遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

「名古屋港水族館」

2025-01-28 00:29:29 | 今月のソロ活

2025/1/27

・中部国際空港に着いて一直線に常滑空港線に乗り込み、名古屋港水族館に向かう。

・到着時点でシャチの公開トレーニングが始まっていたので、心の準備ができないまま北館スタジアムへ。

・スタジアムはメインプールの他にいくつかプールがあって、このときのトレーニングは客席から離れているところで行われていた。見にくい。

・代わりに巨大なスクリーンがあるので、何をやっているかはわかる。

・トレーニングだから遠いのかと思って、シロイルカ系の2種類のイベントは「トレーニング」ではなく、「不思議な食べ方」のほうを選ぶ。

・プールを側面からみられるようになっていて、スタッフさんがガラス越しに指示を出している。

・クジラの仲間では珍しく首がカクカク動くのがかわいいし、脂肪で顔や体がぐにょぐにょしているのも愛嬌があるように見える。

・シャチの次のトレーニング回はメインプールだった。もともとイベントの重複も多かったし、スケジュールを組む時に、使用プールも確認したほうがよかったかも。

・シャチがスタッフさんに直接撫でられて喜んでいるように見える。犬をワシワシするように撫でている。

・シャチにカメラ目線をもらうという技。他と比べて訓練が難しいとは思わないけど、スクリーンのある広い会場では効果絶大。よく考えられている。

・進行スタッフのかたはどちらもハキハキ系で万人に伝わりやすい話し方。巨大なスタジアムでも安心感のほうが強い。同じ人だったのかも。

・北館は成体の種類は少ないけど、資料コーナーが充実している。シャチの骨格標本だけで3体もある。

・他の骨格標本や進化の歴史、生態など、関連する説明も多い。とても限られた時間では読み切れない。

・イルカのほうはショーとして見せている。カマイルカのシャープな動きが印象に残る。

・南館は様々な水生生物が工夫を凝らした方法で展示されている。先に南館を見るのが定石っぽい。

・アカウミガメとアオウミガメとタイマイはだいぶ見分けられるようになった。卵を産めるように砂浜も再現されていて本気度がうかがえる。

・未見だったヒゲペンギン、コウテイペンギン、アデリーペンギンがちょうど横並びになっていた。

・17種類のうち、国内飼育分は全部見ることができたはず(イワトビペンギンは一種と考える)。

・日曜日で大変な人の数だった。もう少し落ち着いた中で観られたら、なおよかった。

 

 




同期するイルカ

 

結構、コミュニケーションがとれている

潜水服(猟奇的な殺人鬼ではない)

日本でここだけのスネ夫フィッシュ(本当はメガネカモグチウオ)

左から腹ばいのヒゲ、左向きのジェンツー、山のコウテイ、いきりアデリー。



カメラ目線でごあいさつできるシャチ


背面泳ぎがブームらしい

 

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グレン・R・ミラー監督『シーワールドZ』(2021年)

2025-01-26 08:31:08 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2025/1/26

