私の網膜(フィルム)に写るもの

そこに印象を添えて写し表わすのが写真?...音は好きなイメージで貴方が

映像イメージから

2006年08月20日 | 音楽
ある詩を思い出した。

「灯台へ行く道」 ~西脇順三郎~
まだ夏が終わらない
灯台へ行く道
岩の上に椎の木の黒ずんだ枝や
いろいろの人間や
小鳥の国を考えたり
「海の老人」が人の肩車にのって
木の実の酒を飲んでいる話や
キリストの伝記をを書いたルナンという学者が
少年の時みた「麻たたき」の話など
いろいろな人間がいったことを
考えながら歩いた
やぶの中を「たしかにあるにちがいない」と思って
のぞいてみると
あの毒々しいつゆくさの青い色もまだあった
あかのまんまの力も弱っていた
岩山をつきぬけたトンネルの道へはいる前
「とべら」という木が枝を崖からたらしていたのを
実のついた小枝の先を折って
そのみどり色の梅のような固い実を割ってみた
ペルシャのじゅうたんのように赤い種子がたくさん
芯のところにひそんでいた
暗いところに幸福に住んでいた
かわいい生命をおどろかしたことは
たいへん気の毒に思った
そんなさびしい自然の秘密をあばくものでない
その暗いところにいつまでも
かくれていたかったのだろう
人間や岩や植物のことを考えながら
また灯台への道を歩きだした


これは、文学に詳しくない私が探し出せる詩ではない。
私の好きな音楽空間を演出してくださる秋元カヲルさんの、2003年のsongbookに挙げられていたものからの引用です。

今週末はライブ三昧です。是非聴いてみてください!

8/24 六本木トラウマリス
8/25 茅ヶ崎アシェンダカフェ
8/26 元町 茶倉

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2 コメント

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Unknown (kawol)
2006-08-21 10:09:38
こんにちは。

なかなか伺えなくてごめんなさい。

ellemezさんならではの写真、楽しみにしています。

そういえば、西脇さんの詩にはこんなのもありますよ。





「写真」



夏の河原を行く奴は誰だ

こはく色の水がてかてかに光り

女神の速度で流れている

ボタンヅルのからむ藪の路を

静かにゴム靴をはいて歩くのだ

路よ静かに流れよ記憶の終るまで

緑の童眼に残つたあのクルミも

アカシヤもチャンチンもまだある

子供の顔を土瓶の形にはらした

あのウルシの木もまだ曲がつていた

停車場の跡に木工のベルトがうなる

ナラの木でサラダの椀をくる友人が

雲と交わつてレンズの中へとけこむ時

天はトンボのようにかたむいた

記憶は無限へそれた





素敵でしょう。

今週は久し振りのライブ、しかも三夜連続。

新しい相棒も、登場します。(人じゃあありませんが)

どうぞ宜しくお願い致します!
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ありがとうございます (ellemez)
2006-08-22 21:36:59
昨日はわざわざ遠回りして寄って頂き、ありがとうございました。



西脇さんて、小千谷の方だったんですね。

「少年の頃の思い出の地を歩いたり、独特の幻想的なタッチで風景画を描いたり、時には東京から文学仲間を案内し、山本山から見える信濃川の美しい蛇行を自慢したという。」~小千谷市ホームページ~



私が思い出すのは、中越地震の後ボランティアで行った際、お昼を川沿いの土手で皆で食べたお昼と、「こんなに蛇行するくらい地殻が変動しているんだ」と恐ろしさを覚えました。

でも生まれ育った所は、落ち着きますね。



詩の紹介ありがとうございました。

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