中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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水彩画;『山頂を目指して(丹沢・塔ノ岳)』(40号)

2017年05月06日 03時12分54秒 | 趣味三昧:セピア色の画集

     水彩画;『山頂を目指して(丹沢・塔ノ岳)』(40号)
       (2017神奈美公募展出展作品)

     開催期間;2017年4月4日(火)~9日(日)
     開催場所;神奈川県民ホール

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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e8408ca710a63ba5a5606fc86513e1e3

 今回の展覧会には水彩画を3展出展した.
 今回は,その3枚の中の2枚目の作品を取り上げる.
 この作品の大きさもF40号.展覧会に出展されている作品の中では,小さい作品である.前回も言い訳をしたが,自宅の狭いスペースで作成するには,この程度の大きさが限度なのが残念である.
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 さて,今回取り上げる絵は,お馴染みの丹沢;塔ノ岳である.
 塔ノ岳は,僭越ながら,いわば私のホームグラウンドのように馴染みの山である.以前は毎週2回程度の頻度で登っていた山である.でも.現在は,諸事に多忙で週2回の登山は少々無理.とはいえ.他の用事とバッティングしたり,雨でも降らない限り,毎週,土曜日には必ず登るようにしている.
 こんな調子でかれこれ20年以上も塔ノ岳に通い詰めているので,正確に登山回数をカウントしているわけではないが,多分,今年の初め頃,塔ノ岳登山回数が累計1000回を越えたと思われる.
 累計1000回登頂というと
 ”…凄いな!!”
と思われる方も居られるかも知れない.
 ところがギッチョン…である.
 常連の中には電車の定期券を購入して毎日のように塔ノ岳に出掛けている人も居られるし,週に2~3回登っている方も沢山居られる.そんな中で,累計1000回になんてハナクソのようなもので,やっぱり累計2000回を越えないと,話題にもならない.
 塔ノ岳に繰り返し登っている間に,何時の間にか顔と名前を覚えてしまった常連の方は多分30~40人は居ると思う.
 何時の頃からか定かではないが,毎土曜日,塔ノ岳から下山後,居合わせた常連と一緒に,小田急線渋沢駅ビル1階の某コーヒーショップで,コーヒーを賞味しながら,ほんの一時他愛もない雑談をする…これがとても楽しくて,土曜登山に弾みが付く.
 そんなあれこれで,私は,春夏秋冬を問わず,せっせと塔ノ岳詣でを繰り返す.
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 閑話休題.
 ところで,この絵は,残雪の大倉尾根を経由して塔ノ岳に登る途中の風景を題材にした.
 この絵のモチーフになった場所は,萱場平からの階段道を終えてガレ場に入ったところの上位である.
 残雪はそれほど多くはないが,ところどころ残雪が凍結していて滑りやすくなっている.そこを慎重に登っていく様子を,この絵で表現したかった.
 この絵では意識的に空は描かなかった.坂の上の方は薄暗いがずっと続いていることだけは分かる.
 赤いリュックを背負った登山者は,勿論架空の人物だが,私自身を二重写しにしているつもりである.
 この絵で空を書かなかったのは,行き先が定かに見えない自分の人生を二重写しにしたかったからだ.正に現実の私の人生のもどかしさと,方向のあやふやさをあらわしたかった.そして,何とか青空を拝啓に聳える山頂が見える所までまだ登り着きたい.そんな願望を二重写しにしながら,この絵を画いている.
 大倉尾根も花立山荘まで登る着けば,素晴らしい眺望が開ける.
 人生にたとえるならば,私は,今,花立階段に取りついたあたりを歩いているんだろうか.もしそうならば,今から,厳しい花立階段を登り切らなければならない.
 ”シンドイから,花立階段の下で,登るのを諦めて下山しようか…”
 ”せっかくここまで登ったんだから,せめて花立山荘まで登って,美味しいうどんでも食べてから下山しようよ…”
 ”何を言っているんだ.折角だから塔ノ岳山頂まで登って,素晴らしい眺望を堪能しようじゃないか”
 私は内心で,もっと登ろうか,それともこの辺りで下山しようかで葛藤している.
 こんな感じで,私は残雪の急坂を力なく登り続けている.
 こんな私の気持ち,この絵を見て下さった方には,なかなか伝わらないだろうな.伝わればとても嬉しいが,な率直に言って,そんな気持ちはそう簡単に表現することはできない.そこがまた,絵を画く面白さである.
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 私は,今,我流絵画論を体系化しようと思っている.主題は,絵を見て下さる方の特性と絵から受ける感激の相関関係の解明である.
 もちろん私は美術史も知らないし,美術論も全く知らない(勉強しようという気はあるが…).それなのに,こんなおおそれたことを考えている.
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 この絵は,油性マジックペン(フエルトペンっていうのかな)を使って全体の構図を書いて,アッサリとした水彩画に仕上げたものである.この絵を画くために要した時間は,何時も絵(例えば前回取り上げたガルホニッケンの絵)と比較すると半分程度である.いわば省エネの絵である.
 そんな省エネの絵でも,今回出展した3枚の絵の中で一番評判が良かった.これは意外.でも,そこが絵を画く面白さである.
 
                                      (3枚目の絵に続く)
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