プラチナ・キラー
エキセントリック・シティⅡ
ライナー:わっかんないもんだなァ、彼女がターゲットじゃないなんて。
ジャレット:神がどうのとわけがわからんこと言ってたが。あいつ、結局、自分の好みの女を狙ってたんだからな。プラチナ・キラーにとっちゃケイトタイプが理想だったのさ。
ライナー:でも―――好みなんてスキになっちゃえば関係ないですよ、好きになった人のタイプが好みになるんだ。
クレフ:私は……『創造主(モコナ)』は『セフィーロ』の『変革』を望んでいたのではないかと思っているのだ。
プレセア:え?
クレフ:……もし、セフィーロに変化を望まないのなら、側に別の摂理形態を持つ国など置かない。『魔法騎士(マジックナイト)』などという存在も異世界の者である必要はないだろう。自分以外のものを見、ふれあい、理解し、よりよい『世界』を作ることを『創造主(モコナ)』は望んでいたのかも知れない……ヒカルが乗っていた『魔神(マシン)』は『レイアース』、『地球』の言葉で『光る大地』という意味だとヒカルたちが教えてくれた。すべての『世界』が『光あふれる』ところであれとの願いが込められていたのかもしれない。
風:では……私たちをもう一度招喚したのはやはり……。
クレフ:『柱』なきセフィーロで異世界の者を招喚できるのは『創造主(モコナ)』だけだろう。もう一度セフィーロにいきたい……そして、この国を変えたいという異世界の少女たちの強い『願い』が『創造主(モコナ)』を動かした……お前たちなら、この世界に『変化』をもたらせると『信じた』のかも知れんな。
モコナ:エメロード姫は『セフィーロ』を、そして、みんなを愛していた。しかし、信じてはいなかったのかもしれない。姫は生命(いのち)をかけて愛するものたちを守ろうとしたが、自らの重責を分かち合い、ともに歩こうとはしなかった。『セフィーロ』は『柱』がすべてを司る世界。『柱』制度を無くす事も姫にはできたのだ、それでもエメロード姫は己の死を選び、この制度の存続を望んだ。一人がすべてを決める『変化のない明日』を……しかしセフィーロの新しい『柱』は『己の死』ではなく『制度の死』を願ったのだ。己を犠牲にせず愛する者をただ庇護するのではなく、喜びも苦しみも分かち合い、背おい合い、共に未来を築いていける『昨日とは違う明日』を。お前たちは愛する者を信じている。
魔百合の恐怖報告
その52 子供たちの苑
寺尾玲子:子供って残酷な面を持ってるでしょう?まだ人間としての道徳心や経験値がないから、ものの善悪もわからない欲望に忠実な生き物なのよ。そばに叱ってくれる大人の集団なの、あれは――。