・システムダウンで水族館内に閉じ込められた人々が、ゾンビ化した生物に襲われながら脱出を試みる話。

・これから実際に水族館めぐりをするから、何かしらの関連がありそうで時間短めの作品を選んだ。

・最初に巨大タコがゾンビ化して人を襲う。

・このときもそうだけど、襲われている瞬間がほとんど映らない。

・音楽で煽る→ゾンビ生物が映る→恐怖に顔をゆがめた人間が映る→次のシーンみたいな感じが多い。

・ゾンビ生物自体もなかなか出てこない。

・なけなしのCGのリソースで作ったと思われる、ゾンビワニが全く同じ動きで作中何度も迫ってくる。

・タコもワニも一緒の鳴き声。

・カニとヒトデに関しては、作中の活躍ぶりでも、CG的にも頑張っていたんだと思う。地味だけど。

・結果、グロ描写がほとんどなく、苦手な人でもかなり大丈夫なほうのホラー映画だった。

・なぜか必ず酷い目にあう獣医の中年女性がかわいそう。

・そういうアトラクションにしか見えない、ゾンビザメまたぎシーンでもオチ担当と言っていい。

・ただ、生物の専門家らしく、「目が白濁しているから視覚はないはずだ」と看破するところはかっこいい。

・タコがヒロインを襲うシーンはあるが、春画みたいなことにはならない。

・絶対、途中でゾンビ化するもんだと覚悟していたのに、最後まで生き残った。よかった。

・ゾンビイルカの活躍をもっと見たかった。爬虫類の無表情感もいいけど、口角上がってるから人間の表情に近くて気持ち悪い。良い。

・登場人物の全体的に華の無い感じはむしろ好み。

・地方のだいぶん老朽化した感じの水族館なので、これくらいのほうが生々しい。

・警備の人が、両手を開いて顔の横に添え、目と口を大きく開いて驚いていた。とても様式的だった。

・結局、作中水族館の水槽は割れやすいのか割れにくいのかよくわからなかった。

・普通、ゾンビになったくらいじゃ割れないと思うけど。

・見終わって、本当の水族館のスタッフさんたちに申し訳ない気持ちになる。

・まじめなドキュメンタリーなどを見るべきだった。

・こういう作品は定期的に観たくなってしまう。こういうゆるい作品はもっとあってもいい。

(U-NEXT)

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日穏-bion-『月の海』

2025-01-23 14:41:50 | 観劇三昧

日穏-bion-『月の海』(観劇三昧)

2025/1/23

・認知症かつ寝たきりの母と暮らす静の家に、5年前に行方不明になった兄にそっくりの泥棒が現れる話。

・類型は結構ありそう。

・本作では、母は兄のことを気にかけていたため、偽物なのに介護の上では重要な役割を担うことになる。加えて、介護疲れ気味な静の精神的な支えになっていく。

・なので、バレるバレないという話については、話の焦点にはあんまりなっていない。

・バレてない前提で話は進みつつ、演技でバレているんだろうなとわかるくらいの塩梅。むずかしい。

・行方不明の兄と、彼にそっくりな泥棒を同じ俳優が演じる。別人だから演じ分けはするけど、やりすぎると騙される周囲がバカっぽく見える。特にバレていないという前提なので加減が難しい。

・「匿ってやるから母の介護をしろ」という展開もありえそうだけど、意図的にそのあたりボンヤリさせているようにも感じる。

・介護の辛いところや、人間関係の不穏さのようなものはほとんど描かれていない。語り口が穏やか。

・登場人物も、泥棒の相方が悪そうなくらいで善人しかいない。

・全体の中間ちょっと手前で正体を疑うというか、偽物だと気付く人が現れる。構成きっちりしている。

・AVつながりの知り合いはかなり偶然性が高い。

・あの状況で口止め料いるんだろうか。

・泥棒の手際が、本当に今まで何度もやってきたのかと思うくらい悪い。せめて留守の家を狙えばいいのに。

・プリンをたくさん出してくるところ、善意のブレーキが壊れてしまっていて楽しい。

・根がひねくれ者なので、泥棒を繰り返す悪党がこの家族にほだされるところや、認知症の母の最後のメッセージが素直に信じられなかった。

・少し昔の話かと思っていたら、ポケモンGOが出てきたので、わりと最近の話だった。ああいう防犯意識ゼロの地域って今どのくらいあるのかな。

・マルティン・ルターの金言「死は人生の終末ではない、人生の完結である」は知らなかった。応用も利きそうだし、知らん顔して使いまわしたい。

・バレてからが潔い。ちゃんとキレ散らかして同情させない。きっちり線を引く。ある意味、誠実だった。

 

《詳細》(観劇三昧HP)

