最近まで、いたるところで花を開いていたテッポウユリ。白くすらっと伸びた花が開くと、ワクワクする。沖縄では自生しているというが、このあたりでは栽培種がときに野生化しているようだ。とくにタカサゴユリとの違いは見分けにくい。紫の線が入るかどうかは、個体によって違いもあるようだ。種子が風で運ばれていたるところで広がっているようだ。
(2019-08 川崎市 道端)
テッポウユリ(鉄砲百合、学名 Lilium longiflorum)は、ユリ目ユリ科ユリ属の多年生草本球根植物である。ラッパに似た形の筒状の花を横向きに咲かせる。
特徴
丈が 50cm-1m 程度に生長し、楕円形で長い葉をつけ、葉脈は水平方向に入る。原産地での花期は 4-6 月で、茎の頂上に純白で細長い花を横向きにつける。花長は 10-15cm、直径 5cm ほど、花弁が6枚あるように見えるが根元がつながっており筒状になっている。雌雄同花である。
本種は外見・生態上の特徴が後述の近縁種タカサゴユリに酷似するが、一般にタカサゴユリよりも小型であり、葉が太めで、花が白く筋などが入らない点で区別する。ただし、本種はタカサゴユリとの園芸交雑種が多く、変異も起きやすいとされ、違いが判別しにくい場合も多い。一般的に球根植物は乾燥に強いが、本種は、乾燥に弱い。
分布
日本の南西諸島および九州南部が原産で、本州以東では園芸用に移入されたものが分布する。沖縄県では自生種が群生する様子が見られる。