前回のブログから1ヶ月が経ってしまいました。
今日は6月30日。久しぶりにブログの更新、6月版です。
次の記事は、
今月6月に行ったある施術の症例ですが、この症例は、
我々がまだ気づかぬ 目には見えない "体調変化" の仕組みを知るヒントが隠れている事例のように感じます。
〜〜〜症例の経緯から綴ってみますと〜〜、
2019 /04/05
Kさんは、口腔外科の手術を行いました。
Kさんは月に一度、Miz整体室に定期的に来室しています。
彼女は左奥歯の内側の歯槽骨(歯茎を支える骨)が分厚く突出しているのが気になり、突出部の切除手術を受けることになりました。
お医者さんから、
「虫歯を抜くぐらいの簡単な治療ですから、心配いりません」
と言われて、Kさんは、決心して切除手術を受けたのでした。
〜〜しかし私は「歯槽骨の切除で、予後に何か不都合が起きなければいいけど・・・」と危惧を抱いていました。
2019 /05/13
手術から1ヶ月後、少し痩せてスッキリの体型に。
手術から1ヶ月後のKさん、
「食事をすると、切除部分がまだ痛いので、3Kg 痩せたけど、
体はすっきりしています。このままの体型でいたいわ・・」 と。
私は術後が気になっていたので「よかった〜!」と一安心しました。
手術による体の異変は、それほど目立ったものは見られず、ただ、
仰向けに寝たとき、体全体がやや左に傾いていることが気になりました。
〜〜「体軸の方向が変わったのは、なぜ?」と。〜〜
2019 /06/12
2ヶ月後、予約取り消しの電話がKさんからきました。
「体調が悪いので、明日の施術の予約を取り消そうと思うのですが・・」
と、Kさんからお電話がありました。〜〜やや 曇った声。
「そんな時こそ、いらっしゃった方がいいかと思うの。
不調の元が、元気な時よりも体に現れているので、施術の内容が的確になる場合がありますよ」
「それなら、明日伺います」
2019 /06/13
Kさんの顔が、まるで変わっていました。
来室した Kさんの顔を見て、ぎょっとしました。
明るいオーラの持ち主、Kさんの顔がまるで変わっていて、暗い・・・。
チラッと見たところでは、
・左額に斜めのシワが深く現れていてる。= 額が左右対称ではない。
・左黒目(瞳)が内方に寄ってしまっている。
・瞳に光がない。
・顔が下向き。
〜〜〜いったい、どうしたの・・??
Kさんは、メモを見ながら次の症状を訴えました。
1後頭部の右側がジンジンして、気持ち悪い。
2唾液が出にくくなった。
3左の歯で噛むと、違和感があり,音がする。
4テレビを見ていると疲れるので、すぐに消す。
ふと、自分が顎を前に出してテレビを見ていることに気づいた。
5胸の中央がつかえている感じがあり、胸が気持ち悪い。
6足がムズムズして、気持ち悪い。
7睡眠障害。
「10:30に就寝して朝の3時半に目覚め、その後眠れない」と。
「でも5時間眠れてるんだから、それほど心配しなくても」と私。
8血圧が上がった。
お医者さんに調べてもらい、血圧の薬を1錠、増やした。
9車の運転が怖い。免許証を返上しようと思っている。
10 外出したくない。
1〜10までの症状は、Kさんが話してくださった内容です。
口腔外科のお医者さんは、
「歯槽骨切除の傷跡は、順調に回復している」と仰っていて、
Kさん自身も、 口の中の痛みは無くなった、と言っています。
しかし私は、Kさんの症状は、歯槽骨切除が何らかの形で絡んでいるのではないか、と感じ
ました。
Kさんの体の全体的な変位を是正しました。
まずは、顎関節の変位(ズレ)を疑い、歯ぐきの状態から顎関節の異常を調べ、骨格のズレている部分を修正する作業を行いました。顔側からと後頭部側からの作業です。
次は、顎関節の影響が体軸にも及んでいるため、呼吸法を使って腹部の中心であるへそのラインを正す作業や、左右の足のバランスを正す作業などを行い、、、
施術はひとまず終了。
額のシワも消え、寄り目になって左目が真ん中に戻っていました。
Kさんいわく、
「来たときとは全く違う! 胸がスッキリして、
気分がいい。希望が出てきたわ」
〜〜あの暗い顔つきが一変し、生き生きしたKさんらしい笑顔が戻っていました。
このような喜びの顔に出会うと、私は報われたうれしさ感でいっぱいになるのです。
2019/06/14
しかし翌日。「とても! 辛い!」という電話が・・。
朝、Kさんから電話。
「今日、もう一度、診てもらえますか。
今朝も早く目覚めて眠れなかったし、胸のつかえがまだあるし、
のど乾きがひどくて、足もムズムズして・・」
〜〜〜昨日の嬉しさは、この電話で一変してしまいました・・・。
口を開けると、Kさんの下あごが ガバっと前に出るのです。
Kさんに再度来室していただき、
まずはKさんの下顎の状態を調べるために、口を開けてもらいました。
すると、Kさんの下顎(アゴ)が、ガバっと前に出ちゃうではありませんか!!
