野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

とても身近な野草ハルジオン

2019年04月26日 11時36分19秒 | 


もっとも身近な野草の一つとも言える帰化植物のハルジオン。
つぼみが頭を垂れているので、ヒメジョオンと区別できる。
写真を撮っていると、しばらく声を聞かなかった画眉鳥の声が聞こえて、急になつかしくなった。
この中国産の鳥は「それでいいよ、それでいいよ」と、大きな声でわたしたちを肯定してくれる頼りになる鳥である。
(2019-04 神奈川県川崎市、道端)





ハルジオン
(春紫菀、学名:Erigeron philadelphicus L.[1])は、キク科ムカシヨモギ属に分類される多年草の1種[2]。北アメリカ原産で、日本では帰化植物となっている。ヒメジョオンと共に、道端でよく見かける。一部の地域では「貧乏草」と呼ばれ、「折ったり、摘んだりすると貧乏になってしまう」と言われている。

分布
北アメリカを原産地とする[3]。日本を含めた東アジアに外来種として移入分布している[4]。

形態
多年草で、背の高さが30 - 80センチくらいになる[4]。

根元には篦型の根出葉があり、花の時期にも残ることが多い。葉と茎は黄緑色で、まばらに毛が生える。茎はあまり枝分かれせずに伸び、先の方で何回か枝分かれして、花をつける。花はヒメジョオンと同じく、細い舌状花を持つヒマワリのような花だが、白とピンクのものがある。また、ヒメジョオンより一回り花が大きい。

ヒメジョオンとの見分け方

上:ハルジオン(花弁の幅が細い)
下:ヒメジョオン(花弁の幅が太い)
ハルジオンとヒメジョオンは、花がよく似ていて混同してしまうことがある。 花びらの幅の違いで見分ければ直ぐに解る。1㎜以下の細い花びらがハルジオンで 約1.5㎜で幅が広いのがヒメジョオン。花びらの幅で見分けるのが一番解りやすく誰にでも簡単にできる方法。

標準的には、ヒメジョオンの方が背が高く、花は小さくて数が多く、根本がすっきりしている。これに対して、ハルジオンは背は低く、花は大きくて少なく、根本に葉がある。また、ハルジオンの蕾は下を向いて項垂れているような特徴がある。従って、しっかりと比べて見れば、はっきりと見分けがつく。

分かりにくい場合は、茎を折ってみるとよい。ヒメジョオンの茎には空洞がないが、ハルジオンの茎には真ん中に空洞がある[4]。葉の付き方も違い、ヒメジョオンの葉は茎を抱かないが、ハルジオンは茎を抱くように付く[4]。

最近では、デジタルカメラで花をマクロレンズで撮影する人が増え、花だけを拡大して写すことがよくある。そのような花だけの写真では、この両者の区別がとても難しい。標準的な花では、ハルジオンはヒメジョオンより花が一回り大きく、舌状花の数も多いので、見分けられるが、判断が難しい場合もある。

なお、ハルジオンとヒメジョオン以外にも、近縁のものがあるので、注意が必要。

また、花弁の白い部分がやや紫がかる個体が見られることもあるが、これは清浄な空気の中で育った時にできるものである。

生態
牧草地や畑、道端など窒素分の多い場所を好んで生育する[3]。花の時期は4-6月頃で、ヒメジョオンの6-10月頃よりも早い[2]。

利用
葉、茎、新芽や若芽、蕾など大半が可食部位となる。野草と同じように天ぷら、お浸しなどにして食べることが出来る。春菊のような苦みとアクの強さが特徴。

外来種問題
日本では1920年代に観賞用として持ち込まれた[3]。1980年代には除草剤に耐性のある個体が出現し、関東地方を中心に全国へ分布が拡大した[3]。

農作物や牧草の生育を妨害するため、厄介な雑草として扱われている[4]。さらに、在来の植物と競合し駆逐する恐れがある[4]。

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律により要注意外来生物に指定されている。また、日本生態学会では本種を日本の侵略的外来種ワースト100に選定している。

名前の由来
「ハルジオン」を漢字に直すと「春紫苑」となる。「春に咲く、キク科のシオン(紫苑)」という意味。

また、標準和名はハルジオンであるが、同類のヒメジョオンと混同して、ハルジョオンと呼ぶ間違いが見られる。見た目が非常に似ている上に、名前も紛らわしい。同じように、「ヒメジョオン」を「ヒメジオン」と呼ぶ間違いも見られる。

林の暗いところを好むシャガ

2019年04月26日 11時26分49秒 | 


林の暗いところを好むシャガ。
中国から渡来した帰化植物だが、すっかり日本の環境になじんでいる。
花弁の紫と黄色の模様は、蜂を蜜のありかに導く標識、ネクターガイドだという。
飛行場に着陸する信号灯を思わせる。
これについては次のページが面白い。
(2019-04 神奈川県川崎市、林)






シャガ(射干、著莪、胡蝶花、学名:Iris japonica)は、アヤメ科アヤメ属の多年草である。
特徴
人家近くの森林周辺の木陰などの、やや湿ったところに群生する。開花期は4 - 5月ごろで、白っぽい紫のアヤメに似た花をつける。花弁に濃い紫と黄色の模様がある。根茎は短く横に這い、群落を形成する。草丈は高さは50 - 60 センチ・メートル程度までになり、葉はつやのある緑色、左右から扁平になっている。いわゆる単面葉であるが、この種の場合、株の根本から左右どちらかに傾いて伸びて、葉の片面だけを上に向け、その面が表面のような様子になり、二次的に裏表が生じている。

分布と生育環境
シャガは中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である[1]。三倍体のため種子が発生しない[1]。このことから日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持ち、またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。したがって、人為的影響の少ない自然林内にはあまり自生しない。スギ植林の林下に見られる場所などは、かつては人間が住んでいた場所である可能性が高い。そういう場所には、チャノキなども見られることが多い。中国には二倍体の個体があり花色、花径などに多様な変異があるという。

名前について
学名の種小名はjaponica(「日本の」という意味)ではあるが、上記のように中国原産である。また、シャガを漢字で「射干」と書くことがある。しかし、ヒオウギアヤメ(檜扇)のことを漢名で「射干」(やかん)というのが本来である。別名で「胡蝶花」とも呼ばれる。