中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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お盆休み特集 昭和を振り返る;第15話;三つの弓がアメリカを狙っている

2017年08月31日 06時12分18秒 | 戦争の思い出

 

           お盆休み特集 昭和を振り返る;第15話;三つの弓がアメリカを狙っている

(2017年8月31日記)

 終戦の年,私は旧制中学1年生だったことは,このシリーズでも度々触れたが,中学に入学してほどなくのことだったと思うが.陸軍の将校が講演に来られた.
 中学生全員が,講堂に集まる.
 一段と堅いところから軍服を着た将校が私たちを見下ろしながら,戦況の話や銃後の守りのことなどを講話する.このときの講話の内容など,大半は忘れてしまったが,一つだけ鮮明に覚えていることがある.要するに「撃ちてし止まん」精神の高揚だったに違いないが,私たち日本人は鬼畜米英を殲滅する天命を受けているといのである.
 「…日本列島を見なさい.
  北はアリューシャン列島,
  その南に北海道,本州.四国,九州
  その先に,沖縄
この三つの弧はまるで弓のようにアメリカを向いているだろう.
 われわれには艱難辛苦を乗り越えて,アメリカを殲滅し,大東亜共栄圏を作らなければならない…」
 これ以外の講演内容は全く忘れてしまったが,その後,同級生の中に陸軍幼兵学校や予科練に進学した人が何人か居たので,ひょっとしたら,その勧誘だったのかもしれない.定かではないが…
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 その日から僅か数ヶ月で敗戦.
 意気揚々と,陸軍幼年学校や予科練に進学した連中が,中学校に復学した.
 たった一日で価値観が180度ひっくり返った.
 中学で羽振りをきかせていた配属将校は,いつの間にか姿を消した.
 めったやたらに生徒にビンタを食らわせていた暴力教師が猫なで声になって,民主主義を言い出した.進歩的な教師が,校庭でスクエアダンスなるものを始めた.まるで手のひらを返すようにすべてが変わった.
 昨日までの暴力教師が,きゅうに猫なで声になっても,生徒の方はついていけない.学校は荒れに荒れた.
 特に純粋な希望と情熱を持って予科練に進学した連中の荒れ方は強烈だった.
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 あれから幾星霜.
 同級生も皆年を取った.当たり前だが…
 関東地方にはおよそ150人ほどの高校同期生が居た.例年,盛大に同期会を実施してきたが,3割強の同期が川向こうに行ってしまった.ここ数年は同期会開催も危ぶまれるほどになった.
 血気盛んだった正義漢ももう大分前から姿が見えなくなった.
                                             (第15話おわり)
[お盆休み特集の中締め]

 今日は8月31日,明日からは秋である.
 今回を持って,この特集は中締めとしよう.まだまだ,有り余るほ書き留めたいことはあるが切りがなくなるから…
 次回からは何時ものブログに戻るつもりである.

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