一昨日、4歳のS君にサプライズが現れました!
その日起こった ”サプライズ” の話をする前に、S君について少々説明しますね。
S君は、筋ジストロフィーという難病をもって生まれた男の子です。
ママに抱っこされて、2歳のとき、初めてMiz の整体室に訪れました。(2017/2/14)
・・・あどけない笑顔の、なんと可愛いらしいこと!
S君、2歳のとき。
こんな可愛い子が、20年先、30年先に運命的に辛い日々を迎え,短命に終わることになるなんて、どうして許せるでしょう。・・許しがたいことです。
「難病を乗り越えて、いい青年に育ってほしい!」
・・・・そう願うのは、ばかげた夢でしょうか?
「筋ジストロフィー S君 」のホームページ (2018/6/6までの記録)
https://mizciao.wixsite.com/muscular-dystrophy
初めての来室から 今日で2年と3ヶ月。
S君は、月に一度、ママや バーバに抱っこされて来室しています。
もう4歳になりました。
歩くのが不得意で、今でもよく転ぶようです。
立っているのが苦手なのでしょうか。すぐに床に腰を下ろすかゴロンしてしまう。あるいはすぐ「抱っこ」をおねだりします。
S君には、その他に、知的障害という障害も持っていました。
ママの一番の悩みは、言葉がしゃべれないこと。
・・・言葉がしゃべれない原因は、脳の問題か? 口や喉、あるいは聴覚に障害があるのか? 脳との連携がうまくいかないのか?
悪戦苦闘の末、今はママ、パパ、アンパンマンなど幾つかの単語を口にするようになっています。先日、「アオ」という言葉が言えたので喜んだのもつかの間、赤色を指さしても「アオ」と言うので、がっかりでした。
******************************************
では、一昨日のサプライズの話に戻ります。
この日 S君に行った施術は、S君に横向きに寝てもらい、
S君の頭の左右に両手をタッチして行う「側頭挟みテクニック」というものでした。ふつうの人にこのテクニックを行うとすみやかに反応が現れるのですが、S君の場合は頭の中(脳?)が石のように硬い感触があって、かなり長い時間が過ぎてやっと反応らしきものが現れました。S君はしばらくの間 ゴニョゴニョと大きく体を動かし、最後に体をグルっと右回転する動きが現れ、うつ伏せの姿勢へと体の方向が変化しました。
S君はいつも施術を嫌がるので、施術中はタブレットでアンパンマンの動画を見せながら行います。なので、横向きで見ていたアンパンマンは、うつ伏せ姿勢で見ることになります。
うつ伏せ姿勢でアンパンマンを見ているS君を施術。・・その後S君を抱っこし、アンパンマンに見入っているS君を抱っこ姿勢で施術。
これで、一連の施術は終了しました。
ここからがサプライズです。
施術の後、S君はアンパンマンを立ち姿勢で見ていました。
しばらくすると、動画のキャラクターの真似をして、S君はつま先立ちをトントンと始めたのです。
それを見て、バーバが声を上げました。
「センセイ、つま先立ちをしてますよ。Sちゃんがつま先立ちするなんて、今まで見たこともない!。」
Miz もびっくりでした。なぜなら、
S君は、病気のせい(?)で足の指が弱く、頭からドスンと転んでは皆をハラハラさせる子だったからです。つま先立ちするなんてとても考えられない。出来るはずがない体質の子だと思ってました・・。
しばらくして、バーバが関心したように 言いました。
「スゴ〜イ! Sちゃんがこんなに長い間立っていることなんて、今までにないんだけど・・。すぐに座るかゴロンするのに、まだ立ってる〜ッ! 凄いスゴイ」
そしてさらに7〜8分経つと、童謡の歌に合わせてS君は大きく足を上げて踊り始めました。手を振り足を振ってバーバの周りを一回り。今までだったら、S君が大きく足を上げた途端、スッテンゴロンと倒れて頭を打つのがオチなのに・・・。
「うわぁ、Sちゃん、すごいよ〜。スゴイ 凄いっ!
