８人のいとこ

すてきなおじさんとカッコイイ7人のいとこたち、
ローズがさいごに選ぶのは?

ローズはひとりぼっち。ある日、すてきなアレックおじさんに
ひきとられ、男の子ばかり7人のいとこと初対面!
さあ、“運命のとびら”がひらき、ローズの新しい生活がはじまります。
病弱でさみしかったローズに、いったいどんなことがおこるでしょうか。
世界の名作『若草物語』のオルコット作の、笑いと涙と愛にあふれた感動の物語。
さいごにローズが選ぶのはだれ? あなたならだれを選ぶ? 

若草物語のオルコット先生の８人のいとこ

キャンディキャンディの元ネタではないの?とまことしやかに噂されてたあのお話。

正直さほど好きではないんだけど(オルコット先生の作品の全ての男性観や教訓がいつも少しだけ引っかかる)戸棚を暇にあかせて整理しまくってていわゆる「少女の小説」棚を拭いたりしていて、どれもこれも私が思春期の頃買いだめた本で古い上に繰り返し繰り返し読んだせいでかなり傷んでいる。

で「８人のいとこ」をぱらぱらとめくってたらさすがに面白くて読みふけってしまった。

続編の「花ざかりのローズ」に行きながら、もう紙が焼けて黄ばんでいて読みにくいったらありゃしない。

いっそのこと買いなおそうかとアマゾンで検索したら一番上の講談社青い鳥文庫が出てきて、表紙が今風の萌えっぽい絵で(わりと好きだし子供が読書する取っ掛かりになるのはすごくいいことだと思ってる。だって

)

こんなんだよ。昔のは。

これ見て今の子が読みたいと思うだろうか。

叔父様ひとりとってもちょっとこれではね。

兄ととりあって負けた初恋の人の娘ひきとったって設定が薄気味悪いものになるやんね

だから青い鳥文庫のほうほうほうこの叔父様素敵、あらあらーとじーっと見てしまった。

七人の素敵ないとこたちでなんとなく誰が誰かはわかるんだけど。まあローズの相手としては上三人しかあまり問題視されないしね

あおり文句は上の青字ね

しかしこれ見てローズが最終的に誰を選ぶのか、わかる子供は少なかろう

私が推しだった魅力的なニートのチャーリーは上の誰なんだろう

左から二番目のアンニュイで栗毛の長髪の彼かしら

下睫毛のある彼ね。

しかしどうしてマックやチャーリーを栗毛に描いてるのかしら。キャンベル家のいとこたちは全員が選ばれた容姿の象徴である美しい金髪で青い目を持つのに。

他細かいところにアメリカ人の大富豪の選民意識がみちみちとダダもれてますよーー

力技で求婚者の群れからはじき出されるしかなかった美形のプリンスチャーリーを子供の頃は好きだった。

長じて、いややっぱりこいつはダメだダメ男だ、と思うようになり、最近では

「莫大な財産が唸るほどあるんだし野の百合のように働きもせず、紡ぎもしなくとも、美しさと面白さと陽気さがあればええやん」

と思うようになりました

ただもう少したった今は、チャーリーは若く美しい頃はいい加減さも自分勝手も軽口も浮気も魅力だったけど、年取れば始末におえない役にも立たない意地の悪いアル中で悪い性病もちの馬鹿ジジイになってるだろうな、と思ってぞっとしています

彼を選んでいたらローズは早死にしていたと思う

オルコットの英断を讃えたい。おばかは、若いうちが花なのよ

その花は何にもまして尊いけどね