・バクテリオシンBacteriocin ばくてりおしん
細菌が産生するタンパク質性の1群の抗菌性物質をいう。1925年、A. グラチアAndre Gratiaによっ大腸菌のコリシンColicinsを発見して以来、他に緑膿菌のピオシン( アエルギノシン)などが知られる。生育に邪魔な類縁の細菌に対して抗菌的に作用するタンパク質やペプチドの総称のこと。
乳酸菌が生産するバクテリオシンは、一般に熱や酸に対する安定性に優れ、味や臭いが無く、食品の風味に影響を与えない。古くから人類の食生活に乳酸菌が関わってきたことから安全な細菌で、ヒトの消化酵素によって容易に分解することから安全性は非常に高いと考えられる。
ネオナイシンに含まれるバクテリオシンのナイシンは、乳酸菌(ラクトバチラス ラクティス)が作る34個のアミノ酸からなるペプチド。主に、ナイシンを 作る乳酸菌と近縁な細菌(グラム陽性菌)に抗菌作用を示す。ナイシンには、類縁体(ナイシンA,Z,Q,F,U)が存在し、 1928年に発酵乳から分離したナイシンAを発見した。その後、安全性が認められ、世界50ヶ国以上で、安全な食品保存料として使われている。日本でも、2009年にようやく厚生労働省により、遺伝毒性、発が ん性試験その他の検証を経て、食品添加物として認められた。
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