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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

「ポツダム宣言」

2019-03-08 08:34:14 | 歴史
ポツダム宣言をみてみましょう。

1945年7月26日にアメリカ大統領トルーマンはドイツのポツダムにて署名された十三条からなる日本に無条件降伏を迫る宣言を発表。この場には、実は英国首相のチャーチルも、中華民国主席の蒋介石もいませんでした。ですが、この2名の名前も連盟となっています。正式名称は「日本への降伏要求の最終宣言Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender」

ナチスドイツ降伏後の1945年7月17日から8月2日にかけてドイツのポツダムにトルーマン、チャーチル、スターリンが集まり、戦後処理について話し合われ、ポツダム宣言の大部分はアメリカによって作成。

発表のとき、チャーチルは帰国、蒋介石は参加しておらず(無線で連絡を取り合っていたそうです)トルーマン大統領が実は3人分の署名を行ったそうです。まだ日本と戦っていないソ連は署名していません(ソ連の宣戦布告は8月8日)

日本は8月14日に宣言受諾を駐スイス及びスウェーデンの日本公使館経由で連合国側に通告。8月15日に国民に発表(玉音放送)

内容は引用サイト(下に付記)の現代語訳でみてみると、1~4条は降伏要求、5条は代替案はありませんよ、という意味。

6条は意味が大きいと思われます。
「日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、影響勢力及び権威・権力は永久に排除されなければならない。従ってわれわれは、世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張するものである。(現代語訳)」とあります。

日本内の「影響勢力及び権威・権力は永久に排除」と言っていることが天皇制の排除も意味するととれなくもないのですが、実はトルーマンはこのまま戦争を続ければソ連参戦により戦後、共産主義の影響が日本に及んで天皇制度が崩壊することを最も恐れる日本内の事情や、アメリカ国内の一部に天皇制擁護の声「知日派の米国務次官グループは日本に終戦を受け入れさせるには天皇制存続を認め、戦後の再建にもその方がアメリカにとって有利である」とトルーマン大統領に具申していたこともあり、天皇制廃止という文言は一切用いなかったのです。

7条は戦後に連合軍が占領する旨、8条は朝鮮半島や台湾その他の領土や植民地等の放棄を促す旨、9条は武装解除を促す旨、10条は日本の民主主義化を促す旨。

そして11条は日本の産業を維持させ、日本の対外債務の返済(主に日露戦争時からの)を要求する旨。実はこの11条は大きな意図があるようです。つまり日本の戦後賠償をせまるよりも、それまでの負債を払えという内容。

戦後賠償請求はアメリカ以外の国には請求要素は特になく、サンフランシスコ講和条約で参加51カ国中48カ国が署名し、日本への賠償請求権を正式に放棄しています。このとき署名拒否した3カ国は中国とソ連、ポーランドでした。

12条は連合軍の戦後統治終了時の撤退の旨、13条は「無条件降伏せよ」というアメリカ流の戦争の終わらせ方の決まり文句。他の国ではこの言い方は普通しないそうです。


以下引用サイト:

http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html

http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/potsudam.htm#potudam



引用サイトからそのまま転載

ポツダム宣言

千九百四十五年七月二十六日
米、英、支三国宣言
(千九百四十五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ)
「日本降伏のため確定条項宣言 ポツダムにて 1945年7月26日発出」

一、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及「グレート・ブリテン」国総理大臣ハ吾等ノ数億ノ国民ヲ代表シ協議ノ上日本国ニ対シ今次ノ戦争ヲ終結スルノ機会ヲ与フルコトニ意見一致セリ
「われわれ、米合衆国大統領、中華民国主席及び英国本国政府首相は、われわれ数億の民を代表して協議し、この戦争終結の機会を日本に与えるものとすることで意見の一致を見た。」

二、合衆国、英帝国及中華民国ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自国ノ陸軍及空軍ニ依ル数倍ノ増強ヲ受ケ日本国ニ対シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本国カ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同国ニ対シ戦争ヲ遂行スルノ一切ノ連合国ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ
「米国、英帝国及び中国の陸海空軍は、西方から陸軍及び航空編隊による数層倍の増強を受けて巨大となっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。(poised to strike the final blows)この軍事力は、日本がその抵抗を止めるまで、戦争を完遂しようとする全ての連合国の決意によって鼓舞されかつ維持されている。」

三、蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ対スル「ドイツ」国ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本国国民ニ対スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本国ニ対シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ対シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」国人民ノ土地、産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廃ニ帰セシメタル力ニ比シ測リ知レサル程更ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本国軍隊ノ不可避且完全ナル壊滅ヲ意味スヘク又同様必然的ニ日本国本土ノ完全ナル破壊ヲ意味スヘシ
「世界の自由なる人民が立ち上がった力に対するドイツの無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人民に対しては、極めて明晰な実例として前もって示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力、すなわち全ドイツ人民の生活、産業、国土を灰燼に帰せしめるに必要だった力に較べてはかりしれぬほどに大きい。われわれの決意に支えられたわれわれの軍事力を全て用いれば、不可避的かつ完全に日本の軍事力を壊滅させ、そしてそれは不可避的に日本の国土の徹底的な荒廃を招来することになる。」

