イジュー·ホーロー

ミュージシャン。雑記。喫茶店と映画。古本屋。猫など。flexlife青木里枝

支配者とはねのける若者の物語。 "古の王子と三つの花" "キリクと魔女"

2023年08月23日 | 映画




デンキカンで。
ミシェルオスロ新作
"古の王子と三つの花"

熱心なファンではないのですが
キリクと魔女
が好きなので行ってきました。



3話のオムニバスで
美しく メッセージもストレート。






監督の代表作
キリク…で

魔女とは
生まれつき魔女
なのではなく

世界を憎む経験をした女性が
変容した姿、それが魔女であって

少年の成長譚
冒険譚かと思いきや
その彼女の魂を救えるか?

という途中からの展開は
目から鱗だったし

その魔女は自分自身だー
とも感じさせられた。





この映画の印象を まじえた
近藤零さんのafrica again
という曲があって

歌と朗読!?に呼んでもらって
音源に参加した
なんてこともありました。

私にとって
忘れられない一作です。

最近みてないから
見直したいなー








今回も
相通じる物語で

古え というと
聞こえがいいけど

圧倒的支配者と
それを跳ね返してきた
若者のたたかいと恋を

古代エジプト→中世フランス→トルコ
の3エピソード




一番地味かと思えた
藤城清治的 影絵

2話目の "美しき野生児"

これが 一番直接的で
現代的な強いメッセージで
好きかなー

白雪姫とリボンの騎士を
王子に変換したような物語。

野生児、魅了的。






3話とも 美しい人が主人公で
今どき どうなのかと
心配にもなったが

勇気や知恵
心の良さを持つ人物を

美しい者として現すのは
昔ながらの物語の定形だから

その枠自体は
きっちりなぞりながら
多くの人が この4年程考えてきた

支配と個人の心の自由について
知性豊かに
色鮮やかに描いたのだろうと思う。





比べるのは無理があるけど
君たちはどう…より 私はこちらかな。




血は出ない。
暴力ぬきで解決する。
いきなりキスやハグにならない。

相手の同意や人格を尊重しようという
子供達やそして大人への
知的な目配せにみえた。

その見せ方、最近では
とても貴重な気がする。



人間関係ても
労働環境ても
そして公害問題などに関しても

この国では同意と尊重が
まだまだ ないがしろで

目にするニュースで
毎日のように気が滅入る。
海洋放出は始まってしまった。

保険証も軍事費も
議論の風通しが悪く

モザイクのかかった情報しか
こちらには届かない。



一方で
変えたい人の行動の積み重ねで
とてもゆっくりだけど
動いている気配を感じる事もある。

応援したい人や
出来事をみかけたら
連帯のしたいし

自分の中にも "美しき野生児"要素が
眠っている かもしれないし。

いや、彼に続け、が
映画のメッセージなんだろうなっ






謝謝