遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

空宙空地「短篇集『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』DISC1ほか」

2018-04-05 00:24:31 | 観劇三昧

観劇三昧:空宙空地「短篇集『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』DISC1ほか」

2018/4/4

・20分くらいの短編二人芝居三作品と30分くらいの一人芝居一作品の短編集。

『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』

・夫婦の二人芝居。夫が、死に行く妻に走馬灯を見せる話。

・妻の期待に沿うような人生の名シーンがなくて、見れば見るほど夫のめんどくささだけが前面に出てくる。

・たしかにカレーにレーズンはいやだけど、それでバランスは取れるような関係でもない。

・おそらく、男目線で見れば「いい話」という終わり方だけど、女目線なら「死ぬ直前まで気を使わせてるんじゃねえよ」になる。

・当然、さかのぼって「なんで結婚したんだ」という疑問が出てくるけど、「だから結婚したんだ」と明確に回答できる夫婦なんて、実際にはそんなにいないのかもしれない。

『ずるずるひやむぎ』

・父親の遺品整理の合間に、姉妹がひやむぎを食べながら両親の思い出を語り合う話。

・稽古期間も含めて気が遠くなるような量のひやむぎをたべたのではないかと予想。

・「ひとつの物に相反する二重の意味を持たせる」という定番の型を自然に使いこなしているところが脚本家の腕。

『サプライズ』

・フラッシュモブの結果、プロポーズに失敗した男が、あきらめきれず、あらためて女に結婚を迫る話。

・一話目の「ふたり~」がそのまま若返った感じ。

・ただ、この名シーンがあの走馬灯に出てこないはずはないので、やはり別の二人なんだと思う。

・彼のダンス自体が面白いのと、「公衆の面前でこんなことされたらそりゃあオッケー出せねえわ」という両面から面白くてゲラゲラ笑う。

『如水』

・一回ライブで見ている作品。

・話の全体像を知ってから見たほうが面白いかも。

・何の違和感もなく時制変化も二役もこなすおぐりまさこさんがやっぱりすごいし、寄木細工のように細やかにエピソードを組み立てた脚本の関戸哲也さんもすごい。

・不用意に時制を切り替える作品は多いけど、「ふたり、~」含め、時制の切り替えでリズムを作るのがうまい。

・ちゃんと作品の質を評価して、応援してくれる白瀧酒造さんの懐の深さ。みんな商品買ったらいいと思う。

白瀧酒造 ロック酒の上善如水 純米 瓶 箱入 720ml
クリエーター情報なし
白瀧酒造

作品情報(観劇三昧HP)

劇団名:空宙空地
公演時期:2017/11/12
地域:関西

出演者:
『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常/Bバージョン』
出演:山形龍平(タツノオトシドコロ)/大野ナツコ
『ずるずるひやむぎ』
出演:おぐりまさこ(空宙空地)/大野ナツコ
『サプライズ』
出演:山形龍平/大野ナツコ
『如水』
出演:おぐりまさこ

スタッフ :
作・演出:関戸哲也
舞台監督・音響:平岡希樹/照明:高山皐月(高山一族)・長坂有紗(愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」)/音楽:いちろー(廃墟文藝部)/制作:油田晃/宣伝美術:studio maco/協力:(有)現場サイド/プロデューサー:おぐりまさこ/主催:空宙空地(津公演・大阪公演・名古屋公演)/東京公演主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
<津公演>
共催:津あけぼの座・特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ
<東京公演>
芸術総監督:平田オリザ/技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)/制作協力:木元太郎(アゴラ企画)/企画制作:空宙空地・(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

あらすじ「笑っちゃうほど滑稽で、泣いちゃうぐらい いとおしい。」というコピーを軸に描く、
「さまざまなカタチの愛情」がテーマのオムニバス。
約90分のシニカルヒューマンコメディを4作ずつ、2つのセットにしました。
このDISC1には、全国各地で話題をさらった一人芝居「如水」も収録。

『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常/Bバージョン』
走馬灯ってどんなんだっけ?あれ?これが走馬灯?
あなたが覚えてるのって、そんなことだけ!?
あんなに一緒にいたのに。
駆け巡る日常。届かない想いが届くとき…。

