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クチナシ、6月30日の誕生花を学ぶ

2021-06-30 | 探求:誕生花・花言葉

6月30日の誕生花には、

コモンセージ・スイカズラ・ブーゲンビレア(ブーゲンビリア)・ガマ・ヤマユリ・アガパンサス・カンナ・キンシバイ・シンゴニウム・スカビオサ・デンドロビウム・デンドロビウム:フォーミデブル・ハニーサックル・ビヨウヤナギ・ムラサキツユクサ・ヤマユリ・ライラック(桃)

がある。

今回はその中でクチナシにスポットを当てて誕生花や花言葉、それらの由来になった伝説について調べてみる。

<関連記事>

クチナシ、甘い香りで喜びと幸せを運ぶ花木は6月14日の誕生花

 

クチナシは日本・インドネシアなどの東アジアが原産でアカネ科の耐寒性常緑低木。

元の和名は「口無し」「口梨」との説がありその由来にも諸説ある。

その中で有力な説は二つ。

[口無し]

秋に成る実が固く裂け目(口)ができない。

[口梨]

実を梨に見立て、その実にはガクが残ってそれがクチバシに見えるため。

クチナシの学名は「Gardenia jasminoides」

Gardeniaは米国の植物学者兼医師のアレキサンダー・ガーデンの名前から由来(※1)

jasminoidesはジャスミン(の香り)に似ていることからきている。

※1:A・ガーデン(1730ー1791)はクチナシを米国に紹介した

花言葉は、以前紹介した「喜びを運ぶ」「優雅」「とても幸せ」「私は幸せ」「幸せでとてもうれしい」「この上なく幸福」「美しい日々」の他にも、

「幸福者」

「胸に秘めた愛」

「夢中」

「清潔」

がある。

 

シンボルは、

「純潔」

「誠実」

「無言」

裏シンボルは、

「夫婦の寝室」

 

 

花言葉の由来は多分に欧米から発信されたものと思われる。

その理由は現在の欧米で男性から女性に贈る花の定番がクチナシであること。

歴史が浅い米国にあってクチナシの伝説が存在することがあげられる。

 

<クチナシの誕生伝説(米国)>

清らかな心を持つ女性ガーデニアは白い花を好んだ。

身につける服や家具などもすべて白を選ぶ。

ある日、教会に出向いたとき将来夫になる人は「身も心も清らかな人を」と願う。

するとある晩に天使が現れ天国に咲く花の種と言い一粒渡し

「鉢に植えて、毎日良心に問いながら水をあげなさい」

「純潔が守られたなら植物にキスをしなさい」

そして一年後に戻ると約束した。

そして白い六枚の花びらを持つ花が咲いた、それがクチナシの花。

一年後、はたしてその天使が現れ翼を取り去り約束の男性になって夫婦となった。

二人は末永く幸せに暮らしたとされる。

 

<伝説・花言葉に関する考察>

女性の名前が米国にクチナシを知らしめた植物学者A・ガーデンにちなんだクチナシの別名と一緒。

A・ガーデンは1791年に60歳から61歳で天寿を全うしている。

米国が独立宣言をしたのは1776年(独立戦争は1775年4月から1783年9月)

この事実からA・ガーデンがクチナシを紹介したのは1776年から1791年までの間が有力と言うことになる。

(紹介した年代は調べがつかなかった)

仮に最も速いケースで1776年とすると今から245年前。

過去245年の間に伝説ができ、男性から女性へ贈る花の定番になったことになる。

そしてこれらが花言葉のキーになる「喜び」「幸福」「愛」「夢中」「清潔」を生んだことが容易に想像される。

 

また、日本で紹介される誕生花や花言葉の多くは明治(1868年10月から1912年7月まで)中期に渡来したものである。

 

以上をふまえると日本に渡来するまでの100年以上の間に伝説や花言葉が出来上がったと考えらると筋が通る。

だとすると花を贈る習慣(マナー)や花言葉は短くても(2021年-1900年≒)120年以上の歴史と言うことになる。

 

<シンボルについて>

「純潔」

花びらに厚みがあり美しい素肌のような手触りがあること。

白い花全般に共通する「純粋」の象徴があること。

「誠実」

実が熟しても固く咲けない様子が誠実さを表している。

「無言」

『新古今和歌集』の[小弁(こべん)]に由来。

小弁という女性があるところからの帰り道に咲く綺麗な白い花(クチナシとは知らない)を見た。

名前を知りたくて通行人に花の名前をたずねた。

だが通行人は無言。

別の遠くの通行人に、またさらに別の通行人にたずねるも無言。

答えないということは「口無し」という名前であると受け止めた。

 

<裏シンボルについて>

「夫婦の寝室」

甘く強い芳香が優雅さを漂わせること。

そのため夫婦の寝室に飾る花としてふさわしいため。

 

考察

クチナシは日本など東アジアから18世紀前後に渡米・渡欧したと考えられる。

そのためギリシャ神話には登場しない誕生花としては新参者

クチナシは日本を始めとした東アジアのみならず欧米でも人気がある花(花木)

だが、個人的には、

「クチナシは確かに花だが厳密には花木(樹木)」

「日本には誕生花の他に誕生果や誕生樹(※2)がある」

この点が気になる。

 

勝手な話だが、いつか先人達に敬意を払った上で独断と偏見で選ぶ「誕生花」を編纂したいと思っている。

そのときに誕生花として花木を選ぶべきかどうかが悩ましい。

※2:最近入手した書籍<「誕生樹 -日々を彩る366の樹木-」 椋 周二[著] 八坂書房>ではクチナシを6月4日の誕生樹として紹介している。

 

