て破綻するはずだ。
大学院重点化という政策を推し進めてきた責任者としては、せっかく作り上げた「良い土壌」全体をどう守り活かすか、という意識こそが求められるのではなかろうか。

同じ意味で、政権をとった民主党にも、若干の不安がある。

博士キャリア支援などで文科省が計上する予算について、間違った解釈をして「不要」と判断してしまうのではないかという危惧だ。
もし博士問題が、構造的な問題と見なされず、個人的な問題として捉えられてしまったら、これはかなり危うい。

「優れた人材」と「博士の就職問題」。
どちらも表面だけを見て、短絡的な判断を下さないようにしてもらいたい。

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