『ずるずるひやむぎ』
忘れたくても忘れられないこと、
忘れてた、忘れたくないこと。
とある姉妹と、家族の記憶の物語。

『サプライズ』
ドライブ感満載のジェットコースターヒューマンコメディ。
一組の男女の運命を分ける、
今日が、半年前から練った、その大事な日だから。

『如水』
認知症を患う母親の半生と、その娘の独白を
鮮やかに紡ぐ一人芝居。
母娘の哀歓全てが、観客の心を掴んで離さない。

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90年会『第1話【僕らだって、ヒーローだ】』

2018-03-29 00:47:16 | 観劇三昧

観劇三昧:90年会『第1話【僕らだって、ヒーローだ】』

2018/3/28

予定していた演目が本番2週間前にできなくなってしまい、演目を変えてなんとか公演を遂行しようとする話。

実際に起こった出来事を、再構成して演劇作品の形にしている。

「トラブルをプラスに変える」とはよく聞くけど、そもそもトラブルはないほうがいいし、基本的には被害を最小限にするための精神論に過ぎないと思う。

それでも、劇中劇を多用したり、演技のメリハリだったり、個々の仲良し感だったり、悲壮感の漂わないギリギリのところを狙っている。

時間の制約がある以上、どこまでやるか、やれるかの判断はホントに難しいので、よくここまで組み立てたなという印象。

出田英人さんが普通の爽やかなお兄さんで大いに戸惑う。曹操。

脚本家どうしが書いたもの見せっこしているのは有効そうだし、脚本書けないときの泥のような雰囲気にも、とても共感してしまった。

役者さんはみんな魅力的なので、変化球ではない次の公演が楽しみ。

※ゴタカと楽ちゃんと三戸部くんがいた(他人の空似)。

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:90年会

公演時期 2018/03/18
上演時間 01:15:23
地域:関西

出演者:
池永百花/出田英人(劇団ZTON)/大牧ぽるん(激団しろっとそん)/木下航(熊の宅急便企画)/坂元恭平(ProductionDayze)/前田郁恵(劇団ZTON)

スタッフ :
作・演出:出田英人(劇団ZTON)、木下航(熊の宅急便企画)、大牧ぽるん(激団しろっとそん)
演出:

舞台監督:宝代裕規/照明:浜崎聡/音響:廣岡美祐(ゲキゲキ/劇団「劇団」)/映像:武信貴行(SP水曜劇場・観劇三昧)/スチール撮影:熊本将

あらすじ
「27歳」そんな歳で自身の信念のもと芝居をしている6人の役者。とある公演で出会い、友となり、自然な流れでユニット立ち上げと相成った。日々の討論、迷いなども乗り越えた先【本番日】の2週間前。僕たちは大きな壁にぶつかった…。
友情も家族も芝居も全部生でお見せします。これが90年会第一話だ!
「僕らだって、ヒーローだ」

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KPR/開幕ペナントレース『あしたの魔女ョー【或いはRocky Macbeth】』

2018-03-18 19:51:22 | 観劇三昧

観劇三昧:KPR/開幕ペナントレース『あしたの魔女ョー【或いはRocky Macbeth】』

2018/3/9

シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『マクベス』を、『あしたのジョー』のフォーマットで見せる話。

シェイクスピアの派生作品もここまでやらないと新鮮な表現にならないんだと、気が遠くなる思いで見ていたら、やっぱりウトウトする。

みんなの心の中にも、ボクサーにも、マクベス的なるものがいるという理屈はわかるけど、なんで混ぜちゃったんだろうという素朴な疑問が消えず。

自分にとっては、マクベスとジョーの共通点より相違点のほうが大事みたい。

マクベスとジョーが戦うなら楽しそうなんだけど、違う話になってしまうし。

ボクシングのリングを模した舞台美術が美しい。

マットに沈んでいくマクベス的な者たちの表現は怖いし、字幕や鯉の水槽の映像もスマートな見せ方でかっこいい。

ただ、実験としての面白さは感じつつ、前評判との温度差に居心地が悪くなってしまった。

※劇評家の藤原央登さんによる「コンセプチュアルな『マクベス』読解と、小ネタによる笑いがもたらす幅」 。ここまで熱意を持っては見れず。

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:KPR/開幕ペナントレース
公演時期 2017/08/16
上演時間 01:02:34
地域:関東

