観劇三昧:俺たちの地球空洞説『がらんどう』
2019/12/13
この「作品」を見に来た「お客さん」の一人が、カバンを盗まれてしまう話。
カバンには彼の人生のすべてが詰まっている。
そして、その人生は空っぽだという。
空っぽの記号としての村上春樹が不憫。
実在する人物名、団体名、地名、上演後に始まる前説、客席から現れる登場人物。
ごく身近と思われる演劇関係者からアガサクリスティまで、既存の固有名詞で外枠を覆って、作品も、主人公の男も、タイトルどおり、「がらんどう」になるという趣向、でいいのかな。
カバンを盗まれて空っぽになる、人生自体も空っぽだった、全体が入れ子構造というところまではわかるんだけど、地球が逆回転したり、推理小説の登場人物が出てくるところのつながりはよくわからず。
最後の群唱ももちろんよくわからないので、この外枠を、さらに遠くのほうから眺めるような気持ちになる。
やっぱり「北海道」は遠いのかも。
劇団名 火曜日のゲキジョウ
公演時期 2019/01/25
地域 近畿
キャスト
佐倉ハルキ(劇団桜月会)/玉井優樹/落合沙也香/太田伊純/中山宗次郎(劇団ほどよし)
スタッフ
脚本・演出:磯淵良幸(俺たちの地球空洞説)
あらすじ
この劇は大阪府大阪市浪速区日本橋四-七-二十二で起こった事件である。
この空間の人たちは、あくまでも実在であり、その氏名は実名でもある。
日は二〇一九年一月の下旬、時は日没時である。
この劇場は中空であり、がらんどうである。
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