・コーンスターチCornstarch こーんすたーち
トウモロコシでん粉のことで コーンには固形分あたりおよそ70%の澱粉が含まれる。現在、国内では澱粉の8割以上およそ300万トンをコーンスターチで占める。純度の高い、一定した品質のものが得られる。主に原料となる品種は、そのままでは食用に向かないデントコーンDentcorn(馬歯種)が使われる。
デント種由来のコーンスターチ(一般のコーンスターチ)のアミロース含有量は約26%、ハイアミロース種由来のハイアミロースコーンスターチは、50~90%のアミロースを含み約20%の食物繊維を含有し、難消化性でん粉(レジスタントスターチ:314kcal/100g)とも呼び添加した食品も数多い。ワキシー種由来のワキシーコーンスターチはアミロペクチンを100%含有する。モチとうもろこし(ワキシーコーンスターチkcal/100g):糊化開始温度55℃・完全糊化温度63℃、粳?(うるち)とうもろこし( ハイアミロースコーンスターチ ):糊化開始は非常に高い温度で粳(うるち)とうもろこし( ハイアミロースコーンスターチ ):糊化開始は非常に高く135℃以上で加圧糊化やアルカリ糊化をする必要がある。純白、無臭、粒子が6~25μmと、こまかくそろい舌触りがよく、安価で工業用(特に糖化用、コーンシロップ60%以上)での伸びが戦後著しく澱粉生産量でトップを占め今後も増加傾向にある。
吸湿性が低く冷えても粘度が変わらない製菓(アイスクリーム、プリン、チョコレート、ケーキ)、調理(てんぷら粉)に、紙、布の糊(粒子が細かく酸、アルカリに強く安定性がある)とし浸透性もよく利用している。でん粉を糖化し、自動車燃料であるエタノールや異性化糖なども作られる。
コーンスターチの副産物とし浸漬液(しんせきえき)よりたん白質、油脂、繊維質に富むことから抗生物質などの培養液の材料、胚芽よりコーンオイル、たん白質よりコーングルテン(グルタミン酸ナトリウム)、繊維質よりグルテンフィード(製紙、飼料)に用いる。小さな粒子から成り、一般のコーンスターチは糊化温度は65~70℃とやや高く糊液にしたときの粘度は低く、透明感のない白さでゲル化しやすい。このような特徴から、ブラマンジェ(フランス語で白い食べ物)と呼ばれるゲル状の冷菓などに利用してきた。
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