出演者:高崎拓郎/G.K.Masayuki/森田祐吏

スタッフ :
作・演出:村井雄
音楽:Tsutchie/照明:沖野隆一/音響:前田マサヒロ/美術:竹邊奈津子/映像:ワタナベカズキ/演出助手:渋木のぼる/舞台写真:池村隆司/当日制作:武藤香織/票券:伊藤沙耶・星島佳代/特設WEBサイト:樋口徹/宣伝イラスト:しりあがり寿/宣伝美術:秋澤一彰/英語字幕・ドラマターグ:青井陽治

あらすじ
そこに三人の魔女がいる。そして、欲深き誰の心にもマクベスは在る。魔女の声はマクベス自らの心の声だ。マクベスが死に、新たなチャンピオンが誕生しても、魔女は別のマクベスに預言を囁くのをやめないだろう。死した全てのマクベス達は、リングの中で新たなマクベスを待つ。そして、私たちは預言に過ぎない安全神話を信じてきた。バーナムの森はすでに動いている。気づかぬふりをしてきた私達に、魔女は何を囁くのだろうか。そして、私たちは次なるマクベスに何を囁くのだろうか。

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劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】』

2018-02-28 01:37:13 | 観劇三昧

観劇三昧:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】』

2018/2/27

司馬懿登場から劉備の最期まで。

シリーズ完結編にして、三国志演義の最後の大物「司馬懿」登場。

どんな野郎が出てくるのかと思ったら、予想外のビジュアル。

フリーザの最終形態かと思った。

奇をてらった配役には違いないけど、それだけではない。目茶目茶動ける。一体何者なんだ。

初っ端からの殺陣の迫力。

すげえなすげえなと見ていたら、クライマックスで更に加速していた。すげえな。

五龍のような人外の動きをはじめ、何気に殺陣以外の動きも洗練されている。

悪劉備が死ぬほどかっこいい。シリーズ過去作の感想文読み返したら、同じこと何回も書いている。

「乱世とは貴様だ、劉備玄徳!」

あの三国志演義を、スケールの大きさを損なわず演劇作品に再構成していた。

ホームランバッターが天性だと言われるように、スケールの大きな話を作る才能というのもあるような気がする。

少なくとも努力とは違う何かが必要なんだと思う。どうにかしてあやかりたい。

 

<作品情報>(観劇三昧HP)

劇団名:劇団ZTON

公演時期 2017/01/27
上演時間 02:07:04

出演者:

為房大輔/出田英人/高瀬川すてら/レストランまさひろ/図書菅/門石藤矢/前田郁恵/久保内啓朗/黒木柚真(以上、劇団ZTON)/黒原優梨/児島真理奈/渡辺健太/今池由佳/魚水幸之助/小野村優/小出太一(劇団暇だけどステキ)/土肥嬌也/平宅亮(本若)/御竹龍雪(笑撃武踊団)/浅場幸子/大塚洋太/尾崎秀明/竹折英雄(たてびと)/丹羽愛美/溝口大成(本若)

スタッフ :
脚本・演出:河瀬仁誌 舞台監督:今井康平(CQ)/舞台美術:西本卓也(GiantGrammy)/照明:吉田一弥(GEKKEN Staffroom)/音響:児島塁(Quantum Leap*)/殺陣オペ:福島健太(本若)/衣装:鈴木貴子/ヘアメイク:滝沢侑子/小道具:劇団ZTON/殺陣・振付:為房大輔/宣伝美術:中森あやか/撮影:竹崎博人(Flat Box)/制作協力:尾崎雅久(尾崎商店)/企画・製作:劇団ZTON

あらすじ
舞台は古代中国大陸。
この大陸には、遥か神話の時代から生きる“龍”と呼ばれる存在がいた。
龍たちは大陸を治める資格を持つ者の前にのみ姿を現し、
その者に神託を下すことで大陸を支配していた。

後漢末期。長きに渡り漢王朝を支え続けた“炎の龍”は息絶え、
その混乱に乗じて、龍を凌駕する者・龍と決別する者・龍を信じぬ者はそれぞれの国を作る。
世は、三国志と呼ばれる黎明の時代へ突入する。

