中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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アンデス・ブランカ山脈紀行;第5日目(4);トレッキング1日目;パリア谷出会幕営地;第5日目の総括

2016年10月29日 03時18分22秒 | ペルー;ブランカ山群トレッキン

                          <パリア谷出合幕営地からリンリヒルカを望む>

  アンデス・ブランカ山脈紀行;第5日目(4);トレッキング1日目;
                   パリア谷出会幕営地;第5日目の総括
           
(アルパインツアー)
       2016年9月6日(火)~16日(金)

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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9b3ba9c2261b0d23cfb4d66411424876

第5日目;2016年9月10日(土) 

<ルート地図>


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<パリア谷を遡る>

■いよいよ午後の部が始まる
 青空食堂で昼食を摂る.
 食後,現地スタッフが要領よくテーブル類の後片付けをしている.
 食事を終えた私達は,13時40分,午後の部のトレッキングを開始する.
 今日のコースはそれほど急な登り下りはないが,なにせ富士山の山頂より高い所の上,まだ身体が時差ボケに馴れていないので,予想以上の疲労感がある.ただ,疲労感といっても歩くのがイヤになるほど強いものではない.
 私達は現地ガイドを先頭に,実にユックリとしたペースで歩き始める.当たりは広々とした河川敷である.

 
<食事を終えてテーブル類を片付ける>              <広々とした河川敷を歩く>

■絵になるウマの隊列
 行く手には深い谷が待ち構えている.谷の向こうには残雪で真っ白な高山が連なっている.
 14時10分,5頭のウマ(ロバかな?)の隊列とすれ違う.ウマたちはかなり沢山の荷物を背負っている.谷間の土道を一列になって歩いているウマは,廻りの風景にうまく溶け込んでいて,私の絵心をくすぐる.
 ”この風景も是非水彩画にしたいな…”
と思いながら写真を撮る.

<ウマの隊列とすれ違う>

■前方に尖鋒リンリヒルカが見える
 下の写真は14時26分に撮影したものである.
 私達は湿原のような河川敷から少し高いところにある乾いた道を歩いている.先頭は勿論現地ガイド.その直ぐ後に,私達のペースメーカーになっている女性が続く.この女性がユックリペースで歩いてくれるので,疲労感のある私は掬われている.
 私達が進む前方には,真っ白な山が聳えている.ガイドの山の名前を聞く.
 ガイドの解説によると,雪を抱く尖鋒はリンリヒルカ(Rinhrijirca,標高5,810メートル)である.また,リンリヒルカに向かって左側にコントライエル・パス(手持ちの地図では所在不明;標高5,510メートル)があるという.
 山の名前の発音は,何度も,何度も,聞き返したが,どうもハッキリ聞き取れない.
 歩いている内に,私は下腹部の鈍痛を感じ始める.時間が経つにつれて腹痛がだんだんと強くなり始める.

<前方にリンリヒルカが聳える風光明媚な道を歩く>

■木陰で休憩
 14時50分,木陰で休憩を取る.
 相変わらず腹痛が続く.私は現地ガイドに,
 「今日の終点の幕営地まで,後,何分ぐらい歩くの…?」
と聞く.拙い英語で…
 「うん,まあ,この調子だと,後,40分ぐらいかな…」
 40分で幕営地に到着するんだったら,腹痛も我慢できそうである.
 休憩を終えて,15時丁度に歩き始める.あと,幕営地まで1ピッチである.
 15時09分頃,川の左岸沿いの道をひたすら歩き続ける.
 
<木陰で休憩>                             <川沿いの道>

■川を渡る
 幕営地に近付くにつれて,だんだんと上り坂が急傾斜になり始める.高度障害,時差ボケ,腹痛の三拍子揃った私には,結構きつい坂道である.
 それでもめげずに登り続けて,15時30分,木橋を渡る.この橋は丸太造りである.原始的な橋だが,手すりもちゃんとついている.なかなかどうして,立派な橋である.

