レトロ電子工作

電子工作はじめました!
基本的な所からゆっくりゆっくり進めていきます

ユニバーサル基板 (両面スルーホールのすすめ)

2019年08月21日 06時30分26秒 | 電子部品
これから 信号確認等で 超小型の「S1モジュール」などを
 各種 作成して行くにあたって、絶対に必要な部品の1つに
  「ユニバーサル基板」
 が、あります。 そして、けして安い買い物ではありません。

 サンハヤト製のもので、基板だけで5000円だの7000円だのするものがあり、色々 作ろうとすると 基板の費用だけでも とても払いきれるものではありません。 だからといって、できれば「片面スルーホール」の基板は使わない方が良いです。 「片面」の方が 多少 安価だが、銅箔が剥げて失敗しがち・・・ 特に「ハンダ付け初心者」は 「両面スルーホール」を使いましょう。 多少 高くとも!

 今回のように 超小型のモジュールを作ろうとした場合、小さな基板から さらに切り出して 大きさを調整すれば良いので、そんな時 良く使うのは,

例えば <秋月電子>の 95mm x 72mmサイズ  板厚t=1.6mm(P-03232)
1枚 170円(2019年 現在)が安いか?高いか? 人それぞれでしょうが・・・
材質は ガラス(コンポジェット)素材 で 丈夫です。 CEM-3という名称の板で、「紙フェノール」等を使うより ぜんぜん良いです。 昔よく使われていた「ベーク基板」もできれば避けたい。

実際の大きさが 分かりにくいと思うので、ダイソーの緑のカッター台と比較
 1マス=1cm

これでは、サイズが小さすぎる場合は、
  155mm x 114mmサイズ  板厚t=1.6mm(P-00185) これもガラス系の素材。
Aタイプ = 400円
 基板の材質は FR-4 というもので、CEM-3より もっと硬くて丈夫(ゆがみが少ない) これが一番 良いかな~?と思う。
 実は このAタイプというユニバーサル基板、現在使っているサンハヤトのCPU-7Gのエッジ付き基板と ほとんど同じ大きさ ↓ なんです。
(重ねるとピッタリ隠れる)横幅114mmが同じだと、何かと便利に使えます。


 それでも(Aタイプでも) まだサイズが 小さいという場合は、
この緑のカッター台とほぼ同じ大きさ(Aタイプの約2倍)
 210mm x 155mmサイズ (P-02188) これも同じガラス系の FR-4。

(通称=大タイプ)ここまで 大きければ ほぼ何でも作れる。(笑)
 しかも 1枚650円 と 比較的 手頃!

逆に、超小型サイズで良い場合は、

こんなの ↑ もあります。 これなら わざわざカットしなくても良い

別に 秋月の宣伝を行っているわけではないので、別の選択肢も紹介します。
例えば、

ヤフオクで見つけた ユニバーサル基板で、価格はすべて一律 250円。
25枚がワンシートになっていて、2cm角の 小さな 小さな基板に割って使います。 これなら 1枚 10円 という安さ。

もう少し大きい 3cm角のとか ↓
 
細長いものとか ↓ 

また、
 44ピンのエッジ端子が付いた基板がもう一枚必要になった時は、
 <サンハヤト社製>の現行品 ↓  CPU-107G ¥1760円

これが 使いやすそうです。 次はこれに したい。 (もちろん これも両面スルーホール基板)

こういった 安くて丈夫な 製品で揃えていく 少しでも家計への負担を和らげる工夫と その情報を紹介して行きたいと思っています。



パスコン (面実装 部品のすすめ)

2019年08月20日 06時30分12秒 | 電子部品
バイパスコンデンサ(通称、パスコン) 
 使用するICのできるだけ近くに 容量の小さなコンデンサを取り付ける事によって、
 ① 電源の変動に対して強くなる(回路の動作が安定する)
   → ICが急に大きな電流を使ってもパスコンから供給される
 ② ICから出るスイッチングノイズを外へ出さないようにする
 といった働きを期待して取り付ける 「おまじない」? または「お守り」のような部品です。
 使われるコンデンサもいろいろな種類、色々なサイズ がありますが、最近では「積層セラミック」コンデンサ ↓ というのが良く使われます。 (安価、容量が大きくても小型、そして壊れない=劣化が少ない)

ピン間の幅が ↑  左側2種類は 2.54mm(狭い) で、 右側2つはその2倍(広い)です。

どちらが使いやすいか?は、 使ってから自分で判断してください。 どちらにしても 2本の電源ラインをまたぐことは出来ないので(2.54 x 3個分必要)この手の基板には取り付けるのが 少々厄介になります。
でも、かなりコンデンサの大きさが小さくなったものです・・・