四、無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者ニ依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国カ履ムヘキカヲ日本国カ決意スヘキ時期ハ到来セリ
「日本帝国を破滅の淵に引きずりこむ非知性的な計略を持ちかつ身勝手な軍国主義的助言者に支配される状態を続けるか、あるいは日本が道理の道に従って歩むのか、その決断の時はもう来ている。」

五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
「これより以下はわれわれの条項(条件)である。条項(条件)からの逸脱はないものする。代替条項(条件)はないものする。遅延は一切認めないものとする。」

六、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
「日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、影響勢力及び権威・権力は永久に<for all time>排除されなければならない。従ってわれわれは、世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張するものである。」

七、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ聯合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ
「そのような新秩序が確立せらるまで、また日本における好戦勢力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、当初の基本的目的の達成を担保するため、連合国軍がこれを占領するものとする。」

八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
「カイロ宣言の条項は履行さるべきものとし、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。」

九、日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ
「日本の軍隊は、完全な武装解除後、平和で生産的な生活を営む機会と共に帰還を許されるものする。」

十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ
「われわれは、日本を人種として奴隷化するつもりもなければ国民として絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待したものを含めて、すべての戦争犯罪人に対しては断固たる正義を付与するものである。日本政府は、日本の人民の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって障害となるものはこれを排除するものとする。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重はこれを確立するものとする」


十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ
「日本はその産業の維持を許されるものとする。そして経済を持続するものとし、もって実物賠償<reparations in kind>の支払いにあつべきものとする。この目的のため、その支配とは区別する原材料の入手はこれを許される。世界貿易取引関係への日本の、将来の<eventual>参加はこれを許すものとする。」

十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
「連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯びかつ責任ある政府が樹立されるに置いては、直ちに日本より撤退するものとする。」


十三、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス
「われわれは日本政府に対しすべての日本軍隊の無条件降伏の宣言を要求し、かつそのような行動が誠意を持ってなされる適切かつ十二分な保証を提出するように要求する。もししからざれば日本は即座にかつ徹底して撃滅される。」

2018年3月10日ヤフーブログに投稿した記事より

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2 コメント

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6条の意味 (kamakuraboy)
2019-03-10 20:11:27
こんばんは。コメントをありがとうございます。
太平洋戦争で熾烈な戦いをした日米と、第一次世界大戦で独と戦った英仏との戦後処理、条約などでどのように相手を縛ったかということがとても興味深いと最近思います。ポツダム宣言はその後の日本がどのような方向性持った国になるのかということを決める上で重要な役割を果たしていましたね。

特に6条は大きいと思いますし、10条、11条も大きいですね。

ドイツが再び戦争を起こしたのも、例えばポツダム宣言の10、11条の精神が英仏にはなく、パリ講和会議で調印されたヴェルサイユ条約による英仏の容赦ない復讐によって独国民が更に疲弊していったことがあったわけですし。

現行の日本国憲法の9条はポツダム宣言の6条と9条の延長線上にあるわけですが、ご指摘の通り、この精神は「世界征服に赴かせた、影響勢力及び権威・権力は永久に排除」と言っているわけです。

現在の9条は周辺国の「性善説」を前提にしており、ポツダム宣言の背景にあった世界情勢と現在とでは全く異なっているということをそろそろ我々日本人は真剣に認識すべきなのですが・・・。
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6条の意味 (泉城)
2019-03-09 10:30:03
6条は確かにポイントですね。
「世界征服に赴かせた影響勢力及び権威・権力は永久に排除」ですから、逆に言えば「世界征服ではない防衛戦力」つまり自衛権は確保された言えます。
要するにミサイルを放つ相手にはミサイルを撃ち返す権利が保障されているともいえそうです。
また、この「影響力」に天皇制は含まれていないと私は思います。なぜなら天皇制は現実に残されていますし、天皇は戦争の処罰の対象、戦犯にもなっていません。この影響力は「軍部」のことでしょう。
ポツダム宣言の条文は、戦勝国が勝手に作るものですから、天皇にすべての責任があると書くことも可能だったはずですが、それは一切ありません。

さらに、「世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能」としていますが、すでに日本は平和憲法であり軍国主義ではありません。
とすると、防衛力の強化はポツダム宣言には全く抵触しないと思います。
米国は「弱い日本」政策で自国の影響下におく政策を貫いていますが、そろそろ「弱い日本」から「普通の国」になって真の自立をすべきでしょう。
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