後に三国時代を終わらせる者、司馬懿仲達。
三国による天下分け目の大戦、赤壁の地にまだ兵卒に過ぎない司馬懿の姿があった。
それぞれの野望と信念を胸に、
龍に頼ることのない英傑たちは大陸全土を揺るがす大きな時代のうねりについに決着をつける。

ー道は途絶え、泰平の世が訪れるかー


【配役】劇団ZTONのHPより

司馬懿…黒原優梨
徐庶 …門石藤矢
陸遜 …渡辺健太

劉琦 …児島真理奈
魏延 …土肥嬌也

劉備 …為房大輔
関羽 …御竹龍雪
張飛 …平宅 亮

曹操 …出田英人
夏侯惇…レストランまさひろ
夏侯淵…久保内啓朗
水龍 …前田郁恵

許褚 …図書菅
黄龍 …今池由佳

孫権 …高瀬川すてら
周瑜 …小出太一
黄蓋 …魚水幸之助
風龍 …小野村優

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関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】』

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【真王孫権編】』

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽王劉備編】』

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【蝕王曹操編】』

関連作品:劇団ZTON『ティル・ナ・ノーグ 〜太陽の系譜〜』(観フェス2017)

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オパンポン創造社「オパンポン創造社×池シタアツ子の美カモト響『さようなら』」

2018-02-26 00:44:55 | 観劇三昧

2018/2/20

淡路島の小さな工場で働く従業員たちが、脱税で溜め込んだ社長の2000万円を盗もうとする話。

狡猾とは言いがたい悪巧みに、彼らが奪い合う小さな幸せとしての2000万円。

当初の予定の4人で割ると500万円。

大金には違いないけど、犯罪の対価として得るには不十分すぎる絶妙な金額設定。

それでも、自己実現のスタートラインに立つべく彼らは足を踏み入れる。

自己実現というテーマが、たしかにあらすじに書いてあった「初期の作品」っぽい。

関西エリアにおける淡路島の地域感が何となく伝わってくる。こういうのとても大事。

やたらアニキ風を吹かせてくる人、比較的話はわかるけど世の中斜めにしか見られない人、工場では両方よくいるタイプ。

「生きていくのに意味を求めちゃいかん」。

登場する男三人の存在感というか、生々しさというか、鬱屈感の再現がよく出来ていて、工場勤務の経験がある自分にとっては、とても息苦しい気持ちになる作品だった。

<作品紹介>(観劇三昧HP)

劇団名:オパンポン創造社

公演時期 2017/03/05
上演時間 01:20:33

出演者:野村有志(オパンポン創造社)/美香本響(池シタアツ子の美カモト響)/川添公ニ(テノヒラサイズ)/一瀬尚代(baghdadcafe’)/伊藤駿九郎(KING&HEAVY)/殿村ゆたか(MelonAllstars)

スタッフ :脚本・演出:野村有志(オパンポン創造社)演出助手:池下敦子(池シタアツ子の美カモト響)/舞台美術・監督:堀田誠(CQ)/照明:根来直義(Top.gear)/音響:浅葉修(Chicks)/宣伝美術:勝山修平(彗星マジック)/映像収録:武信貴行(SP水曜劇場/観劇三昧)/当日運営:渡辺大(Limited_Spice)/チケット:CoRich舞台芸術!/全創造:オパンポン創造社×池シタアツ子の美カモト響

あらすじ
淡路島にある小さな工場で働く純粋な人々の物語。彼等、彼女等が生み出す甘美な絵空事が全てを巻き込み錯綜する。

「2000万?あのおっさんがそんな持ってるはずないやろ」
「脱税して貯めてたみたいなんです」
「…ほんで?」
「だから、盗られても警察に言えないんです」

2016年。independent:1stで行われた演劇トーナメント「30GP」にて優勝&準優勝したオパンポン創造社×池シタアツ子の美カモト響の御褒美公演。
両団体の作演出である野村有志が11年前に発表したオパンポン創造社初期の代表作である「さようなら」をリバイバル上演。

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関連作品:オパンポン創造社『オパンポン☆ナイトvol.3〜曖昧模糊〜』