■公演時期 2018/07/16

■キャスト
内浦純一
岩瀬晶子
宮地大介
堂免一るこ
宮内勇輝(劇団フルタ丸)
藍原直樹
田川可奈美
本田和大
たんじだいご

■スタッフ
企画・脚本:岩瀬晶子
演出:たんじだいご
演出助手:佐藤萌子
照明:松本永(eimatsumotoCo.Ltd.)
音響:平井隆史
舞台監督:村信保(劇団キンダースペース)
舞台美術:吉野章弘
宣伝美術:松浦周作(㈱マッシュルームデザイン)

■あらすじ
仕事を辞め結婚も諦めて実家で母の介護に専念している望月静は、認知症が進行した母の介護に限界を感じ、借家を明け渡すタイミングで老人ホームに入所させることを決心する。
自宅での最後の時間を楽しんでもらいたいと願う静だったが、母は5年前に行方不明になった静の弟・豊に会いたいと言って困らせる。そんなある日、死んだと思っていた豊が突然帰って来る!?
親の介護という身近な話題を軸に「家族」や「いのち」をテーマとした主人公2人の再生物語。
笑って泣けて、最後に心がじんわり温かくなる日穏テイスト満載の舞台。

 

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ロバート・モーガン監督『ストップモーション』

2025-01-20 19:03:00 | 映画を見てきた

2025/1/18

・ストップモーションアニメ作家の母親を手伝う娘が、自身の表現を追求するあまり、取り返しのつかないことになってしまう話。

・オープニング。娘の顔に光が当たるたびに、本人なのか母なのか人なのか人形なのかよくわからなくなっていく映像が怖い。あと、最初から目が疲れる。

・彼女は、病気で精密な作業ができなくなった母親を手伝って、パペットを動かす。

・母の操り人形が、人形の実物を扱う構造。そして、家族としても作家としても母親の強い影響下にあって、常に精神的な檻に閉じ込められている状態。

・ご丁寧に劇中劇のストップモーションアニメも、少女が小屋に閉じ込められる話。

・ワックスで作られた少女。汚いし、素直に見た目が怖い。ボコボコに殴られたような顔。

・ピングーはコウテイペンギンらしいけど、ワックス人形ならフンボルト属のどれかになると思う。

・実写映像とストップモーションアニメの映像が交互に出てくる。

・生身の人間と無機物の人形との境界線をあいまいにしていく見せ方は魅力的だけど、思いついても実際に作れるかどうかは別。

・ホラーは比較的低予算で作れるジャンルだと思うけど、ストップモーションアニメを組み込むことで製作のハードルが跳ね上がっている。

・ホラー映画なのにやたら芸術点が高い。

・露悪的な表現も多いけど、最後にきれいにまとめている。

・本物の死体を使えば禍々しい表現ができるという発想が浅はか。「芸術家気取り」。まさに。

・意識不明の母親の体を使って、ストップモーションアニメごっこしているのが一線を越えている。でも、似たようなことをやってる作家なら意外といそう。

・ストップモーションアニメは、1秒の虚構を作るために100倍の時間は使うので、現実が虚構に飲まれることはなさそうな気がする。実際、どうなんだろう。

・頭の中で何度も動きをイメージするだろうから、逆に想像に飲まれちゃったりもするのかな。

・最後の最後まで付き合った恋人はホントにえらい。

・彼がハッピーエンドを迎えるためには、どうしたらよかったんだろうと考えてしまう。

(サツゲキ)

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『ダイアナ:ザ・ミュージカル』(2021年)

