・養殖と蓄養(畜養) Aquaculture and amass foste(livestock foster)ようしょくとちくよう
養殖という言い方のほかに畜養(ちくよう)というのがあります。
少し意味合いが異なっているようです。
養殖としては、日本では主に魚貝類について行なわれています。
養殖魚Hatchery fish としてタイ、ハマチ、すずき、ひらめ、トラフグ、くろめばる、シマアジがよく知られています。
養殖とは稚魚(卵からかえったばかりの魚)から育てた魚、もしくは、卵から孵化(ふか)させた完全養殖のことをいいます。
養殖場、居酒屋などの生簀(いけす)など狭いところで養殖される魚にとってストレスとなりまた傷つきやすく、病気になりやすいので殺虫剤、抗生物質などの薬物が撒(ま)かれ使われていることが多くあります。
海の養殖場では餌となった魚などの死骸、残骸が沈んで酸欠、死の海と化している傾向にあるようです。
最近では遺伝子組換え魚がアメリカ、カナダで研究され、いまサーモンの研究段階にあるといわれています。
生簀は海と違い狭く必然的に運動量は少なく身も柔らかく、その上鰯、鯵類の油の多いエサを与えるので当然トロの部分が増えてくるのです。
生食用のカキは、食品衛生法によって海水中の細菌数が基準を満たしている海域で養殖されたもののみとされています。
定期的に細菌検査を実施し、オゾン紫外線での殺菌、ウイルスが蓄積しないように海水の流れを良くする、殺菌海水につけるなどの措置が取られています。
西欧諸国などで行なわれている稚魚を捕獲し育てることを畜養といいますが、スーパーでは、養殖として表示しています。
一方畜養Culture は、家畜などを飼い育てる、子を養育する、幼魚を捕らえ生簀(いけす)で育てることをいいます。
JAS規格では、餌を与えて育てた水産物は全て養殖と表示することを義務付けられ畜養も養殖として表示しています。
原産地表示は飼い育てる畜養期間が長い産地を表示するよう定めており現在、日本で消費されるアサリの6割は中国・韓国産ですが一部は2~3ヵ月間干潟で畜養し国産と表示されることもあります。
鮪の多くは海で獲った20~30kgの未成魚マグロを生け簀で育て大きくして出荷しています。 1990年代にオーストラリアでミナミマグロの蓄養が始まって以来、日本でも、この方法によって安価なトロが大量に出回るようになりました。
蓄養マグロの体重を1キロ増やすためには、餌となるイワシ、サバなどの小魚が10~20キロも必要になるといわれます。アサリ、はまぐり、さざえ、かに、鰹、うなぎ、車海老などの蓄養も行われています。
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