 昔は、大きな↓セラミック・コンデンサ(積層でないタイプ)が使われることが多かったのですが、

最近は、滅多に見かけなくなりました。


使う容量としては、人によって、回路によって 0.01uF だったり、0.1uFだったりと まちまちですが、私は主に 104 (0.1uF)を使うようにしています。

これは ↓ 、昔のMZ-80C(シャープのマイコン)の内部基板の写真ですが、黒いICの横に 黄土色の丸い部品がズラズラと並んでいます。 これがパスコンです。(部品の大きさが まちまち なのが笑える)

実物を確認しましたが、当時も 104 (0.1uF) を使っていました。

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ここで「笑い話」を一席・・・  お付き合いください :
 このパスコンを回路図内で描く時、実体配置通りに各ICの近くにパスコンを書くのでは無く、全部まとめて電源コネクタの近くに配置する事が多いです。(あくまで回路図の上だけです:  その方が描くのが楽だから)
 でも、実際はICの近くに、基板全面にバラバラに、配置しないと パスコンの意味が無くなってしまいます。(この理由はわかりますよネ?)
 ある時、かなり古いレトロのマイコン: MZ-80Kという「自分で組み立るキット」のコンピュータを手に入れました。 その中の基板を覗きこんだ時、ビックリしました ・・・ パスコンが全部 電源コネクタの近くに まとまって置かれていたのです。
 当時、SHARP(シャープ)では 社内で基板のパターンを作成(アートワークという)していたのでしょうか?。 しかも、パスコンの意味を知らない、かつ 回路図の見方を知らない 技術者がアートワーク作業を行った・・・としか思えない 回路パターンでした。
 それが そのまま製品として売られていた事にも驚くし、笑えてきます。 (このミスは 初期タイプの基板のみで、すぐに修正版に変わってしまったので、ある意味 貴重な1台とも言えます)
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さて、現在では
 ICがそれほど大量の電流を消費する事も無く、また 昔のD-RAMのように大量のノイズを外に放出するICも滅多に見なくなりました。 ノイズに対する耐性も良くなっていて、正直な所 パスコンが 無くても まともに動作するし、パスコンを入れたからと云って誤動作が収まったという事例も 経験したことがありません。 要は 昔からの癖で 用心のために入れているだけ・・・になって来ています。

 そんなパスコンの新しいタイプの提案です。
上の写真で4つ並んだ積層セラミック・コンデンサの左から2番目:もっとも小さいコンデンサと比べても、さらに小さい ↓ (右側)

 面実装タイプのコンデンサです。 (これも積層セラミックで 容量も同じ0.1uF) 大きさは 【2012】サイズといって、長辺2mm、短辺1.2mmです。
 
くしゃみをすると 何処かに飛んで行ってしまう「小ささ」です。 (笑)
【1608】サイズの もう一回り小さいのが一般的ですが、小さすぎて扱いにくいです。

このサイズだと 基板裏の電源パターンに ピッタリ(ショートもせず 渡せる)です。 ↓ 見えますか?
 ここにそのままハンダ付けしてしまえば、ランドの穴を2つ消費する事も無く、スペースを稼ぐ事ができます。 何より価格が安いです。(わずかですが・・・)

右上拡大 ↓
 ユニバーサル基板に 手作りの回路をDIYする際、ピンタイプのパスコンを使うより、楽に「手半田」することが出来るのでは?・・・ という 新たしい方法の提案です。



ポリスイッチ (繰り返し使えるヒューズ)

2019年08月19日 06時30分34秒 | 電子部品
ユニバーサル基板に デジタル電圧計を付けたので、
 5V電源の電圧は常時 監視できる。 これを行った上で、「ポリスイッチ」と呼ばれる ヒューズの一種を取りつけてみます。

 回路を構築して行く上で、何処かで配線をショートしてしまい、電子部品 全部を壊してしまわないために!
(何しろ i8080とかi8085 といった骨董品に近い 貴重なCPUを動かすのですから、失敗はゆるされません)

従来、ヒューズと言えば ガラス管に入った30mm長のものが一般的でした。(最近は 滅多に見かけなくなったが・・・)

 少し時代が進むと、もっと小型 ↑ の20mm長のガラス管ヒューズが出て来ました。 これ(短い方)は今でもホームセンターで 普通に買えます。
これを使うには、ヒューズ・ホルダという部品もいっしょに取り付けなくてはいけません。 これは BOXやパネルに取り付けて使うもので ↓ これでは 基板上で 使うわけにもいきません。
基板上に ガラス管ヒューズを取り付けるためのフォルダもありますし、実際 そうやって使っている回路もあるのですが、20mm管ですら大きいし、何より一度 切れたら取り替えないといけないので面倒です。