<木橋を渡る>

<パリア谷出合>

■幕営地に到着

 15時49分,本日の宿泊地であるバリア谷出会幕営地に到着する.
 広々とした平原に何張かのテントが立ち並んでいる.
 ”やれ,やれ,やっとご到着だ…”
 前方にはピラミテ(Nev.Piramide;標高5,885メートル;左の山),パロン(Paria;標高5,600メートル
)が聳えている.左に目を転じるとV字型の谷間の向こうにチャクララフ(Chacraraju;標高6,112メートル)が聳えている(冒頭の写真).何とも贅沢な風景である.

<バリア谷出合幕営地に到着>

■まずは自分のテントに落ち着く
 今夜はEDさんと2人で一緒のテントである.
 テントの中にリュックを放り込んで,まずはトイレテントへ急ぐ.
 尾籠な話で恐縮だが下痢.多分,高度障害で消化不良になったものと思われる…が,医師出ないので本当のことは良く分からない.
 とにかくお腹を空ッポにしたら,下腹部の不具合は解消してしまう.
 落ち着いたところで,現地スタッフが洗面器に熱いお湯を注いでくれる.有り難い.これで顔や手を綺麗に洗うことができる.

<自分のテントに収まる>

■食事テントでコーヒーブレーク
 16時40分頃から,食事テントでコーヒーブレーク兼打合会が開かれる.
 全員が食事テントに集まる.ツアーリーダーのIBさんが日本から持参した紅茶,日本茶などが振る舞われる.
 ここは富士山山頂に匹敵する高所である.日中は暖かだったが日が陰りはじめると,途端に気温が下がり始める.テントの中に居ても寒くなる.
 IBさんがパルスオキシメーターを順繰りに全員に回して血中酸素濃度と脈拍の測定をさせる.これらのデータはツアー会社から高所ナントカ研究所に提供され,研究に役立たせるとのこと.
 今回の私のデータは,
     血中酸素濃度     87パーセント
     脈拍                        80回/分
である.
 この値は,他の方に比較して,決して悪い値ではないが,平素に比較して,脈拍がヤケに多いのに驚く.そういえば,今日の行程は大した上り坂もほとんどなく楽なコースなのに,かなりの疲労感があったのは,やっぱり,ここが高所だったからかもしれない.もっとも時差の影響も否定できないが…

<食事テントでコーヒーブレーク>

<パリア谷の夜>

■素晴らしい夕暮れの風景

 食事テントでは夕食の支度が始まるので,17時35分,一旦お開きになる.
 食事テントから外へ出てみると,外は寒々とした夕暮れになっている.目の前のは鋸の刃のように幾つものピークが連なる山が見えている.夕暮れのピラミデからハロンに連なる尾根だ.
 ”厳しい山だな…それにしても凄い眺めだ…”
 私が8年前に登ったピスコ山(標高5,752メートル)は,ここからは見えないが,目の前の山脈の左側に聳えている筈である.私はピスコ山に登ったときのことを思い出しながら,夕暮れのピラミデを眺めつづける.

<夕暮れのピラミデ(左),ハロン(ハロン)>

■夕食
 18時30分から夕食である.
 再び食事テントへ移動する.テントの中も決して暖かくはないが,外は更に寒い.駆け込むようにして,食事テントに入る.テントの中はほんのちょっぴり外より暖かである.
 夕食はスープ,野菜,ソーセージなど.IBさん提供のふりかけなどを,ライスに振りかけて,そそくさと,胃袋に放り込む.
 ただ,ここは高所なので,食べ過ぎると覿面に消化不良になり,腹が痛くなる可能性がある.それよりも,食欲そのものが低地に居るときに比較して,だいぶなくなっている.そんなことをあれこれと勘案しながら食事の量を加減する.
 また血中酸素濃度の測定がある.私は,
    血中酸素濃度     91パーセント
    脈拍           75回/分
である.
 さきほどのコーヒーブレークの時に比較すると,大分落ち着いてきたようである.
 
