<雑草もまた美しい:鎌倉中央公園>
閑話休題:雨に降り込まれて
2010年5月29日(土).雨
朝から雨.そして,随分と寒い.
昨日(5月28日),五十三次洛遊会臨時例会で散策した芦ノ湖西岸遊歩道の資料をまとめるために精を出す.まずは,散策途中で撮影したデジカメの映像を,外付けの固定ディスク上にバックアップファイルを作る.次いで,散策中のラップタイムを整理する.
パソコンに飽きると,今度は描きかけの絵を眺める.そして,一筆,二筆と色を重ねる.
そんなことを繰り返していると,瞬く間に午前中が過ぎ去っていく.
そして昼食.
午後,また絵の前から動けない.ここが悪い,あっちの色が薄い・・と,心の中でぼやきながら,性懲りもなく同じことを繰り返す.
窓外に目をやる.相変わらず小雨が降っている.これでは,いくら“外へ出たい病”の私でも,ちょっと外出する気にならない.私は,心の中のもう一人の私に,
「もう少し,絵を塗りたくってから,チョットだけ外を歩こうよ・・」
と話しかける.すると,
「家の中で何時までもウジウジしていると気が滅入って仕方がないよ・・もうそんな絵なんか放り出して,公園でも散歩しようよ・・」
と,もう一人の私が反発する.
それでも,暫くの間,私は絵を眺めては,色を塗りつづける作業を繰り返す.
その内に,何となく,“この絵は,この辺りで,一旦,お仕舞いにしよう”という気分になる.
「この絵は,暫く,放置しておこう.また,その気になったら,仕上げることにしよう・・」
私は中途半端な絵を,ほっぽり出して,次の絵を描きたいなと思い始めている.すると,心の奥底に寄生虫のように巣くっているもう一人の私が,
「・・・大体,この絵は,ただ風景を描いただけじゃないか.・・・もっと,その,何て言ったらいいのかな.・・要するに,描き手のお前さんの感情っていうか,まあ,要するに,個性がないんだなぁ~・・.青っくさい絵なんだよ・・・」
とうそぶく.私は,気分を害して,もう一人の私に噛みつく.
「お前さんに言われなくたって,俺の絵が青っくさい絵だってことは分かってるよ.そりゃ,絵にはストーリーがなくてはいけないし,大向こうに訴求する何かが表現されていなければならないことぐらい,百も承知しているよ・・・でも,どうやったらそんな絵が描けるのかがまだ分からないし,まだ,絵を始めたばかりなんだ.まだ思うように描けなくたって仕方がないじゃなか・・・」
私はイライラしながら主張する.
途端に,私の故郷,長野県小諸にある小山敬三美術館で見学した浅間山の絵を思い出す(このブログでも何回も取り上げた).
私は自分の力量のなさに,みぞおちが酸っぱく押されるようなイライラ感に襲われる.それにしても,もう少し自分自身が抱いている“思い”を叩き付けたような鮮烈な絵を描きたいものだ.
私は,このイライラ感,ジリジリ感から,一刻も早く抜け出したくなった.
「・・・今日はもうやめた・・散歩に出るぞ・・」
2010年5月30日(日) 曇
■久々の座学
今日の天気も曇.
この所,どうもスッキリしない天気が続く.運動不足になるのではないかと気になって仕方がない.焦らずにユックリ足を治してから山歩きをしなさいと自分自身に言い聞かせているが,どうしても焦り心が芽生えてくる.こんな焦りの芽と摘み取ってくれるのが雨.だから思い切り雨が降ってくれる方が,外出する気持ちを抑えられるので,むしろ歓迎すべきである.
・・で,今日は晴雨にかかわらず,前々から,終日お勉強をすることになっている.“サンデー毎日の身で何の勉強だよ”って言われてしまいそうだが,実は前々から,鎌倉の社寺史跡の講習会を受ける予定が入ってる.会場は鎌倉裏駅近くの商工会議所会議室である.御前10時から午後5時まで,みっちりと講義を受ける.
久々に長時間の講義を拝聴するのは,実に大変である.むしろ講義を受ける方が,講義をする方より疲れるのではないかと思うほどしんどい.とはいえ,自らが講義を聞きたいなと思っている方々だけが集まっているので,会場は終始シ~ンと静まりかえっている.
日頃,何気なく訪れている鎌倉の社寺の故事来歴を拝聴している内に,鎌倉の歴史の襞がとても深くて,魅力に満ちあふれていることに気付かされる.改めて,鎌倉に住んでいて良かったなと思う.
17時少し過ぎに講義が終わる.
鎌倉市役所前17時25分発のバスに乗車する.乗客はたった3人だけ.何とも寂しい.寂しいだけでなく,乗客が少ないのでバス路線が廃止されるのではないかと心配になる.
■賑やかな食卓
18時前に帰宅.
玄関に小さな子供靴がちょこんと置いてある.横浜在住の長男夫婦が可愛い孫娘を連れて遊びに来ている.孫は画用紙を持ち出して,画用紙に向かって何かを一生懸命描いている.絵の具の色から,どうやらアジサイの花を描いているようである.
「アジサイの絵だね,綺麗だね・・」
と小学2年生の孫に話しかける.
「うん,アジサイだよ・・」
孫娘は元気に答える.