 そこで登場したのが、最初の写真の 通称「ポリスイッチ」と呼ばれる 「繰り返し使えるヒューズ」のような部品です。 今回 使ったのは  <Little fuse社>の RUEF090 という型番です。

 RS社から入手する場合 ↓

 色々な所から入手できるので 入手性に関しては 問題ないでしょう。


 通常 0.9Aまでは そのまま流せて ↑(それ以上になると発熱する)、1.8Aまで電流が増えたらトリップする。(抵抗が増えて電源を切ってくれます)
  温度が下がれば また使えるので 取り替える必要はありません。 ショートして部品を破壊する前に、切れてくれるので壊す危険性が下がるでしょう。 おそらく・・・ (笑)

 流せる電流(トリップさせる電流)に応じて、色々な種類があるのですが、今回 CPUが 電流200mA流れるとして、回路全体で450mAもあれば十分足りると予想するので、その倍の 0.9A のを選びました。 (ここでギリギリの電流の部品を選ぶと失敗します・・・ 電圧が5Vより下がってしまう為)

 
今まで エッジコネクタの +5Vのピンから 赤い配線で直接 基板内部に接続していた部分を取り外し、

ポリスイッチを挟むように改造します。

この時(部品の交換後)、電源電圧が正しく5Vのままかどうかを「電圧計」で確認します。 もし、4.7V以下 に下がるようであれば ハンダ付けがどこかミスしているはずです。
無事、4.98Vを保っています。 (0.01V程 下がった)

 これで多少 ミス配線しても大丈夫!  の はず。
 いや、それでも ミスしては いけませんが・・・




超小型デジタル電圧計(S1モジュールの応用)

2019年08月18日 06時30分39秒 | 電子部品
超小型の「デジタル電圧計」という商品が安価で売られています。 私の場合 350円にて(送料を含まず)入手できました。

「2線式」というタイプで、電源と電圧を測定する線を兼ねている(=電源電圧を測って表示している)もので、横2.5cmx縦1cm程の かなり小さい7セグメント表示器です。
 それでも、DC3V~15V まで(0.01V精度)で測定できる優れモノです。

こんなものを購入して使ってしまうのは、すべて手作り:DIYの精神からは外れる事かもしれませんが 安さ、手軽さには 替えていられません。

ここに電源を供給する際にも 昨日 紹介した「S1モジュール」を応用して使ってみます。 要は電源コネクタなのですが、「逆挿し防止」の機構を取り入れています。 ↓ それはこんな簡単なアイデアです。

  1番ピンに「プラス5V」、2番ピンに「GND」は今まで通り、3番ピンは 何も接続しない「空き」にしておきます。 もちろん、1番ピンがどのピンかは 分かる様に印は付けておくのですが、それでも人間は間違って挿してしまうことがあります。
 単純なLED表示だけなら 逆に挿しても壊れはしないのですが、この電圧計用に複雑な回路が入っている基板だと「電源の逆挿し」は命取りになりかねません。(おそらく壊れるでしょう) ↑このアイデアのように3番ピンに何もつながないで置いた場合、最悪 ソケットを逆に挿しても +5Vが供給されないため(表示が点灯しないだけで)壊れる事はありません。
 3番ピン側に1個ズレて挿したとしても +5Vが供給されないので、これでも壊れません。(ずらして挿すミスよりも 逆に挿してしまうことが圧倒的に多い)

デジタル電圧計の赤と黒のピンに、3ピンのソケットをハンダ付けし、

3番目のピン、1個は空けておきます。

 基板の裏(部品面)は、回路がむき出しなので ここに薄い透明なプラスチック板をホットボンドでとめておきます。(ショート防止)
ついでに赤黒の線の補強(ストレスで線が切れないように!)もしておきます。

 これを基板に 仮止め(ランドの穴に細い配線を通し ねじって簡単に固定)して、ピン・ヘッダ に正しく接続します。
 i8085の回路が完成するまで この状態 ↑ で使っていこうと思います。(電源電圧を常に監視できる) 配線が完成したら取り外す予定。

 今回 使った5V 3.0AのACアダプタだと ↓ 、かなり正確に5Vが出てるのが分かります。
4.99V
 そして 電源をOFFしてから 2秒も経った後に かなりタイミングが遅れて もう一度 一瞬だけ5Vがで出力される?という 奇妙な現象も発見できました。 (この時にショートさせると電子部品が壊れる危険性あり?)