それでも、クチナシは東アジアひいては日本を代表する花の一つ。

ヨーロッパ原産ではないが故に(※3)花言葉はプラスイメージのものしかないと思われる。

裏シンボルですら大人の事情なだけ(?)でプラスイメージに転じている。

そのような花は滅多にない。

それらを考えると誕生花、せめて誕生樹としてとりあげたい。

 

※3:花言葉という概念が近代で花開いたのはヨーロッパ。

花言葉の歴史的背景とともにヨーロッパでは花に対するイメージに喜怒哀楽を重ね合わせている。

そのためプラスイメージのものだけでなくマイナスイメージの花言葉も多数存在する。

余談として誕生花・花言葉の歴史を大雑把に記すと、

まずギリシャ・ローマ神話に端を発する。

次にキリスト教の広がりとともに聖書に登場する花たちが名前を連ねる。

中世にはイスラム教圏とキリスト教圏で各々文化を花開かせた。

特に現在のトルコに当たるオスマントルコでは花などに意味を持たせ文章(手紙)の代わりにするセラムが流行った。

そのセラムを18世紀に英国のトルコ外交官の婦人が友人らへの手紙で紹介した。

ヨーロッパで流行した庭園文化とセラムが融合し現代の花言葉へとつながる。

 

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花言葉を学ぶ、起源と色への印象

 

誕生花について

誕生花の起源について調べてみると(上記※3)でも記した通りギリシャ神話やローマ神話にたどり着く。

ギリシャ神話・ローマ神話を元に人々が月日に神が定めた誕生花を当てているようだ。

神に選ばれた日にあてがわれた花と言うことで季節が合っていない事があるのだろう。

また、北半球と南半球では季節が逆なので特に南半球特有の花は北半球では季節の花ではないものが誕生花として当てられている可能性がある。

そして現在ではギリシャ・ローマ時代のヨーロッパに存在しない日本・中国・朝鮮半島の花も登場する。

さらに1492年の新大陸発見までヨーロッパに伝わっていなかったはずの南北アメリカ大陸固有の花も誕生花に名前を連ねている。

これについては誕生花にまつわる書籍を見ると開花時期に合わせて著者自身が選んだ花を誕生花として取り上げているようだ。 

花言葉について

花言葉について調べると誕生花と同様にギリシャ神話やローマ神話の影響が強いようだ。

そんなギリシャ神話には悲しく残酷な物語が多い。

その話しは人生を感じさせる。

それも喜怒哀楽の中で言えば「怒」と「哀」に特化し神を擬人化した欲望渦巻く物語

そんな神話にまつわる花言葉が与えられたならマイナスイメージの花言葉が生れてもおかしくない。

また、現在の花言葉の多くに関しては日本で独自に作られたものが多いらしい。

そして元々ギリシャ神話をベースにした誕生花には花言葉と言うよりシンボル(象徴)・裏シンボルと言ったものが存在している。

そのシンボルと裏シンボルが花言葉の元になっているようだ。

「日本の誕生花 by AIグッチー」に向けて 

以上の事をふまえてもAIグッチー的に誕生花や花言葉に対する疑問が5つ。

「誕生花なのにミカン・松の様に観葉植物・果実・樹木そのものの時がある」

「同じ花が別の日の誕生花としても取り上げられる」

「マイナスイメージが多い誕生花っていかがなものか?」

「先取りならともかく季節外れの花が誕生花とはいががなものか?」

「昔と比べて今は環境・気候・文化などが違うのだから誕生花も時代に合わせるべきでは?」

誕生花と言うからには花!

同じ花が別の日の誕生花になるのは・・・特別感が減る!

マイナスイメージの花言葉が多い誕生花って微妙!

誕生日に見られない誕生花とは!

誕生日に手に入らない誕生花はいかがなものか!

ギリシャ神話・ローマ神話や先人によって選ばれた誕生花については敬意を表したい。

それを踏まえていつの日かAIグッチーなりの誕生花を紹介できたならと思う今日この頃。

その日のために「都度勉強日々精進」

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カテゴリー 当BLOG カテゴリー 「誕生花」

カテゴリー 当BLOG カテゴリー 「探求:誕生花・花言葉」

本日 誕生日の方へ おめでとうございます。

また御覧 頂きありがとうございます。

<<<参照図書>>>

「花の神話伝説事典」 八坂書房 C・M・スキナー[著] 垂水雄二・福屋正修[訳]

「花を愉しむ事典」 八坂書房 J・アディソン[著] 樋口康夫・生田省吾[訳]

「花のシンボル事典」 説話社 杉原梨江子[著]

「新装版 誕生花と幸せの花言葉366日」 主婦の友社 徳島康之[監修]

「366日 誕生花の本」 三五館 瀧井康勝[著]

「誕生花事典366日」 角川文庫 植松黎[著]

「誕生花 Birthday Flowers」 保育者 井上恵子[著]

「日々を彩る幸せのダイヤリー 誕生花366の花言葉」 大泉書店 高木誠[監修]

「贈る・楽しむ 誕生花事典・日々を彩る花言葉ダイアリー」 大泉書店 鈴木路子「監修」

「花の神話」 新紀元文庫 秦寛博[編著]

「ギリシャ・ローマ神話 付 インド・北欧神話」 岩波書店 ブルフィンチ[作] 野上弥生子[訳]

「一冊でまるごとわかるギリシャ神話」 大和書房 吉田敦彦[著]

「美しい 花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ」 ナツメ社 二宮康嗣(孝治)[著]

「小さな 花言葉・花図鑑」 自由国民社 宇田川桂子[監修]

「花言葉 花贈り」 池田書店 濱田豊[監修]

「知る 飾る 贈る 花言葉・花事典」 池田書店 高橋秀男[植物監修] 石森康子[原稿作成]



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