Demo 1979 Trinkets & Things performed by Ryo Kawasaki and Radha Shottom
マイルス・デイビス/ Miles Davisの"ビッチズ・ブリュー/ Bitches Brew"から始まったアフロセントリックなジャズの流れは、1970年代にエレクロリック・ジャズ、そしてフュージョンへと繋がりビジネスとしてグローバルで市場を拡大していくのだが、70年代後半になると支流から入ってきたブラジル音楽がメインストリームに躍り出ていった。リスナーはアフリカ+ブラジルの要素がごちゃ混ぜになった音楽を違和感なく消費していたと記憶している。
1979年に発表された"ミラー・オブ・マイ・マインド/ Mirror of My Mind"は彼の音楽観を体験させてくれる傑作で、レア・グルーブシーンでも高い評価を得ているらしく、つい最近CDが再発された。この作品の特徴の一つはラーダ・ショッタム/ Radha Shottomの透き通るような歌声だろう。フローラ・プリン/ Flora Purimを彷彿させるラーダの高音域のスキャットと川崎 燎のきらめくようなギターはリスナーを忘我の境地に誘ってくれる。
アルバム"ザ・サイドワインダー/ The Sidewinder"はブルーノート・レーベルを語るときに引き合いに出されるリー・モーガン/ Lee Morganの代表作の一枚で、ジャケットのデザインは誰しもが目にしたことがあるだろう。意表をついた写真の配置と絶妙なやトリミング、独自のタイプセット(フォント)、そしてシンプルな配色など唯一無比のオーラを纏っている。
当然日本でも話題作となり、東芝音工からタイトル曲"ザ・サイドワインダー/ The Sidewinder"がシングル盤で切られている。
さて、本日紹介する国内プレスのシングル盤はハービー・ハンコック/ Herbie Hancockの"ウォーターメロン・マン/ Watermelon Man"だ。1962年に発表されたハービーのデビュー盤"Takin' Off" (ブルーノート4109番)収録の有名曲だ。この作品でハンコックはブルーノートの不動のスターアーティストにのし上がった。この国内シングル盤のリリースだが、正確な年月は記載されておらずライナーに記載された記述からSpeak Like A Child直後、すなわち1968年から69年と思われる。