春たけなわの鎌倉；耳を澄ませば…
（鎌倉中央公園）
２０１８年５月１１日（金） 晴れ
何時ものように3字30分に起床する．
早速，机に向かう．朝の内に．とあるテーマのちょっとした書き物の構想を纏めたい．その構想内容を1200字程度に纏めるという作業をここ２～３日中に纏めたい．
昨夜来の雨は止んでいるようさが，今朝はやけに寒い．
”これは大分血圧が上がっているだろうな…”
と懸念しながら，机に向かって，ああでもない，こうでもないと迷う．
まとまらない．
焦る，
でも，まとまらない．
やがて朝食の時間になる．
頭の中，半分は，まだ，ああでもない，こうでもないが続いている．
まとまらないまま，お昼になる．昼食になっても，私の頭の中のどこかで，まだ，ああでもない，こうでもないが執拗に続いている．
”こりゃぁ～駄目ダ！”
私は書き物に関係のあるファイルとノート2冊を手提げに投げ込んで外へ出る．
”まあ，ともかく公園でも彷徨いてみよう…こんなときは気分転換が第一だ！”
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今朝方まで降っていた雨が止んで，何時の間にか初夏を思わせるような心地よい天気になっている．
淸水塚口から鎌倉中央公園に入る．
つい先日まで鯉のぼりが泳いでいた上池は，すっかり初夏らしくなっている（冒頭の写真）．また，休憩舎前の湿地ではハンゲショウらしい葉が随分と目立つようになった．
＜ハンゲショウの群生地＞
下池の畔をぶらり，ぶらり．
花オンチの私には菖蒲かアヤメか区別が付かないが黄色い花が咲いている．
私がこの黄色い花の写真を撮っていると，長靴を履いたおばさんが，
「綺麗に咲いていますね」
と私に話しかける．私ドゴマギ，
「はあ，そうですね」
と訳の分からない返事をする．
＜下の池＞
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なんだか急に，私の足が，
”大船駅までお散歩しましょう…”
と私にささやく．
”うん，じゃあ，そうしよう”
主体性が欠如している私はすぐ付和雷同する．ブラブラ歩きは実に心地よい．ああいいな，気持ちが良いなと歩いている内に大船駅に到着する．
まずはペデストリアンデッキとやらに登る．
数羽のハトがせわしなくあちらこちらを歩き回っている．
目の前には観音様．凄い美人の観音様である．拝んでいる内に気分が晴れる．
＜ペデストリアンデッキから大船観音を拝む＞
成り行きで大船駅構内のBecker'sに入る．
もちろんホットコーヒーだ．
構内の通路が見える席に座って，通路を行き交う人をボンヤリ眺めながらコーヒーを賞味する．ついでにコーヒーの香りと私の書き物のことをミックスしながら，ぼんやりとああでもないこうでもないを繰り返す．時々ノートを引っ張り出して，つれづれを書き留める．
その内に，
”こんなことノンビリしていてはダメだぞ…”
と私の体内に巣くっているもう1人の私が騒ぎ始める．
＜Beckere'sのコーヒー＞
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再び鎌倉中央公園に戻る．
公園の燃えるような緑の中に身を置くと心が安まる．
”どこかで座り込もう…そして気になる構想を纏めてしまおう…”
＜ふたたび中央公園へ＞
池の畔のベンチに腰掛ける．
そして，手提げからファイルとノートを取り出して広げる．
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＜耳を澄ませば…＞
目を瞑る．
耳と肌の感覚だけが研ぎ澄まされる．
コジュケイがけたたましく啼いている．
ホトトギスもせっかちに啼いている．
ウグイスの鳴き声がときどき聞こえてくる．
牛蛙の啼き声がボウ～，ボウ～とこだまする．
ザワザワと風が吹き抜ける．
その度に首筋が寒くなる．
ノートがパラパラとめくれる音がする．
入れ物が吹き飛ばされて，バタンと音を立てて地面に落ちる．
まるで風の音の交響曲である．
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そういえば，生涯を掛けて情報システム関連の仕事をしてきたが，音のデザインって，あまり興味がなかったなと，末期高齢者（？）になってからやっと気がつく．
こんな余計なことを考えている内に，ふと，本題を纏める道筋が思い当たる．
私は，折角思いついたアイデアを忘れないうちにノートに認める．
”さあ…急いで家に帰るぞ…そして勢いの付いている内に纏めちゃうぞ！”
（おわり）
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
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