千のナイフ、千の目 (ちくま文庫) | |
蜷川 幸雄 | |
筑摩書房 |
2013/3/15
初版は2013年だけど、四半世紀前に書かれた文章も収録されている。
こういうエッセイのような文章を書くことは少ないみたい。
結果、かなり長いスパンの文章が一冊にまとまっている。
清水邦夫との電話をめぐる関係が面白い。というか、清水邦夫の変人ぶりがいい。
『夏の夜、三十人のジュリエットが還ってきた』っていいタイトルすぎる。
タイトルの「千のナイフ」は何かの比喩だと思っていたけど、ホントにナイフを突きつけられていたとか。
「あなたが、いま、希望を語ったら、ぼくはあなたを刺すつもりでした。よかった」
初対面の若者にそんなこと言われたらびっくりするだろうな。どんだけ勝手な理屈だよ。
他には「舞台の初日に、はじめてぼくは何に感動したのかを知るのです」という言葉は、かっこいいから覚えておきたい。