中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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オーストリアの山旅:第3日目(1);ギャイトアルム小屋出発

2014年07月22日 10時40分30秒 | オーストリア;ダハシュタイン山群トレッキング

                                  <ギャイトアルム小屋から歩き出す>

    オーストリアの山旅:第3日目(1);ギャイトアルム小屋出発
          (アルパインツアー)
         2014年6月26日(木)~7月7日(日)
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第3日目;2014年6月28日(水) 

<ルート地図>

■ダハシュタイン山群の位置


■ダハシュタイン山群縦走地図(1);ギャイトアルム小屋→ケーブル山麓駅


■ダハシュタイン山群縦走地図(2);ケーブル山麓駅→シュラードミング


<ギャイトアルム小屋の朝>

■ホメオスタシス機能低下?
 何時頃か良く分からないが,夜中に1回トイレに行く.
 部屋の環境は,山小屋としては決して悪くはないが,一旦外へ出てから,部屋に戻ると,ムッとする息切れを感じる.それに,男女8人が一つの部屋に寝ていると,絶えず鼾の交響曲が聞こえてくる.多分,自分も交響楽団の有力な一人だと思うので,あまり愚痴は言えないが,結構な音である.そんなこんなにまだ時差ボケが重なっていて,なかなか熟眠できないのが悩みである.
 睡っているような,睡っていないような状態が,結局,夜明けまで続く.その内に,何人かが起き出す.
 6時丁度,その音に促されるように私も起床する.この小屋の標高が高いためか,後頭部に若干の違和感を感じる.血圧も標準値を少し超える程度のところで高止まりしている.決して,体調が良いとは言えない状態である.
 私には靱帯の仕組みについては良く分からないが,どうも加齢によって,ホメオスタシス機能がだんだんと弱まっているような気がする.ホメオスタシスって,ちょっと専門用語かも知れないが,私は一般システム理論を勉強する過程で知った言葉であり,日本語では恒常性維持とでもいうのだろう.要するに,例えば外気温がどんなに寒くても暑くても,またどんなに時差があろうとも,自分の体調を平常通り(つまり恒常的)に自動制御できる機能のことである.
 “今朝の私の体調のようになってしまうことを加齢って言うんだな…”
と私は勝手に解釈する.
 とはいえ,旅先で何となく体調が優れなくなるのは,何も今始まったことではない.ここ数年来,海外の高山に行くたびに,程度の差こそあれ,ずっと体験してきたところである.まあ,私は昔から特に時差ボケには弱かったから,今朝,多少体調が悪くても,私自身大した心配はしていない.
 “まあ…そのうちに何とかなるだろう…”
ということで,心配するのを止める.
 もう一度,トイレに行く.多少の渋り腹だが,下剤を服用しなければならないほどではない.
 “旅の朝は,まあ,こんなものか…”
で気にしないことにする.

■美しい牧場の朝
 まだ朝食まで少し時間がある.
 山小屋のテラスに出てみる.外のキリッとした冷気に触れて,眼がスッキリと醒める.
 テラスからは,朝露で濡れた花の向こうに牧場が広がっているのが見える.牛たちがもう草を食(は)んでいる.遠くの山は朝日に輝いている.どうやらこの辺りの山は石灰岩でできているらしく,所々に白い岩肌が露出しているのが見える.まるで残雪と見間違えるほどである.
 外気が何度あるか分からないが,多分15℃前後ではないかと思う.羽織る物を持たずに外へ出ると,次第に寒くなる.
 7時から朝食である.
 6時半を少し廻ったところで,一旦部屋に戻って,身支度を調える.
<テラスから牧場を望む>

■爽やかに朝食
 6時50分頃から朝食である.
 山小屋らしく簡素なメニューである.バイキング方式.私の朝食は下の写真の通りである.
 まずはオレンジジュース.それにコーヒー.オートミールにパン.それと野菜類を少々,リンゴ1個.私にはこの程度の朝食で十分である.
 昼食の弁当は,自分でバイキングに出ている品物から適当に選んで作ることになっている.私は御弁当用に,パン1個野菜少々,チーズ少々,リンゴ1個を選び,備え付けの銀紙にこれらを包んで一丁上がりとする.

<朝食>

<いよいよトレッキングだ>

■朝のストレッチ
 7時45分,支度を整えて,山小屋の前に集合する.
 ツアーリーダーのYDさんが音頭を取って,頭の先から足の先まで念入りにウォームアップのストレッチを行う.
 私の勝手な判断だが,リーダーがどんなストレッチをするかで,私のリーダーへの信頼度は異なってくる.勿論,私の自己流の判断なので客観性はないが…
 今回のストレッチは手順や内容が,山学校に通っていたときに習ったストレッチのやり方と殆ど一緒である.こんな他愛のないことからも,私がリーダーに寄せる信頼感は大いに高まってくる.
 “やっぱり,アルパイン社のツアーリーダーはシッカリしているな…”
これが私のトレッキング開始時の第一印象である.

<ツアーリーダーの音頭でストレッチ>

■トレッキング開始
 ストレッチを終えて,8時02分,いよいよ歩き出しである.
 先頭は現地ガイドのWGさん,末尾はツアーリーダーのYDさんである.
 「足が弱い方は,前の方に来て下さい…」
とリーダーが言うが,参加者の中で自分の足が他の方と比較して,弱いか強いかは少し歩いてみなければ分からない.
 今回の参加者の中には,アコンカグアを初めとして,世界中の山に登ったといわれる山の猛者が居られるようである.気の弱い私は,せめて皆さんの足を引っ張ることだけは避けたいなと思っている.
 結果的に歩き始めは先頭でもなく後ろでもなく真ん中辺りでウロウロすることにする.
 歩き始めは,ケーブル駅から下った坂道を逆に登る.
 8時12分,坂の途中の分岐で,右側の谷筋に入っていく.いよいよ約10日間にわたるトレッキングの開始である.

■ダハシュタイン山群縦走トレッキングの概要
 私たちは,これから2日間掛けて,ダハシュタイン山群を縦走する予定である.トレッキングコースの概要は冒頭の地図の通りである.
 第1日目の今日は,ギャイトアルム小屋(標高1,139メートル)から,南へ水平距離約8.6キロメートル先のプラインターラー小屋(標高2,146メートル)まで歩く予定である.累積登攀高度は約500メートル,累積下降高度は約100メートルのコースである.
 2日目の明日は,小屋~歩き出して,西へ向かう.途中約200メートルの坂道を登って小ピーク,グリュベル(Gruber,標高2,358メートル)を越える.一旦,標高2,282メートルまで下ってから,なだらかな登り道を進む.途中から氷河を歩いてプラインターラー小屋から約7キロメートル離れたところにあるケーブル山頂駅に到着する.ケーブルで山麓駅まで移動した後,路線バスに乗って,シュラートミンクへ向かう予定である.累積登攀高度約210メートル,累積下降高度約200メートルのコースである.
                                      (つづく)

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「オーストリア山岳トレッキング」の目次
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