どうしちゃったの? Sちゃん、すごいね~、」
(ふつうの4歳児なら、当たり前の
動作ですけどね・・)
その後もしばらくの間、幼児向けの動画を見ていましたが、その間、S君は立ちっぱなしで見ていました。
バイバイをして整体室から外に出たS君、いつもは歩きだすとすぐに「抱っこ」とおねだりするのに、今日は 「抱っこ」のおねだりなし。
「こんなこと、初めてですよ! すご〜い!」
とバーバは再び ビックリ & 喜んでました。
Miz もビックリしながら嬉しく思いましたよ。
ちなみにと、S君に歩道を一人で歩かせてみました。その歩く姿を見てみると、跛行(はこう)する歩き方は、まだ改善されてはいませんでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
S君には、もう一つの変化が見られました。
知的変化です。
この日の来室時、私はS君にささやかなプレゼントを上げました。
袋にはピンクのリボンを結んで・・・。
S君はそのピンクのリボンをほどくことが出来ません。
結び目を左右に強く引っ張るので、ほどくどころか、さらに強い結び目になってしまいます。リボンのほどき方を何度教えても、左右に引っぱって、挙げ句のはてにブンブン回して放り投げる。・・そんなS君でした。
ピンクのリボン結びを ほどけないS君
施術の後、S君の動作が劇的に変わったのを見たので、
もしや知的な面でも変化があるかどうか、私は知りたくなりました。
そこで、私とバーバは、
袋にピンクのリボンを結んで、S君に差し出しました。
さてS君は、前と同じように結び目を左右に引っ張る動作をするでしょうか?
・・・・・・
一回目。S君は結び目から左右に伸びるリボンを引っ張った後、リボンから手を離して、結び目に人差し指を突っ込みました。人差し指をゴニョゴニョ動かしていたのですが、リボンはほどけず、袋を投げ出しました。
バーバと私は目を見合わせて、うなずき合いました。
「さっきとは、明らかに違うよね〜」という感じで・・。
二回目。もう一度やってみました。
S君は、まず蝶結びのリボンの端を引っ張ってほどきました。それから、次のリポンの結び目に人差し指を突っ込み、ゴニョゴニョ動かし、、、指を動かしているうちに、結び目がほどけたのです!!
「アッ、ほどけた〜!!」
バーバと私は同時に声を上げました。
「スゴイよ、Sちゃん。・・やはり、変わったよ」とバーバ。
〜〜しかしSちゃんは、ほどけたリボンには全く興味がなく、タブレットの動画に気持ちが引かれているようで・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
S君の変化は、施術による結果だと私は思います。
しかしこの結果は、予期せぬ偶然の効果でした。
予期せぬ効果は、どういうメカニズムでもたらされたのか?
〜予期せぬ効果の奥に、予期せぬ宝物が潜んではいないか?
なぜS君は、突然、立っていられるようになったのだろう?
逆に、なぜS君は、短時間しか立っていられなかったのだろう?
筋ジストロフィーという病態に、この施術は有効性があるだろうか?
施術にはどういう意味があり、施術は何を掘り出したのか?
〜〜それが分かってくれば、この後、
この施術を役立たせることが出来るんだけど、なぁ。
いつも貴重なレポートをありがとうございます。
S君のサプライズ、素晴らしいです!
二足歩行がしっかりできるようになると、
脳の発達がどんどんすすんでいきそうな、予感・・・。
長年にわたる先生の施術と、草履による足研究、本人やご家族の思い、その他もろもろ・・・この世の不思議を感じます(大げさか・・・^^)
ひょっとして、次回施術日を6/17にしてみると、さらなるサプライズが
あるやなしや~(笑)<emoji:full_moon>
「サプライズ」って、自分が今まで見知らなかったコトやモノに出会った時の新鮮なオドロキの感情ですよね。恐怖のサプライズは嫌だけど、楽しいサプライズは大好き。マジックで騙されるのも好きです。
・・・整体という仕事では、施術中にサプライズに出会うことは少なくありません。〜〜それだけ、人の体は不思議がいっぱい、謎がいっぱいってことなんでしょうね。