これは下顎の前下方変位では・・・。つまり上顎と下顎を結ぶ顎関節の部分で、下顎が下垂している(ずれ落ちている)状況を暗示していました。〜〜つまり、顎関節異常を発症していることになります。
「なるほど・・、一番の原因はこれかな・・・」
と思いました。
下顎が下垂したので、それに連動して頬骨も下方変位したのでしょうか。
Kさんの左の額に現れた深いシワは、それを物語っていたのでしょう。
Kさんの下顎の下方変位(ズレ)を是正しました。
下顎の下方変位は、上顎と下顎を結ぶ筋肉(外側靭帯や関節包など)が、何らかの理由で異常を来たし、下顎が正常な位置に戻れない場合に発生するケースが多く見られます。
そこで、Kさんの頭をやや後下方に動かしながら、Kさんの下顎を正常な元の位置に戻すというテクニックを行いました。少々難しいテクニックですが、うまくいったようです。
Kさんに、もう一度、大きく口を開けてもらうと、
前のように、下あごがガバっと前に出なくなりました。
Kさんいわく、
「あ、噛み合わせが変わったわ!」
Kさんは、先に、
「自分が、顎を前に出してテレビを見ていることに気づいた」
と言っていました。
おそらく、顎関節が正常になれば、
「テレビを見る際、下顎を前に出して見ることは無くなるだろう」
と私は単純に思ったのですが・・・それは誤りでした。
後に、隠れた原因が他にもあったことを思い知りました。
「テレビを見る際、下顎を前に出して見るようになった”」の
もう一つの原因は、06/24の施術時に分かりました。
(この記事の最後の方に書いてます)
切除手術は、下顎を固定する器具を装着して行われた、と。
Kさんの下顎が下垂して顎関節が変位してしまった原因は、おそらく歯槽骨切除の手術と関係がありそうです。
「手術はどんなふうにして行ったのですか?」
「下顎が動かないよう、金属の器具で下顎をぐっと抑えて手術をしたの」
「うう〜ん。その時にかかった力で、下顎が変位したのかな〜〜」
下顎の変位は、顎関節のまわりの筋肉群の変位を伴う。
下顎の変位の調整をした後、
「みーばぁ式半臥位腕立て」という運動療法を行いました。
下顎の変位は、顎関節のまわりの筋肉だけでなく、首や肩の筋肉へと変位が及びます。
Kさんの首や肩に及んでいるとみられる歪みを是正するためには、みーばぁ式腕立て運動による施術が役立つでしょう。
みーばぁ式 腕立て運動法は「腕立て運動」の改良版で、スグレモノです。今回は、Kさんの上半身首や肩に見られる体の歪みを是正するために行いました。
みーばぁ式腕立て運動を行った後、運動で現れた体の歪みを改善するために行う体軸の回旋運動を行い、この日のおおよその施術を終了しました。
「胸の使えが取れたわ。ツバも出てるわ。
ああ、スッキリ・・。気持ちいい!」とKさん。
Kさんを見ると、左額の深いシワが見えなくなり、黒い瞳に輝きが見られました。その顔を見て、私はまたもや嬉しい気分になりました。
2019/06/15
しかし翌朝、また Kさんより「辛い・・」という電話。
「今日もまた、診ていただきたいんですけど。
昨日、帰るときはとても気分が良かったんですが、
まだ体がイライラして、食欲が出なくて、ツバも出なくなって」
と、Kさんから電話がきました。
〜〜〜〜〜〜〜
「申し訳ないけれど、3日間、辛さを我慢して下さい。
今は、体が変化する過渡期だと思います。
でも我慢が出来ないほど辛くなったら、お電話下さい・・」
私はそう言って、一週間後の6月24日を予約日としました。
〜〜〜Kさん、しぶしぶ 承諾〜〜
私って、冷たい人だなあ、と思う。
2019/06/24
「不思議!、3日目に、体が急にすーっとしてスッキリしたの!」と。
(いわゆる「めんげん現象」と思う)
6月24日来室したKさんは、以前より明るい表情をしていました。
「とても不思議なことがあったの。
3日目の夕方、椅子に腰掛けていたら、
体がすーっと変わるのを感じ、急にスッキリしたの。
体のイライラ感が、その時から無くなって、とても楽になった!」
おそらく、めんげん現象 がKさんの体に現れたのでしょう。
めんげん現象というのは、施術後に、
体の現状が AからBに 変化する過程で現れる不快な症状のこと。
症状が重いときは体の変化も激しいので、めんげん現象が現れやすく、
私の施術では、体がだるくなり、眠くなるという症状が多い。
Kさんの場合は、体のイライラ感で、めんげん現象としては珍しい。
私はKさんに言いました。
「めんげん現象は3日ぐらいで消えるんだけど、
その間がとても辛いらしい。・・よく我慢したわねぇ」
後頭部の筋肉が強く収縮していました。
アゴ出し姿勢の原因はこれかも・・・?
