コデマリの花も華麗だ。
一見したところ、春の早い時期に咲くユキヤナギかと思わせるが。
この花も人々に好まれて、多くの俳句の季題になっている。
(2019-04 神奈川県伊勢原市、道端)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%AA(小手毬、学名:Spiraea cantoniensis)とは、バラ科シモツケ属の落葉低木。別名、スズカケ。中国(中南部)原産で、日本では帰化植物。
特徴
落葉低木で、高さは1.5mになる。枝は細く、先は枝垂れる。葉は互生し、葉先は鋭頭で、形はひし状狭卵形になる。春に白の小花を集団で咲かせる。この集団は小さな手毬のように見え、これが名前の由来となっている。日本では、よく庭木として植えられている。
コデマリの俳句を挙げておこう。俳句の世界では「小粉団」という表記も好まれる。
こでまりの花
こでまりが風に弾んで誕生日 池田文子
こでまりと酢飯の照りの間かな 金子皆子
こでまりにさす日まぶしみ夕疲れ 長谷川双魚 風形
こでまりに上衣の彩をうつし行く 長谷川かな女 雨 月
こでまりに夕かけし雨つのりけり 成瀬桜桃子
こでまりに根風の見えて雨近し 高井北杜
こでまりに端居の頃となりしかな 富安風生
こでまりに身の煩うかび消ゆるかな 八木林之助
こでまりに雨降らば降れ濡るるべし 成瀬桜桃子
こでまりのかすかに揺らぐ癒えたしや 大村富美子
こでまりのたのしき枝のゆれどほし 轡田 進
こでまりのはなの雨憂し傘雨の忌 安住敦
こでまりのふつと翳りし朝鴉 斎藤夏風
こでまりの千のこまりの子の忌かな 本宮鼎三
こでまりの愁ふる雨となりにけり 安住敦
こでまりの枝より透けて遠筑波 角川春樹
こでまりの花さき種痘よくつきぬ 金子伊昔紅
こでまりの花に眠くてならぬ犬 辻田克巳
こでまりの花のりかぬる寒さかな 八木林之介 青霞集
こでまりの花咲き吾子が駈け戻る 大町糺
こでまりの鉢買ふ提げるには長し 中村ふみ
こでまりの風を離さず弾みゐる 八幡より子
こでまりは白し子の髪剪り揃う 相葉有流
こでまりやあるじ些か仕事呆け 石塚友二
こでまりやおんなごころを描くごとし 板垣鋭太郎
こでまりやこの忌のいつも雨を呼び 鈴木真砂女
こでまりやその八重毬の虻の昼 木津柳芽 白鷺抄
こでまりや帯解き了へし息深く 岡本 眸
こでまりや床屋の裏の文士邸 赤沼登喜男
こでまりや盃軽くして昼の酒 波多野爽波
こでまりや耐ふるかぎりの雨ふくませ 前田しげ子
大でまり小でまり佐渡は美しき 高濱虚子
大でまり小でまり垣に鬼子母神 好本昌子
子沢山こでまりに風弾みゐる 藤田シゲ子
小でまりの一花づゝを賀の膳に 高野素十
小でまりの供華の仏に娘もをりて 加藤武夫
小でまりの愁ふる雨となりにけり 安住敦
小でまりの花に風いで来りけり 久保田万太郎 流寓抄以後
小でまりや裏戸より訪ふことに馴れ 高濱年尾
小でまりを活けたる籠も佳かりけり 楠目橙黄子 橙圃
心無垢の日もあり小でまり大でまり 名取思郷
急病の人こでまりの花かげに 岸本尚毅 舜
掛け衣桁こでまりの揺れ逢はずゐる 河野多希女 納め髪
池に降る雨こでまりを濡らす雨 岸風三楼 往来
薄暑来てこでまりの花散るを知らず 松村蒼石 雁
三人は家族の初め団子花 上田日差子
仲見世の空の明るき団子花 黒米満男
団子花つぶらに枯れて*もがれけり 石原舟月 山鵲
大手毬小手毬手毬ほろぶとも 矢島渚男
小手毬にものの文目の弾みけり 後藤比奈夫
小粉団の吹かれやすくて暮るゝころ 岸風三楼 往来
小粉団や寺の男の大あくび 指中 恒夫
花すぎし小手毬われを隠しけり 阿部みどり女
顔よせて鏡くもりぬ団子花 新田時子