2025-01-18 23:44:49 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/1/16

・王室に嫁いだダイアナの泥沼の結婚生活とその顛末を描いたミュージカル。

・積極的に気にしたことないけど、当時は「ダイアナ妃」としてテレビから勝手に情報が入ってきたので、作品を見ると素直に「似てる!」と思える。

・有名な話なんだろうけど、開始早々、プロポーズはするが、好きな人は別にいるという言動不一致な皇太子のねじれ方に戸惑う。

・当然、うまくいくはずもなく後に破局する。

・立場もあるのに、なんでそんなに軽率なのか理解しがたいけど、要するに彼はダイアナを大人しくコントロール可能な女だと勘違いしていたという話。

・本作には彼を取り巻く三人の女が出てくる。それぞれ立場は違っていても、自分の意思や主張ははっきりしていて見ごたえがある。

・「世が世なら断頭台送りだ」みたいなことを言うエリザベス女王が物騒。

・反面、嫌われるためだけに存在しているチャールズが不憫。まさか現実でもこんな感じなんだろうか。

・実在かつ存命かつ立場のある人をこんなに薄っぺらく書くことができるのはすごい。逆にこれが許されているのは懐が深い。日本の偉い人では無理。

・歌とダンスはさすがに迫力がある。王室のスタッフに扮するアンサンブルキャストが凛々しい。常人離れした姿勢と仕草の美しさが世界観によく合っている。

・トレンチコートに中折れ帽の集団パパラッチも、それはそれでかっこいい。

・バッハとクイーンのハイブリット。高尚とされているものと、広く親しまれているものの対立は、作品全体のテーマとも一致している。

・楽曲で話が停滞せず、関係性やその変化を描くのに活かされている。

・ダイアナの衣装が目まぐるしく変わるのも楽しい。

・基本的にダイアナは好意的に描かれているけど、一応不倫のようなマイナス面の描写もある。

・お飾り王族よりはちゃんと慈善事業やっているぶんえらいとは言えるくらいのバランス。夫の浮気相手であるカミラへの当たりがきついのは当たり前のこと。

・ほぼ現代の公職にある人物をここまで味付け濃く描けるのは、欧米ならではのノリで、これはこれで重要なことなんだろうなと思った。

(NETFLIX)

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「江別市郷土資料館」

2025-01-16 12:30:23 | 今月のソロ活

2025/1/15

前に見た演劇作品『博士と過ごした無駄な毎日』について、もう少し知りたくなる。

江別駅で降りたのは初めて。千歳川と石狩川の合流地点を見たかったが、意外と遠い。見れず。

河岸の工場から白い煙がモクモク出ている。

モダンな建物の郷土資料館。受付でどちらから来たのか聞かれる。親しみやすい雰囲気。

受付前のホールで「むかしの衣類展」開催中。軍服でもサイズが小さめな印象。

先史時代からの江別の歴史。

二階の壁一面に展示されている土器。

北海道は単純に縄文→弥生ともちょっと違う。というより、細分化されているのかな。

ヤツメウナギが食べられるのは聞いたことあるけど、漁としても獲られていたことを知る。

お目当ての木製戦闘機の資料もあった。

例の腐食した金属の箱や、回収された資料と、それを転記したファイルもある。

専門知識はないので、その雰囲気のいいスタッフさんに質問して理解を深めたつもりになる。

興味ある人は行くといいと思う。

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筒井康隆『残像に口紅を』

2025-01-13 23:04:45 | 読書感想文

 

2025/1/13

・小説家の佐治が、ランダムに選ばれる一文字とその文字を含むものが徐々に消去されていく小説を書いて、作者自身がその登場人物となり、仕事や日常生活を続けようとする話。

・例えば「あ」という文字が消えれば「朝」がなくなるので、「昼、夕方、夜に続く一定の時間を表現することばでさ、四季を通じて爽やかさ、新鮮さを伴うたいへん好ましい時間のこと」と言い換える。

