「浅草の唄」には、同名で、戦前版と戦後版が有ります。戦前版は、昭和8年に、藤山一郎さんにより唄われています。戦後、昭和22年(1947年)には、歌詞とメロディが全く違う「浅草の唄」が、再び、藤山一郎さんにより唄われました。その後、時を経て、昭和45年(1970年)に、関 啓六さんが唄い、リバイバルヒットしました。
〔戦前版〕「浅草の唄」歌手:藤山 一郎、作詞:西條 八十、作曲:中山 晋平。
1.夜更けて 鐘が鳴ります 弁天山の 聴いて かぞえて 泣いて いずこゆく 鐘のひびき
涙誘うよ 今宵も
2.儚(はかな)や 恋の浅草 雨夜(あまよ)の別れ 紅(あか)い あかりが 濡れて
泣いたとて 泣いたとて ジャズの音いろに 消えてゆく
3.春雨 なにを祈るぞ 平内(へいない)さまに 結ぶ縁(えにし)の 紙縒(こよ)り
帰り行く 後(うしろ)すがた 町の娘 いとしや
〔余談〕「平内(へいない)さま」とは…仲見世通りを通り過ぎ、宝蔵門を入った右手にあるのが平内堂で、昔から縁結びのご利益があると言われています。
〔戦後版〕「浅草の唄」歌手:藤山 一郎、作詞:サトウ ハチロー、作曲:万女目 正。
1.つよいばかりが 男じゃないと いつか教えて くれた人 どこのどなたか 知らないけれど
鳩といっしょに 唄ってた ああ 浅草のその唄を
2.可愛いあの子と シネマを出れば 肩にささやく こぬか雨 かたい約束 かわして通る
田原町から 雷門 ああ 浅草のこぬか雨
3.池にうつるは 六区の灯り 忘れられない よいの灯よ 泣くな サックスよ 泣かすなギター
明日もあかるい 朝がくる ああ 浅草のよい灯り
4.吹いた口笛 夜霧にとけて ボクの浅草 夜が更ける 鳩も寝たかな 梢のかげで
月がみている よもぎ月(もえぎ月) ああ 浅草のおぼろ月
〔余談〕参考にした歌詞では「よもぎ月」となっていますが、藤山一郎さんの唄を聞くと「もえぎ月」になっています。リバイバルヒットした、関啓六さんの唄の時は、「よもぎ月」となって います。東京大衆歌謡楽団の唄では、ちゃんと「もえぎ月」になっています。「よもぎ月」では、草餅に入るヨモギの葉の色のイメージですね。似てはいますが、やはり「もえぎ月」の「もえぎ」(萌黄:鮮やかな黄緑色系統の色)の方が、春に萌え出る草の芽をあらわす色で、いきいきと明るいイメージになりますね。
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