ブッシュ政権は、またしても中東政策で大きな失敗を繰り返そうとしている。その後に惨憺たる結果がもたらされるにもかかわらず、注意は十分に払われていない。今度の失敗はイスラエルとパレスチナの関係に関するものである。ブッシュ政権はハマスを含むパレスチナ統一政府をテロ組織と見なして、政府として認めることを拒絶することでイスラエル政府を実際に支えている。このことが中東戦争の全面化を防ぐための中東問題の平和的解決を阻んでいるのである。アメリカ政府とイスラエル政府はマフムード・アッバース(パレスチナ自治政府大統領兼パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会議長)だけと交渉しようとして、パレスチナ評議会で多数派を占めるハマスは次の選挙で転落すると期待している。これが無益な戦略である理由は、ハマスは初期の選挙をボイコットすると予想されるからである。仮に選挙の結果、ハマスを排除することができても、彼らの支持なしには和平協定は成立しないのである。
3月15日 ジョージ・ソロス
On Israel, America and AIPAC
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