 ① 長めの線を延ばしていて(ソケット直接→基板ではない)、
 ② しかも市販の電圧測定基板をそのまま使ってはいますが、これも ちゃんと「S1モジュール」の1種といえます。


■ S1モジュールのルール:
 ◎ 左右逆挿しして壊れる可能性のあるモジュールは、(1番とは)逆側のピンを(1ピンまたは2ピン) 「空き」として、何も接続しないピンを設ける・・・これで「逆挿し防止」機構とする。


  7セグで数字が表示されると
  ちょっと格好イイと思ってしまうのは、
  私だけだろうか? (笑)



S1モジュール(仕様)の基本

2019年08月17日 06時30分14秒 | 回路
昨日 紹介した 「ピンソケットによる テストLEDモジュール」のような
 シングル・ライン(1列)のソケットを用いたテストモジュールの事を
   【 S1モジュール : エス・ワン・モジュール】
 と名付けることにしました。(シングル=Singleを本だけ使用したモジュール) 何かしら名前があった方が呼びやすいので。

 その基本形として 1ビットの信号の Hi/Lowを1個のLEDで確認するためのモジュールを以下に説明します。 回路図は ↓ こんな感じ。

 これまで通り、
  1番ピン   +5V
  2番ピン    GND
  3番目以降が 「信号」。・・・とします。

ここでは3番のピンの信号名を D0 とし、そこにLEDを付けています。
その実物の写真が ↓ これです。
 3ピンソケットに小さな基板
ここでも1番ピンが分かるよう 1番側の基板を削って目印にしています。 もしくは、1番側に赤い印を付けることにします。
3番ピンに(例えば /RESET)信号がつながるよう配線しておき、その信号がLowならLEDが点灯するので 信号がONになった事がわかります(負論理)

基板側の工夫:
 基板側にはピンヘッダを付けておくのですが、ここでもどちら側が1番ピンなのか分かるようにしておかないといけません。 1番ピンを区別するアイデアとしては、マジックで赤い点を付けておくのが一番 簡単ですが 色が消えてしまうことがあります。

もう1つの案として、1番ピンだけを少しだけ(0.5mm~1mm)短くしておき ピンの長さで区別する方法です。 「+5Vが短い」というのは逆のようなイメージをもたれる(「プラスが長い」方がイメージ通り)かもしれませんが、モジュールを刺した時、先にGNDと接触し 最後に+5V電源に触れる方が、回路的にも壊れにくく、安全です。
ただ、この加工もなかなか面倒ですので、たとえばちゃんと基板をアートワークしパターン化する場合なら、シルクで白い△(三角)マークを1番ピンに付けるものとします。  手ハンダで配線する手作り回路の場合は、シールで赤い▲三角を1番ピンに貼り付けるものとします。

このピンヘッダ(PH-1)は、基板に入るところも含めたピンの全長が 11.6mmある(基板上部に飛び出ている部分が 5mm~6.1mmある)長さが「長め」のピンです。 もっと短い(ピンの全長が9mm)基板上部に飛び出ている部分が 4mmというタイプの部品もあります。 (  ↓ 奥が「長め」、手前は「短め」のピンの例)

4mm出ていればちゃんとピンソケットと接触するので問題ありません。
 よって、1番ピンは4mm程度、それ以外は5mmの長さのまま使うことを基本とします。(この加工が面倒でなければ…です)
  ハンダ付けする前に、ニッパーなどの工具を使ってピンを無理やり引っ張って 1番ピンだけ長さを短くしておきます。 半田コテの熱をピンに充てておくと土台のプラスチックが軟らかくなり、比較的 簡単にずらせます。 (ハンダ付けしてから やると基板のランド(銅箔)が取れてしまったりするので注意)

 部品選びの注意点として、ピンの太さを間違えないようにすること! このPH-1はピンが0.64mm角です。 これならしっかりと接触しますが「細ピン」と呼ばれる0.5mm角のピンも売られています。(PHA-1??)  これでは ゆるゆるで接触不良を起こします。(ブレッド・ボードに刺すには この「細ピン」の方が良いのですが・・・)


 ここで 写真入りで紹介した LED1個だけのS1モジュールですが、1ビットの信号を確認するために 3ピンも必要となるのは、 けして効率のいいものではありません。 よって 通常は1モジュールに2ビット以上 まとめることをお勧めします。 (2ビット仕様なら4ピン必要:これなら まだ許せる)
 通常は、昨日 紹介ような 4ビット(=6ピン)や 8ビット(=10ピン)でまとめて確認するモジュールを作った方が効率的です。 

 これらも 1列のシングル・ソケットを1本だけ使ったモジュールなので、総称して 「S1モジュール」 と呼ぶことにします。


■ S1モジュールのルール:
 ○  シングル(1列)ソケットを(1本だけ)孫基板側に使ったモジュールを 「S1モジュール」と呼ぶ
 ◎ 1番ピンを+5V、2番ピンをGNDにする。(3番ピン以降は自由に使用)