Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

『第17回 脳の世紀シンポジウム』・・・

2009-09-30 18:47:10 | 科学の眼
今朝は、色々と気の揉めることもありましたが
おかげさまで、「こころの台風」も去って、
ようやく小康状態を取り戻しているところでしょうか?

この頃、どこか口癖になってしまいましたけれど

『生きていればこそ…晴れる日も雨の日も、風の強い日があっても
きっと、何かしらの手立てが見つかるはずです』もの。

青空が見えなくても、この時期に
こんなに綺麗な水色の花を付ける朝顔があるんですよ!



さて、気持ちも落ち着いて、お出かけをしてまいりましたので

簡単に、事後報告をしておきましょう。

(今日は、ありすの会という母親の集まりで
大変に尊敬申し上げている「佐々木正美先生のお話」が企画されていましたが…

そちらをキャンセルしてまで)

お話を伺いたかったのが『第17回 脳の世紀シンポジウム』です。


私自身は、単なる素人の興味・関心だけですけれど、

『科学は「直観」というものを、どのように捉え

どのように、「直観」にアプローチするのでしょうか?』


特別講演:『脳の可能性』羽生 善治 (将棋棋士)

脳を知る:『将棋棋士の直観を脳活動から探る』

中谷 裕教 ((独)理化学研究所脳科学総合研究センター)

休 憩

脳を創る:『経験を積んで直感を養う:コンピュータ将棋と機械学習』

近山 隆 (東京大学)

脳を守る:『統合失調症の脳病態と早期介入』

笠井 清登 (東京大学)


4人の方のお話を、伺ってまいりました。

(脳を育む:『発達期の神経回路機能の再編成』
 鍋倉 淳一 (自然科学研究機構生理学研究所)氏のお話は、
時間の関係で、伺わずに失礼いたしました。たぶん以前どこかで伺ったはず…)


将棋は、全く分からない私ですけれど

羽生さんのお話は、「発想や記憶やひらめき、脳の使い方」と言う点で
大変に興味深く
気取らない表情の生の声で伺えたことは、とても印象に強く残りました。(以下引用)

『 盤上で指せる手は一手ずつですが、その水面下には表に出ることはなかったたくさんの変化、可能性があります。
 一つの選択をするときにどのようなことを考え、どのような事柄を中心に置くのか、また、それに伴って起こる感情の起伏についても考えてみたいと思います。』とのこと。


「全体を見渡して(?)、ひと駒ひと駒のベストの場所を探す」のだけれど

実際には、長考するときは① 手がない=「プラスの手が見つからない状況」

            ② 迷っている、ためらう、

              どちらを選ぶのか踏ん切りがつかない。

A or B の局面で、「費やした時間がもったいないので、その手を指す」という

たくさんの手がある中から、「こっちが良いと『見切れる』かどうか?」が

「調子が良いかどうかのバロメーターになる」とのこと。         

知識や定跡を蓄えること自体は、「知識としては役立たない(こともある)けれど

「違うテーマや課題に出会って学ぶときに」費やしたプロセスは役に立つ。

新しい作戦や方法を試した時に、その方法論が上手くいったり行かなかったりという
モデルケースがたくさんあって、その経験を積んでいると

『不安や焦り』に打ち勝って、安心できる。

「八面玲瓏」の『玲瓏』という言葉のように
「何も考えないまっさらな気持」で臨む

「不安のないことがベスト」であり、その状態を保ち続けるのはムズカシイが

自分なりに意識しながら、コントロールするように心がけていらっしゃるそうです。

いやぁ…一般人には、なかなか到達できる境地ではないかもしれませんけれど

おっしゃっている世界を、想像することは私にもできるような気がしました。

(あまりに一生懸命羽生さんのお話を伺ってしまいましたので
次の中谷さんのお話は、後半になって睡魔に襲われてしまいましたが)

脳の働きとしての「思考」を考える上で「直観・分析・推論」の流れにおいて

① (直感で重要と判断した答えを瞬時に絞り込む)方向性を決める

②  対象を分析する  

③  結果を推論する    という考え方を示していらしゃいました。

他には「運動と思考」における脳の類似性を挙げて、運動は「身体」を

思考は「イメージや概念」を操作する。

「メンタルモデル」「小脳仮説」について、お話がありました。


サテ…お昼休憩の時間には、大急ぎで地下鉄の銀座線に乗って

「日本橋三越」で開かれている「第56回 日本伝統工芸展」を覗いてきました。

会場いっぱいに、様々な分野の作品が展示されていて
まずは、その数やそれぞれの作品の多様さに、ビックリしました。

ひとつひとつを、じっくり観る余裕がなかったのが大変に残念でしたが

焼き物や染色や織物のコーナーを中心に、愉しく拝見することができて

色合いや文様やカタチや…本当に、目の保養になりました。


(それから、「ヘンゼルとグレーテルのように、パン切れを落として」
いるわけではありまんせので

視覚的情報の記憶と、道案内の地図を頼りに…シンポジウムの会場に
無事に、帰ってくることができて、ホッと一安心をしました。)

午後のお話も、私的には「コンピューター将棋と機会学習」という未知の世界の分野でしたし

「統合失調症」については、とても関心がありましたので
大変に、興味深くお話を伺うことができました。

笠井先生は、とても柔らかなお話をなさる方でいらして

実際の臨床経験を活かした研究成果が、今後大いに期待されるように感じました。

現在のところ、「統合失調症の脳病態」を、光トポグラフィーなどを使って
早期に把握することで、「早期介入」する方法が開発できれば

前駆期から、初発期、
そして治療を開始するまでの期間DUP(Duration of Untreated Psychosis)を

短くできるかどうかが予後に影響するとのこと。

お話の載っているサイトを「JPOP-VOICE」を貼り付けておきます!)


質問票を出しましたが、時間の関係で、その場ではお答えをいただけませんでしたが

「いわゆる発達障害の2次障害として、
統合性失調症が思春期に発症する可能性があるのかどうか?

遺伝的な要因としては、全く別物と考えられるのでしょうか?」ということが
気にかかりました。


大脳皮質という分野が発達することによって、

考えたり想像をしたりする機能を持つ能力を得たことで

素晴らしい可能性を獲得した「ヒト」ですから

きっと「様々な病や困難を、乗り越える知恵や工夫を見つけること」が

できますように、心より願っております!!!



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