・文字に余裕のある序盤のうちは、念入りにそのルール作りに充てられている。読者の先手先手を打っている。

・それでも無理はあるはずなんだけど、小説の場合、受け手は書かれていないことに意識が向きにくいという特性があるので、なんとなく押し通されている。

・文字とその文字を含むものが消えていく世界に自分がいたらどう行動するかという見せ方で、現実とフィクションの境界線を曖昧にしている。

・「現実が虚構を模倣し始めた」という視点。

・超虚構というスタイルにつながるらしい。詳しいことはよくわからなかったけど、虚構が現実に影響を与えることはあるし、アバターを使った動画投稿サイトでも似たようなことはできるのかもしれない。

・三人の娘に続いて妻も消滅したときにはちょっと寂しそうにしていたが、そんなに長続きはしていない。

・どんどん文字が減っていくにつれ、世界から物も減っていくが、言葉のプロである佐治は言い換え表現を巧みに利用して語り続ける。冗長な表現からも余裕を感じる。中盤くらいまで不自然さをほとんど感じない。

・作者が作中人物として本小説を書いているというスタイルなので、こちらが読んでいてダレてきたなと思うタイミングで作者も同じような心配をしている。

・佐治は、文字を失い、うまく話せなくなくなった庶民を見て馬鹿にしている。性格が悪い。

・本筋ではないけど、執筆の快楽ゆえに絶頂感が迫ってくるとそれを先延ばしにして愉悦に浸るという、職業作家でもないのに共感できる思考回路。

・最後の一文字が消える時まで、佐治は語り続ける。

・他のことには、そこまで強い関心を持っているように見えない彼が、今際の際まで表現に執着している。

・シメられる直前まで暴れまくる魚みたいだった。

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青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』

2025-01-11 22:07:41 | 観劇三昧

青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』(観劇三昧)

2025/1/11

ちっちゃい王国のちっちゃい姫が、イチゴの呼び名をサンゴやイチヨンに変えるという話から、言葉の意味について学んでいく話。

隣国の王子たちはホントにしょうもないけど、すぐに軌道修正できるのは見どころあるのかもしれない。

メロンの種類や、湖、池、沼、水たまりの違い、シャベルとスコップの違いなど、意味のグループわけを紹介する。

並行して、お化けがやってきて、伝統の「志村後ろ」をやったりする。

子供の反応が活発で、この古典的な演出がいまだに現役で通用するというのが発見だった。

そこから、お化けと幽霊と妖怪がどう違うのかという話。関係ないようで繋がっている。

特別な物には別の名前が付くという話できれいにまとめられたと思うけど、子供たちにはちゃんと伝わったんだろうか。

色々な例が挙がっていたけど、そこだけ伝わっていれば成立する話だったと思う。

《詳細》(観劇三昧HP)

■公演時期 2024/08/12

■キャスト
森岡望
村井まどか
髙橋智子
永田莉子

■スタッフ
作・演出:平田オリザ
美術:杉山 至
音楽:やぶくみこ
照明:井坂 浩
舞台監督・映像・音響操作:島田曜蔵
衣裳:正金 彩・中原明子
制作:太田久美子
企画制作・主催:一般社団法人江原河畔劇場

■あらすじ
ちっちゃい姫は、いろいろなモノに興味を持つお年頃です。「どうしてイチゴは、イチゴって言うの?」
「どうして国によって言葉が違うの?」そんな無理な質問をして家来たちを困らせます。
世界中の言葉を知っているシャベルン博士がやってきて、姫に少しずつ、言葉の不思議について教えてくれます。

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北野武監督『その男、凶暴につき』(1989年)