一見したところ、春の早い時期に咲くユキヤナギかと思わせるが。
この花も人々に好まれて、多くの俳句の季題になっている。
(2019-04 神奈川県伊勢原市、道端)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%87%E3%83%9E%E3%83%AA(小手毬、学名:Spiraea cantoniensis)とは、バラ科シモツケ属の落葉低木。別名、スズカケ。中国(中南部)原産で、日本では帰化植物。
特徴
落葉低木で、高さは1.5mになる。枝は細く、先は枝垂れる。葉は互生し、葉先は鋭頭で、形はひし状狭卵形になる。春に白の小花を集団で咲かせる。この集団は小さな手毬のように見え、これが名前の由来となっている。日本では、よく庭木として植えられている。
コデマリの俳句を挙げておこう。俳句の世界では「小粉団」という表記も好まれる。
こでまりの花
こでまりが風に弾んで誕生日 池田文子
こでまりと酢飯の照りの間かな 金子皆子
こでまりにさす日まぶしみ夕疲れ 長谷川双魚 風形
こでまりに上衣の彩をうつし行く 長谷川かな女 雨 月
こでまりに夕かけし雨つのりけり 成瀬桜桃子
こでまりに根風の見えて雨近し 高井北杜
こでまりに端居の頃となりしかな 富安風生
こでまりに身の煩うかび消ゆるかな 八木林之助
こでまりに雨降らば降れ濡るるべし 成瀬桜桃子
こでまりのかすかに揺らぐ癒えたしや 大村富美子
こでまりのたのしき枝のゆれどほし 轡田 進
こでまりのはなの雨憂し傘雨の忌 安住敦
こでまりのふつと翳りし朝鴉 斎藤夏風
こでまりの千のこまりの子の忌かな 本宮鼎三
こでまりの愁ふる雨となりにけり 安住敦
こでまりの枝より透けて遠筑波 角川春樹
こでまりの花さき種痘よくつきぬ 金子伊昔紅
こでまりの花に眠くてならぬ犬 辻田克巳
こでまりの花のりかぬる寒さかな 八木林之介 青霞集
こでまりの花咲き吾子が駈け戻る 大町糺
こでまりの鉢買ふ提げるには長し 中村ふみ
こでまりの風を離さず弾みゐる 八幡より子
こでまりは白し子の髪剪り揃う 相葉有流
こでまりやあるじ些か仕事呆け 石塚友二
こでまりやおんなごころを描くごとし 板垣鋭太郎
こでまりやこの忌のいつも雨を呼び 鈴木真砂女
こでまりやその八重毬の虻の昼 木津柳芽 白鷺抄
こでまりや帯解き了へし息深く 岡本 眸
こでまりや床屋の裏の文士邸 赤沼登喜男
こでまりや盃軽くして昼の酒 波多野爽波
こでまりや耐ふるかぎりの雨ふくませ 前田しげ子
大でまり小でまり佐渡は美しき 高濱虚子
大でまり小でまり垣に鬼子母神 好本昌子
子沢山こでまりに風弾みゐる 藤田シゲ子
小でまりの一花づゝを賀の膳に 高野素十
小でまりの供華の仏に娘もをりて 加藤武夫
小でまりの愁ふる雨となりにけり 安住敦
小でまりの花に風いで来りけり 久保田万太郎 流寓抄以後
小でまりや裏戸より訪ふことに馴れ 高濱年尾
小でまりを活けたる籠も佳かりけり 楠目橙黄子 橙圃
心無垢の日もあり小でまり大でまり 名取思郷
急病の人こでまりの花かげに 岸本尚毅 舜
掛け衣桁こでまりの揺れ逢はずゐる 河野多希女 納め髪
池に降る雨こでまりを濡らす雨 岸風三楼 往来
薄暑来てこでまりの花散るを知らず 松村蒼石 雁
三人は家族の初め団子花 上田日差子
仲見世の空の明るき団子花 黒米満男
団子花つぶらに枯れて*もがれけり 石原舟月 山鵲
大手毬小手毬手毬ほろぶとも 矢島渚男
小手毬にものの文目の弾みけり 後藤比奈夫
小粉団の吹かれやすくて暮るゝころ 岸風三楼 往来
小粉団や寺の男の大あくび 指中 恒夫
花すぎし小手毬われを隠しけり 阿部みどり女
顔よせて鏡くもりぬ団子花 新田時子