暫くすると,北鎌倉に住む長女一家が孫2人を伴って来訪.合計,娘息子夫婦4人プラス孫3人が,期せずして我が家に集合する.
かみさんと長男の嫁が夕食の準備をする.
アルコール分ゼロのビールを含めて,大人は乾杯.10人の大家族が揃って手作りの料理を囲む.孫達に囲まれていると,こちらも若返ってくるような気分になる.また,孫の1人が,絵に興味を持ってくれるのもとても嬉しい.
長男が孫娘に,
「今度,おじいちゃんと一緒に山へ行こうね・・・」
と話しかける.私にとっても嬉しい誘いである.
「良いね,・・何処の山へいこうか・・?」
「鍋割山ぐらいが良いかな・・?」
「よ~おし・・・決まり!!」
まだ,日程は決めていないが,孫と一緒に山登りができるなんて,何とも嬉しいきわみである.
楽しい夕食の時間はまたたくまに過ぎていく.
21時頃,それぞれの家族が引き上げていく.再び爺さん婆さん2人だけのポツネンとした日常に戻る.
こうなるともう眠くて仕方がない.風呂に入るのも面倒になり,そのまま就寝する.
晴れたら晴れたで・・・また,ボヤキ
2010年5月31日(月).晴.
■素晴らしい日の出
スッキリとした気分で,4時頃起床.
天気が良い.
2階の自室から東の空がだんだんと明るくなってくるのを見ながら,甲州道中四十五宿の第2回目の記事を,自分のブログにアップする.
4時52分,キラキラと輝く太陽が,東の空に登り始める.鎌倉中央公園の森の間からの日の出である.うっかり網戸を開けるのを忘れて撮影したので,ハッキリとは写っていないが,久々の素晴らしい日の出である.
■孫の効用
昨夜,孫達と戯れたのが利いたのか,あれほどのイライラ感,ジリジリ感でさいなまれていた絵のことが,気にならなくなる.もう一度,描きかけの絵の前に座り直す.そして,細々としたところに手を入れ始める.
今の心境は,
「所詮,お前は駆け出しの新人ではないか.自分の力量,器がどの程度かを自覚して,少しでも訴求力のある絵を描くように努力したらいいじゃないか・・」
である.
気分が楽になると,同じ絵を見ていても,手を入れたくなるところが,ドンドンと見えてくる.私は夢中で絵を描き始める.そして,瞬く間に午前中が過ぎ去っていく.
ある程度まで手を入れると,一応,自己満足できるところまで来たなという実感がわいてくる.
「まあ,この辺りで一応は良いかな・・?」
と思えてくるから不思議である.私はこの絵にフレームをあてがってみる.
「まあ,こんなところかな・・・」
私は画面右上から左下へ流下するメールドグラス氷河とその向こうに聳えるグランジョラスの山並,それに待避するように鋭くギザギザにえぐられた濃い影の山,これらに自分の人生を重ね合わせて,この絵を描いている.
この際,絵の上手下手は,どうでもいいやという心境になっている.
この出来損ないの絵でも,これを眺めていると,この氷河を歩いたときの感激が,つい昨日のことのように,心の中に沸々と蘇ってくる.
■鎌倉中央公園を抜けて・・
こんな素晴らしい日の出を眺めていると,今日にでも塔ノ岳に復帰したくなる.でも,はやる心をジッと抑えて,もう少し足の状況を確かめたほうが良かろうと,自分自身に,繰り返し,繰り返し,言い聞かせている.
昼食後,とにかく散歩に出る.
素晴らしい天気.こんな日には,フラワーセンター大船の芝生でゴロゴロしていたいが,月曜日は休館日.残念.
とにかく,鎌倉中央公園を横切って,大船まで出掛けることにする.今日は,思い切って,歩行速度を速めて歩いてみたい.まだ,足は完全に復帰していないが,どうやら平常時の80パーセント程度の速歩をしても支障がないことが確かめられた.実に嬉しいことである.
鎌倉中央公園は新緑で美しい.昼下がりの公園は幼児を連れた家族で賑わっている.
■ブラブラと大船へ
大船駅前に到着するが,歩くのが目的なので,大船で特段することもない.そこで,例によって,大船駅前のファーストキチンに立ち寄ってブレンドコーヒーを味わう.ここの顧客筋は,相変わらす中高年のオバサンや,幼児を連れた母親が主体のようである.
帰りはズルをしてバスを利用する.
それで,結局,5月の山行は・・・
いろいろあって,5月の山行結果は以下の通りだった.慚愧に堪えない結果である.
5/ 3(月) 塔ノ岳(17) 単独山行
5/ 6(木) 鎌倉散策 十王岩グループ
5/ 8(土) 甲州道中四十五宿(第1回) 小田急トラベル
5/10(月) 鎌倉天園ハイキング 単独散策
5/13(木) 塔ノ岳(18) ※大船駅前で右足脹ら脛肉離れにより中断
5/22(土) 城ヶ島周遊 鎌っこ倉ぶ
5/22(水) 甲州道中四十五宿(第2回) 小田急トラベル
5/28(金) 箱根;芦ノ湖西岸遊歩道 五十三次洛遊会
(おわり)
「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4ba5d657c6dcdef49d80ea108f972a08
「閑話休題」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/71b8ff83d5d78600c7decf11b5fc53c4
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