2025-01-10 17:56:14 | DVD・VHS・動画など

2025/1/10

・暴力刑事の吾妻が、薬物取引の事件で死んでしまった同僚の仇を討とうとする話。

・北野映画は好んで観ていたのに、ある意味、一番大事な作品が未見だった。

・その暴力刑事を演じるのは北野武。35年前の作品なのでかなり若々しい。暴力にも説得力がある。

・一方でクセのある歩き方や、くだらないジョークでニコリとしたり、ギャップ起因の愛嬌もある。

・もう長いことテレビを見てなくてテレビタレントとしての印象が薄くなっているぶん、俳優としての魅力を直接感じることができる。

・映っているいるだけで画面の見栄えがよくなる。

・警察の同僚たちは暴力に慣れているし、何なら仕事ができる男という印象さえ持っているように見える。

・酷いけど、暴力に対する認識が今と比べてはるかに甘い時代の話なので、フィクションならありそうな範囲ではある。

・最短距離で事件の解決に至るダークヒーロー的な魅力を感じさせる冒頭。実際はヒーローでも何でもなかったし、許容している悪事の範囲も広い。

・一方で暴力を良きものとは描かず、作中できっちり帳尻を合わせてくる。派手ではなく、静謐な地獄。

・コメディ要素も一応ある。取り残される男娼の表情や、急に結納の話をするところなど。

・直接的な笑いと言うより、生々しさを中和して、共感ではなく、出来事を突き放して見せる効果があるように思う。

・正確な引用ではないけど、佐野史郎演じる署長が、真顔で「犯人つかまえるのに二度も轢くやつがいるか」と説教しているのがおもしろかった。そりゃそうだ。

・冒頭のホームレスからストップモーションを多用している(映像効果ではなく生身で)。何か特別な表情をしているわけでなくても顔の情報量は案外多く、変な味わいがある。

・何かのインタビューで尺が足りなかったという話を読んだけど、103分あるから短いというほどでもないし、これでそんなに伸びたんだろうか。

・全体的に画面がきれい。絵画的。倉庫の決戦シーンも最低限の情報量で、ぱきっとした構図ができている。

・巷でキタノブルーと言われる前のキタノブルーが見られる。観光地化する前の自然な良さという感じ。

・岸部一徳の部屋。でかいデスクにバインダー一冊だけ置いて、いったい何の仕事をしていたんだろう。

・処女作でしか感じられない魅力があるし、思いのほか古い印象を受けなかった。北野映画のベストに本作を挙げる人は一定数いそう。

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青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』

2025-01-06 23:28:40 | 観劇三昧

青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』(観劇三昧)

2025/1/6

ちっちゃい王国の小ささが不満な姫を、従者と博士がなだめようとする児童劇。

姫がなぜ不満なのかを客席の子供たちに予想してもらったり、クイズを出したり、積極的にコミュニケーションをとっている。

実際、子供たちの反応もいい。

おおきいちっちゃい、ひろーいせまい、たかーいひくいという印象的な曲がリフレインされる。やはり児童劇に音楽は欠かせない。

「サンドイッチは自由です。いくら王様と言えどもサンドウィッチの自由を奪うことはできません」という、よくわからないけど、かっこいいセリフ。

姫と博士は色々なところを回って、色んなものを測る。測れないものもある。

途中でまばたきガマン競争に参加したが、真剣にやったのに3秒も持たなかった。

大きさはあくまで相対的なものだという方向なのかなと思いつつ、意外とふんわりまとめた感じだった。解釈は子供たちにゆだねるということなのかもしれない。

 

【詳細】(観劇三昧HP)

■公演時期 2024/08/12

■キャスト
森岡 望
村井まどか
永田莉子
福田倫子

■スタッフ
作・演出:平田オリザ
美術:杉山 至
音楽:やぶくみこ
映像:陳 彦君
照明:井坂 浩
舞台監督・映像操作・音響操作:島田曜蔵
衣裳:正金 彩・中原明子
制作:太田久美子
企画制作・主催 一般社団法人江原河畔劇場

■あらすじ

ちっちゃい国のちっちゃい姫は、でっかい国の大きい王子にいつもいじめられています。
ちっちゃい姫は、何でも測れるハカルン博士に頼んで、ちっちゃい国にある大きなものや長いものを捜す旅に出ます。
二人は、いろいろなものを測っていく中で、世界には、測れないもの、比べられないものがあることに気がついていきます。

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