・血糖値Blood sugar concentration / Blood glucose level けっとうち
ヒトの血糖値は、血糖値を下げるインスリン、血糖値をあげるグルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、コルチゾールといったホルモンにより、非常に狭い範囲の正常値に保たれている。
体内におけるグルコースはエネルギー源として重要である反面、高濃度のグルコースは糖化反応を引き起こし微小血管に障害を与え生体に有害であるため、インスリンなどによりその濃度(血・糖)が常に一定範囲に保たれている。
血糖値がおよそ180mg/dLを越えると、腎臓の尿細管でグルコースの再吸収が追いつかなくなり尿に排出されるようになる。スクロース(ショ糖)180g程度以上を一度に摂取すると健常人であっても一過性の糖尿を生ずる。これは清涼飲料水100cc当たり10g程の糖を含み1.8リットル前後に相当する。
血糖値が約80mg/dLを下回ると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極端に低下する。 約65-70mg/dLに低下すると、異常な空腹感、動悸・震えなどが現れ、上げるホルモンであるグルカゴン、アドレナリンが大量に放出され始める。 約60-65mg/dLの低下で次に上げる、成長ホルモンが放出される。60mg/dLをきると、コルチゾールの分泌が亢進する。血糖値が50mg/dLを下回ると、大脳のエネルギー代謝が維持できなくなり、中枢神経の働きが低下しはじめ、さらには30mg/dL以下で意識消失を引き起こし、重篤な場合は死に至る。ただ上記のような回避システムが血糖値50mg/dlにまで低下するのを防いでいるため、通常は意識に異常をきたすには至らない。
糖尿病の診断基準に、血糖値で空腹時(朝食前)で126 mg/dL以上、2時間食後で200 mg/dL以上、ヘモグロビンA1Cが6.5%以上で、一般には糖尿病と診断している。
高齢者の場合は、空腹時血糖値を 100~120mg/dl、食後血糖値を180mg/dl以下に調整するほうがうがよいとの報告がある。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。