先に述べましたが、Kさんは、
「テレビを見ている時、アゴを出して見ていることに気づいた」
と言ってました。
その原因は、顎関節の変位にあると思っていたのですが、それだけではなかったようです。
というのは、
Kさんの後頭部を調べてみたら、首の後の筋肉(後頸筋)が硬く強縮していたのです。つまり頭の位置をやや後ろに傾けた形で、首の後ろの筋肉が固定されていたのです。
おそらく、手術時に、口を開け、頭をやや後ろに傾けるという姿勢に力が入ってしまい、首の後ろの筋肉が凝り固まったのではないでしょうか。
=首の後ろの筋肉が硬く収縮すると、アゴが前に出ます。
=テレビを見るとき、必然的にアゴが前に出ます。
〜〜日常の行動でも、多分、アゴだし姿勢をしているはずですが、それと気づかずにいたのでしょう。
Kさんには、後頸部の強縮をゆるめ伸ばす施術をしました。
皆さんも実験してみると、体で納得するかと思います。しかし
実験するとあなたもアゴだし姿形になるかもしれません。なので、イラストで納得してください。
【実験】
〜〜頭を後ろに傾けます。
次に、後頭の位置を保持して、正面を向きます。
すると、頭・顔 の位置が若干前上方に向く、あるいは
背中が丸くなるのが分かりますか。?
真正面を向くと、アゴは心持ち前下方に変位します。
この実験をした人は、
直ちに、後ろの首を伸ばす(アゴを引く)運動をして下さい!
でないと、あなたもアゴ出し姿勢になる危険がありますから・・。
首を曲げ、頭を上に向ける動作をしている人は沢山います。
アゴを上げて動作をしている人も沢山います。
何気ない動作が、アゴ出し姿勢や、背中の丸みに繋がったりしているんですね。
要注意です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以上の施術の他にも、Kさんの体の不調部分の施術をしました。
Kさんの体には、まだまだ不調の元が残ってはいるけれど、
次回に〜ということでこの日は終了です。
2019/06/27
「筋力をつけましょう。まずは腕の筋力をつけましょう」
Miz 整体は、月に一度の施術、が通常なのですが、
Kさんはナーバスになっていて「一週間は待てない」と言います。
確かに、まだ辛そうな体の状況ではあるようなので、この日施術。
この日も、
「みーばぁ式腕立て運動」という運動療法から始めました。
これで分かったことは、
Kさんの腕力がとても弱いということでした。
〜〜軽い(?)腕立て伏せの運動なのに、「辛いわぁ〜」と言う。
数回のミニ腕立て運動で、ギブアップ。
・・腕を見ると、力こぶが出ていない・・。
腕の力は、腕に限った問題では終わらないのです。
〜〜腕の力がないということは、胸筋、背筋が弱いこと。
〜〜胸筋、背筋が弱いと、 上体(体幹)を保持する力が弱い。
体幹の上にある首、頭を保持する力も弱い。
ここから、体ばかりでなく脳の問題にまで発展したりします。
Kさんの体に現れた異常は、
歯科口腔手術による結果とも言えますが、
首、頭を保持する力の衰えで、手術中に受けた負荷にKさんが負けてしまった結果と見ることも出来ます。
ある意味、Kさんの老化の過程で現れた体の変化とも言えるかと・・。
〜〜若い活力のある人なら、手術時の負荷に対応できるもの。
+++++ ここで、みーばぁが考えたこと +++++++
ウォーキングが大切なことは、皆さんよくご存知です。
毎日ウォーキングをして、足を鍛えている人は多い、よね。
でも、脚力に比べると、
腕の力を鍛えることは、軽視されていると思いませんか?
特に女性は、腕の力の弱い人が多い。
・・スーパーでの買い物袋が重すぎて困っている人がいます。
・・ペットボトルのキャップを開けられない高齢者も増えてます。
腕の力の弱まりは、背筋力、胸筋力の弱まりでもあります。
かく言う私も、
「足の力だけではダメ。腕力、背筋力、胸筋力を鍛えないと・・」
と、腕力の大切さを、最近になって思い知らされたのですが・・・。
で、、、Kさんには、現状を切り抜けるために、
まずは、運動することを力説しました。
特に疎かになりがちな腕力、背筋力、胸筋力をつくる運動を。。。
腕立て伏せ運動は、腕力・背筋力・胸筋力を鍛える効果的な運動です。
しかし、腕立て運動は、我々女性にはキツイ。
なので、私が行っているみーばぁ式腕立て運動を、Kさんにオススメしました。(みーばぁ式腕立て運動には幾つかのポイントがあります。それをうまく説明できたらいいな、と考えています)
彼女も納得して、
「さっそく今日から、運動をやるわ」と前向きに・・・。
2019/06/28
「昨夜は、よく眠れました」とKさんの声。
Kさんの様子が心配だったので、翌日、電話を差し上げました。
すると、
「昨夜はよく眠れました。おかげさまで体調が良くなってます」
と明るい声が返ってきたので、ほっとしました。
台風が近づいているのに「眠れた」のなら、まあまあかな。
・・・・・やっと、肩の荷が下りたって感じ・・・・。
************次回に続く**********
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