関連作品:オパンポン創造社『最後の晩餐』

関連作品:火曜日のゲキジョウ「第3回30GP オパンポン創造社『アカガミキタカラ、ヨマズニタベタ』」

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ピヨピヨレボリューション『凝り性のサンタ、苦労する』

2017-12-25 13:43:15 | 観劇三昧

観劇三昧:ピヨピヨレボリューション『凝り性のサンタ、苦労する』

2017/12/22

サンタクロースが、ある子供の本当に欲しいプレゼントを調査する話。

「サンタクロースがちょっと訳あり家族のトラブルを解決する話」というのは、この題材では定番中の定番だと思われる。

しかも、大部分が歌と踊りなのでパートなので、作家が物語に使える時間はホントに少ない。

求められているのも「似ているけど違う話」なんだろうから、どこに新味を入れたらいいのかは結構大変そう。

ここで出てくるサンタは凝り性が過ぎて仕事量が少なく、要領のいい同僚に仕事を取られてしまうという味付け。

対比的に出てくる仕事の早いサンタとセットで大人の組織は成り立っているんだと思う。

基本的に集団で唄ったり踊ったりするので、一部キレキレの人がいると目立つ。

「モケケ」ってほんとどうやって作ったんだろう。

あと、この物語部分に続いて、お楽しみイベントがあるとのこと。何やるんだろう。

 

《作品情報》(観劇三昧HP)
カテゴリー:ファンタジー
劇団名:ピヨピヨレボリューション

公演時期 2016/12/18
上演時間 01:02:02
地域:関東
出演者:
右手愛美/東理紗/maco/あずさ/六川裕史/新木美優/緋桜忍/鶴岡政希/森原彩夏/mizuki/早瀬さくら/土屋彩夏/西村優駿/吉村慧一郎(演劇ユニット パラレロニズム)/宮﨑良太(Theatre劇団子)/武藤心平(7%竹)/荻窪えき(X-QUEST)
スタッフ :
脚本・作曲:右手愛美/演出:匿名○希望/舞台監督・美術:佐藤秀憲(ステージメイツ)/照明:内山唯美(劇団銀石)/音響:高橋秀雄/編曲:豊田健甫(凝り性のサンタ、苦労する)/松本好機(ちょべりばペット)/楽曲制作:河内結衣(ちょべりばペット)/歌唱指導・コーラスアレンジ:おかざきめぐみ/WEB:小林タ

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アガリスクエンターテイメント『笑の太字』(Aチーム)

2017-10-31 00:55:43 | 観劇三昧

観劇三昧:アガリスクエンターテイメント『笑の太字』(Aチーム)

2017/10/30

三谷幸喜の名作『笑の大学』の文字起こしを卒業制作として提出してきた学生と、指導教官が論争する話。

タイトルだけ「笑の太字」に変えている。

しれっと本家の「平行線だな」「冗談ですよ」などの印象的なセリフがあったり、同じようで微妙に違う音楽をわざわざ作っていたり、作り手が『笑の大学』好きすぎる。

ただの文字起こしをオリジナルだと言い張る屁理屈ぶりが見所になるんだけど、課題は「創作戯曲」なので、「コンセプチュアルアート」として価値があっても意味がないんじゃないかと思ったりもする。

「00:17:19」のところで爆笑した。

でも、世の中の人全員が『笑の大学』見ているわけじゃないから、著者が権利を主張するのは当然。

最後のところ、作意が先に立っている感じもするけど、もう一ひねりあったのがよかった。

終わり際のサイレント演技が好き。

こんなに三谷幸喜という固有名詞が頻繁に登場する作品はない。たぶん三谷幸喜作品にもない。

 

《配役》

学生:熊谷有芳
教員:前田友里子

《作品情報》(観劇三昧HP)
公演時期:2016/09/11
地域:関東
出演者:熊谷有芳/前田友里子
スタッフ :脚本・演出:冨坂友

文芸助手:淺越岳人/舞台監督:大地洋一/舞台美術:袴田長武/照明:山内祐太(東京)・ぷっちヨ・渡辺佳奈(大阪)/音響:兼坂香弥(東京)・下田要(大阪)/宣伝美術:カトウリョウ/WEB:海里有香/制作:佐伯凛果・小林大陸(大阪)/主催:アガリスクエンターテイメント/後援:サンモールスタジオ/協力:NPO法人S.A.I.・@Kyoto.lighting・劇団熊タオル・コメディユニット磯川家・日本コメディ協会・ファルスシアター・4C・CoRichチケット!/大阪市芸術活動振興助成金対象案件

あらすじ

大学の演劇学科の劇作コース。とある学生により卒業制作として提出された戯曲は、某有名傑作二人芝居の丸パクリだった…!
盗作を指摘し、認めない指導教官。
屁理屈で反論し、認めさせたい学生。
両者の闘いは、次第に“問題の二人芝居”さながらの展開を見せ始める…!

