遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

片渕須直監督『マイマイ新子と千年の魔法』(2009年)

2018-04-23 00:08:33 | DVD・VHS・動画など

「マイマイ新子と千年の魔法」本予告

マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]
クリエーター情報なし
エイベックス・ピクチャーズ

2018/4/22

・昭和30年代の防府。小学生の新子が転校生のお嬢様と仲良くなっていく話。

・野生児系少女とお嬢様の組み合わせは、まさに和製ハイジ。おんじもいる。

・新子の躍動する想像力は赤毛のアンっぽくもある。

・冒頭の新子対貴伊子。ホーム&アウェイ方式のペースの取り合い。

・意外な貴伊子の押しの強さと、その彼女のよさを引き出す新子の試合巧者ぶり。

・最終的には酒で健闘をたたえあう二人。話し方はもちろん、表情もふわふわしててかわいい。

・横揺れしながら歩くお母さんもかわいい。

・新子と貴伊子をツートップに子供らの演技が巧い。

・無口で優しいタツヨシ先輩の変化。

・池を見て子供らが目を耀かせているところが好き。

・このお話のもうひとつの軸は、1000年前、平安時代の女の子とうっすらリンクするところ。

・ものすごく唐突なはずなのに、新子の想像力がその1000年をぴょんと飛び越える。

・紙切れ→金魚の置き換えがきれいすぎる。

・昭和30年代の世界が美しすぎて、平成30年の現代と同じ世界とは思えない。1000年前の平安時代とならリンクできているのに。

・中盤から終盤にかけて、貴伊子の身に起こったことにとてもびっくりして「おもしれえ」「おもしれえ」と声に出して喜ぶ。

・子供を単なる「未熟な大人」と描いていない。独特の感性を持った個人として描いている。

・終盤、新子たちが遭遇した「大人の事情」。説明をカットする大胆さがすごい。

・片淵監督のコメンタリーを聞いていると、出てくる文房具のひとつひとつや連なる山々、書き文字やガヤまでこだわり方が異常。膨大な調査をしていることがわかる。

・想像力の根本には知識。そういえば、新子の妄想を支えているのも、おじいさんのウンチクだったと思う。

・制服の色味を一人ずつ変えているとか、歩き方のリズムをシーンを切り替えても一定にしているとか、手間自体に喜びを感じているとしか思えない。

・こういう大きな展開はないのに何度見ても飽きない作品は、そういう細部のこだわりがあってこそなんだと思う。
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