野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

見ごたえのあるシロバナヒガンバナ(園芸種シリーズ09)

2019年09月30日 10時01分24秒 | 

シロバナヒガンバナはシロバナマンジュシャゲとも呼ばれる。ヒガンバナの花が白くなったもので、ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種だそうである。黄水仙との交雑なので、黄色がかったものも多いらしい。園芸種のものは真っ白で、花の形が複雑なのとあいまって、とても見ごたえがある。最近では花壇だけではなく、いたるところでみかけるようになった。

(2019-09 川崎市 道端) 

 

シロバナマンジュシャゲ  白花曼珠沙華
[別名] シロバナヒガンバナ(白花彼岸花)
[中国名] 乳白石蒜 ru bai shi suan
[学名] Lycoris x albiflora Koidz.
ヒガンバナ科 Amaryllidaceae  ヒガンバナ属

 白花のヒガンバナで、ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種といわれている。ヒガンバナとほとんど同じで、花期には葉がなく、花茎の先に5~10個の花をつける。花は白色で、外花被片が3、内花被片3。雄しべ6、雌しべ1で、雄しべは長くて反り返った花被片から突き出る。いくつかの園芸品種があり、純白に近いものや、黄色又はピンク色の強いものなどがある。栽培品が逸出したものと思われる。
 鱗茎は卵形、直径約4㎝。葉は春に生じ、緑色、舌状、約長さ35円地×幅1.5㎝、中脈は不明瞭な淡色、先は鈍形。花茎は長さ約60㎝。散形花序は花が6~8個。総苞は2個、倒披針形、約長さ3.5㎝×幅1.2㎝。花被は蕾ではピンク色、普通、花時にクリーム色、後に白色になり、筒部は長さ約2㎝。裂片は反り返り、内面は少数のピンク色の縞を散在し、外面には赤色の中脈があり、倒披針形、約長さ6㎝×幅1.2㎝、縁は波打つ。雄しべは花被とほぼ同長又はわずかに長い。花糸は先が淡赤色。花柱は花被よりわずかに長い。柱頭はローズレッド色。花期は8~9月。 2n=16, 17, 18。
品種) 'Dorman' , 'Hikifunegawa' , 'Manatsu-no-Christmas'(純白) , 'Pink Cherry' , 'Rosea' , 'Shirobarahiganbana' , アルビピンク
[花期] 9月
[草丈] 30~50㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 田のあぜ、土手など民家の近く
[分布] 在来種 日本全土、済州島、中国


ユニークな形の濃紺の花を咲かせるカリガネソウ(高尾山シリーズ01)

2019年09月30日 09時30分53秒 | 

ユニークな形の濃紺の花を咲かせるカリガネソウは、花が雁に似ているということから名付けられた。ただ雁の形と言われても、ハテ?という人も多いだろう。別の和名ホカケソウのほうが、帆掛け船なら創造できるので、分かりよいかもしれない。突き出た雄しべが帆の形を思わせる。ハナバチがやってくると、穂の部分の花粉が背中につくという仕組みらしい。うまく考えたものだ。

(2019-09 東京都 高尾山 )

 

カリガネソウ(雁草、雁金草、学名:Tripora divaricata (Maxim.) P.D.Cantino)は、シソ科に分類される多年草の1種。ホカケソウ(帆掛草)とも呼ばれる。和名は花の形状が雁に似ている草であることに由来する。

かつては Caryopteris 属に分類されていたが、分子系統解析によりこの属は多系統であると分かったため、単型属 Tripora に分離された。

分布
東アジア(日本、朝鮮半島、中国)に分布する。

日本では北海道、本州、四国、九州の山地に自生する。

特徴
よく日が当たるが乾燥しない場所を好み、夏場に草丈 80cm 前後に生長する。葉は対生し、広卵形で縁にギザギザがある鋸葉である。生長し開花期が近づくと独特の匂いを放つ。

花期は8-9月、葉腋から集散花序を伸ばし、青紫色で球状のつぼみをつけ、上写真のような花を咲かせる。5枚の花弁は凹形で縁がひだ状になり、上に2枚、下左右へは各1枚ずつ大きく広がり、下側の花弁が舌状になり紋様が入る。花柱と雄蘂は花の上に伸び、その先が花の手前に回り込むように垂れる。

ハナバチなどの花粉を媒介する虫が花を訪れると、左右の花弁に脚をかけるようにして留まるが、花に虫の重みが加わると花序が垂れ下がって花が首をもたげるように角度を変え、虫の背中に花粉と柱頭が付いて花粉を付けるとともに受粉する仕掛けになっている。

秋深くになると、萼の中に黒く小さな種子が2-4個ほど結実する。


花の形も彩もキュートなキツネノカミソリ

2019年09月30日 07時10分25秒 | 

森林公園の林の陰で咲いていたキツネノカミソリ。ヒガンバナ科の花らしい目をひく彩だ。学名のsanguineaは、「血のように赤い」の意味だ。花の形もキュート。和名の由来は細長い葉がカミソリに似ているというのだが。

(2019-09 川崎市 森林公園) 

 

 

キツネノカミソリ

キツネノカミソリ(狐の剃刀、学名:Lycoris sanguinea)はヒガンバナ科の多年生草本球根植物である。クロンキスト体系ではユリ科に分類される。

解説
明るい林床や林縁などに自生する。早春のまだ他の草が生えていないうちに、狭長の葉を球根から直接出して球根を太らせ、多くの草が生い茂る夏頃には一旦葉を落とす。

盆(8月なかば)前後になると花茎を 30-50cmほど伸ばし、先端で枝分かれした先にいくつかの花を咲かせる。雌雄同花で花弁は橙色が6枚。

本種には、結実するものと、しないもの(三倍体、2n=32)がある。

葉の形や花と葉を別々に出すところ、有毒植物である点ではヒガンバナと共通するが、花の形および葉と花を出す時季は異なる。

毒成分はリコリンなど。外用で薬とすることもあるが、決して口にしてはいけない。