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柿喰う客『いまさらキスシーン』

2017-10-15 08:18:18 | 観劇三昧

観劇三昧:柿喰う客『いまさらキスシーン』(無料・要会員登録)

2017/10/14

平凡なひとりの女子高生が、恋に受験に部活動に励みながら、高校三年間を全うする話。

演者は玉置玲央さん(男性)。女子高生の格好をしているものの、スカートから見えている両足のエッジが効きすぎている。

スカートがめくれても、パンツよりアスリート然とした膝上の筋肉のほうが気になる。

常に語りが圧の強い「柿喰う客」作品なので、一人芝居においても圧倒的な早口で語り倒す形式。外郎売の女子高生版みたい。

駅伝部の走り方と男前田先輩のキャラ付けがおかしい。

大迫力の語り口で見えにくくなっているけど、少なくとも転換点までは、身の丈に合わない理想を掲げ、何も成し遂げることなく高校生活を終える、どこにでもいる女子高生の話。

だからこそ、終盤の悲劇としての生々しさが強調される。

実は男前田先輩の名前もミスリードで、実際はもっと平凡で大した男前でもない男子高校生だなのだと思う。

=======================

■作品情報(観劇三昧HPより)

劇団名:柿喰う客

公演時期:2016/06/03
地域:関東
出演者:玉置玲央
スタッフ :作・演出:中屋敷法仁

あらすじ

部活!勉強!そして恋愛!
あらゆるものに心奪われながら
天才女子高生は今日もひとり
国道4号線をひた走る!
爆走系青春喜悲劇!

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ミジンコターボ『儂が燃えて死ぬまでの噺 大炎上』

2017-08-04 10:52:51 | 観劇三昧

観劇三昧:ミジンコターボ『儂が燃えて死ぬまでの噺 大炎上』

2017/8/4

織田信長が討たれた「本能寺の変」の一晩を1時間15分かけて描いた話。

燃えているのでずっと照明が赤い。

冒頭1分で笑わせてくる瞬発力。

歴史劇っぽさは全くない。どちらかというと、織田信長よりも小田和正への愛情のほうが強調されている。

何を描くかということよりも、どのように描くかを重視している感じ。

実際、作中一番盛り上がって拍手まで起きていたのは、作中人物が未来にあったらいいものをポーズつきで次々と上げていくシーン。

こじつけができないこともないだろうけど、信長はあんまり関係ない。

前に見たミジンコターボ作品と同じく、見せ方の手数が多く、ポップで、登場人物が全員かわいらしい。

演出スキルと役者さん個々の能力が高くさで、本能寺で焼け死ぬだけの話をここまで盛り上げてくるのはすごい。

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赤星マサノリ×坂口修一二人芝居『Equalーイコールー』

2017-07-28 22:50:08 | 観劇三昧

観劇三昧:赤星マサノリ×坂口修一二人芝居『Equalーイコールー』

2017/7/23

医者で錬金術の研究をしているテオが、親友のニコラの病気を治そうとする話。

二人芝居だけど対立の要素はあんまりない。

二人は終始イチャイチャしているけど、ギャグの範囲に収まっていて、ブロマンスやBLまではいかない。

前説で耽美派イケメン芝居と言うから期待していたのに。

見る側の受身の取り方が難しい。

舞台美術がかっこいい。衣装とも統一感があって美しい

錬金術は、リアルでもファンタジーでもどちらでも対応できる便利な設定。

クローンからの不老不死、生贄展開は派手でいい。

ただ、いくら同じ衣裳でも、二人が全然似ていないので叙述トリック感がある。

自分が錬金術で話し作ったら、売れない錬金術師の地味な日常を描いた、こじんまりとした話になってしまいそう。

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