<スープ>                                  <メインディッシュ>

■明日の行動予定
 夕食後,IBさんと現地ガイドの2人から明日の行動予定の説明がある.
 明日は時起床.朝食後,6時30分頃,歩き出し.今回のトレッキングのハイライトであるウニオン峠を越えてタウリバンパまで下る予定である.
 19時頃,お開きになる.

■早々と就寝
 トイレを済ませ,早々に自分のテントに引き上げる.
 すぐに自分のシュラフに潜り込む.貸与されたシュラフは,中の綿がちょっと偏っている.シュラフの中に入って仰向けに寝ると胸から腹の上にあるべき綿が横の方にずり落ちている.
 トレッキング中は着の身着のままでシュラフに入っているが,綿がずり落ちているシュラフでは,夜中にさくくなるかもしれないと,ちょっと気になる.でも,何となく疲労気味で,あれこれするのが面倒なので,そのまま就寝する.
 こうして,ペルーの度5日目,トレッキング初日は,ナントカ無事に終わる.

[第5日目の総括]

<歩行距離と標高の概念図>


<ラップタイム>

 4:10  ケウッシュ発(専用車)
 6:01  展望の良い場所(6:22まで展望休憩)
 6:48  ウニオン峠通過
 7:59  ヴァケリア(朝食)
    ----------------------------------------
 8:58  ヴァケリア歩き出し
 9:24  小川を渡る
10:05  集落の休憩所(10:16まで休憩;血中酸素濃度測定)
10:44  コルカバンバ(10:46まで休憩)
11:20  市場(11:32まで休憩)
12:17  ワスカラン国立公園事務所(12:28まで休憩)
12:46  川を渡る
12:49  広場着(13:40まで昼食)
14:50  木陰(15:00まで休憩)
15:49  バリア谷出合幕営地着

[専用車による移動記録]

■水平移動距離(概算)
 ケウシュ→ヴァケリア                52.5(km)
 
■累積登攀高度(概算)            
   ケウシュ→ヴァケリア                           200m
   (3,500m)    (3,700m)

■累積下降高度
(概算)                             0m
  
所要時間(休憩時間込み)
   ケウシュ発                  4:10 
   ヴァケリア着                 7:59
  (所要時間)               3時間49分(3.82h)
 平均移動速度        
      52.5km/3.82h=13.7km/h

[歩行記録]

■水平歩行距離(概算) 
   ケウシュ→コルカバンバ                        7.0
  コルカバンバ→パリア谷出会                 8.0
  -----------------------------------------------       
   (合計)                    15
.0 
 
■累積登攀高度(概算) 
   コルカバンバ→パリア谷出合             500(m)  
   (3,300m)           (3,800m)

■累積下降高度
(概算)
  ヴァケリア→コルカバンバ                     400(m)
   (3,700m)     (3,300m)

■上り所要時間
(休憩時間込み)
 コルカバンバ発                                    10:46
 パリア谷出合着                                   15:49
 (所要時間)                              5時間03分(5.1h)
 登攀速度                                500m/5.1h=98m/h
 水平歩行速度                          8.0km/5.1h=1.57km/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
 ヴァリケア発                                          8:58
 コルカバンバ着                                    10:44
 (所要時間)                             1時間46分(1.77h)
 下降速度                400m/1.77=226m/h    
 水平歩行速度                          7.0km/1.77h=3.95km/h                    
  ※歩行記録のすべては概算値で,あくまで目安に過ぎない.
                                                                                (5日目終わり)
                                     (6日目に続く)

つづき(6日目)の記事
  ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/83f1352c5d0c370ff5ab62990c711ab2

「ブランカ山群トレッキング」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3ac14bd1d44b99a378555e26864f76b7
「ブランカ山群トレッキング」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9e3ba704d9bf4f7278473747420c4534

[参考資料]
ペルー周遊記(ピスコ山登頂);インデックス
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f78082280c7a6bb87b1810478b6786ea

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