『OZ[オズ] 完全収録版』
#4
PROFILE改訂版
〈「OZマニュアル」の簡略化したイラストを右に〉右の本のタイトルは「OZマニュアル」。10年ほど前、出してもらったムック本です。その中にキャラクターのプロフィールを載せたのですが――――。
ムトー:軽っ。なんだ、この吹けば飛ぶような体重はっ。
ネイト:俺も軽い、食糧難で食ってないから??
フィリシア:私はフツーかな。
そうなんです。男の人の体重ってのがピンとこなくて、こんなもんかな――と作った体重がやたら軽かった。しかも、この人達は軍人…絶対超筋肉質のはず。そう、筋肉は脂肪より重い。同じ身長の一般人より確実に重い…体脂肪率はきっとシングル。
ちなみに樹さんの体脂肪率は。
樹:内緒だ!!
そんなわけでプロフィール改訂版です。
樹:OZマニュアルを買ってくださった方、すみません…。
ナレーター:キャプテン・ハーロック、女王ラフレシア、互いに譲らぬ2大巨星が正面から激突する時、この広大な宇宙にどんな悲劇が展開するのか?そして暗黒の宇宙の彼方に消え去るのは果たしていずれであろうか!
部下:ラフレシア様。テシウスとその一味の者が隊列を離れベータ星へと向かっています。
ラフレシア:(テシウス、お前もか!)
部下:ラフレシア様、ご指示を。
ラフレシア:宜しい!クレオを差し向けなさい。
テシウス:クレオ、貴方を寄越したのは?
クレオ:女王…ラフレシア様…。
テシウス:よくぞ自ら命を絶っ機会を与えてくれた。…クレオ、市民を銃弾除けの盾にするようでは、どんな戦いにも勝てない!私は弁解はしない。ただ、これだけは女王ラフレシア様に伝えてくれ。どんなに鍛えてもしなやかさを持たぬ鋼鉄は意外と脆いもの、心を持たぬ非情さもそれと同じ。
ラフレシア:(テシウスよ。我が生涯の友と誓ったテシウスよ、そなたが何と言おうと私は非情に徹する!今流した一滴の涙を持って私の中に残っていた一片の心もすべて消えた!)
ハーロックを侮ったために苦戦を強いられ混迷を深める中、次第に何のための移住かを見失ってゆく女王ラフレシアと武官達。種族の存続のために第2の故郷を求めた筈だったが、勝利と目的を遂行することだけに汲々とし、守るべき市民達を蔑ろにしてしまう。
ラフレシア:テシウス、今は普通の時ではない、カサンドラを許せ!
テシウス:は。しかし、司令カサンドラは…。
ラフレシア:テシウス!よもや忘れはしまい、母なる星が滅ぶ時、遙かなる故郷「地球」を目指そうという私の提案に真っ先に賛成してくれたのはその方ではなかったか?テシウス。
テシウス:…しかし、あの時はまだキャプテン・ハーロックとアルカディア号というものの存在を!
ラフレシア:ハーロックか!(こうなるのであったなら、あの時、生かしておくのではなかった。)
クレオ:確かに、ハーロックは想像を遥かに超えて強大だ。これからも彼のために多くの犠牲者が出るだろう。ラフレシア様は全マゾーンの半分でも地球に着けばいいとのお考えだ。
テシウス:たったの半分!
カサンドラ:その代わり、ハーロックは我々の手で倒す。
テシウス:犠牲があまりにも多すぎる。女王ラフレシア様、そこまで非情になられなくても!
ラフレシア:地球へ移り住むのは我らが使命!使命遂行のためなら、このラフレシア、歴代随一の残酷無比の女王と喜んで呼ばれもしよう!
捕らわれてしまったら2度とは助からない惑星デスシャドーの重力に捕らわれてしまったアルカディア号をラフレシアは助けた。それは全マゾーンの団結のための演出であり、強敵を仕立て上げることで部下達の士気を高めたのだった。しかし、その時のラフレシアはキャプテン・ハーロックと40人の仲間達を侮っていた!仕立て上げられた敵ではなく、真の意味でマゾーンを敗北に追い込む強敵だったのだと思い知ることになる。それが「あの時、生かしておくのではなかった。」という独白の意味だが、時既に遅く、マゾーンの大キャラバンの結束を女王が壊してしまう原因となってしまった。
『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』
「第26話 はるかなる長い旅」
テシウス山口奈々
マゾーンの女王ラフレシアの生涯の友にして忠実なる部下。科学者。市民を纏める文人のトップとしてのラフレシアの左腕であり、「女王の知恵袋」と呼ばれていた。
クレオ坪井章子
ラフレシアの武官としての右腕を自他共に認める存在。軍の司令達を束ねる総司令官である。
ナレーター:クレオが武官として女王の右腕なら、科学者テシウスは文人としての女王の左腕とも言うべき存在であった。
テシウス:だが。
クレオ:だが?
テシウス:あまりにも長い旅だった。鋼鉄の如く鍛えられた戦闘員ならいざ知らず、市民の中には疲れの限界を超え耐えられなくなる者が大勢出て来ても決して責められぬ。
クレオ:テシウス…。
テシウス:これもキャプテン・ハーロックの所為。そもハーロックとは何者なのだ!?
クレオ:宇宙海賊と名乗ってはいるが…。
テシウス:アルカディア号ただ一艦を持って全マゾーンに戦いを挑むような、そんな男が地球人の中にいたとは!ハーロックさえいなかったら、こんなことも表面化せずに済んだものを!
橘慎悟という奇蹟の存在に愛されなければ、篠塚は“鏡”の元に下り隷属していたに違いない。篠塚も結城も組織に従うよう調教され、人生を破壊され傀儡として育ったという双児的存在だった。しかし、見えざる何かの導きか、篠塚を人間として留める“愛”が彼女に齎された。
「煌龍」の総帥にして世界の支配者と自身を結城にセックス奉仕するメス奴隷兼下僕が篠塚の在るべき姿だと定義し、それを強制することを当然として彼女を狙うことに結城は疑問も無く行動する。しかし、それは篠塚が機械人形だった過去ならばあり得たかもしれないという無意味な幻想である。確かに、慎悟を愛し彼に愛される至福を得なければ、慎悟と出逢わなければ辿っていたかもしれない。しかし、めぐり逢い、愛し合って喜びも悲しみも分かち合って慎悟と生きる道を歩む今となっては“幻”に過ぎない。
『キルトS(セカンド)』の〈西の守り〉編で、白の鎧の力でモンスター化した少女。感情も無く凍りついた表情で、キルト(泉切人)の仲間を殺そうとする。4人の「守り」の中で唯一裏切らなかった慶吾の転生体の槍蔵圭吾だが、死すべき定めを捻じ曲げて妹の志穂をモンスターに変えてしまう。彼の弱い心がモンスター化した姿かもしれない、そしてキルトの醜い弱さの具現でもあるのだ。
TVで観たドラマのように花嫁を連れて帰国し、即位と婚礼の2本立てで晴れやかな人生のスタートを企んだ西アジアのダージェ王国のバカ王子に、隠れ潜まねばならぬ慎悟の姿を重ね憂いに沈む篠塚。
私が愛さなければ、彼が私を愛さなければ慎悟は自由でいられたのに…と未だに繰り言を重ねる。その場合、篠塚とは永遠に決別せねばならず、慎悟は絶対に幸福にはなれない!自身のことを忘れて幸福に生きるだろうという、慎悟を捨てた時の篠塚の妄想のように生きたとしたら、それは断じて慎悟ではないのだ!!
篠塚を愛し、共に生きてこそ慎悟なのだから。