中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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信州冬の旅;小諸市内観光と懐古園周遊(3);馬場・藤村詩碑・富士見台

2018年01月31日 05時07分29秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

                                                                               <千曲川>

     信州冬の旅;小諸市内観光と懐古園周遊(3);馬場;藤村詩碑・富士見台
                (亡姉の三回忌)
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<ルート地図>
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 鹿島神社の参拝を終えて,往路を辿り,また,もとの馬場に戻る.
 馬場の一角にある島崎藤村「千曲川旅情の詩」歌碑の前に到着する.この歌碑は私がもの五個r着いた頃にはすでに設置されていたので,設置されてから,かれこれ100年近くの歳月が経過していることになる.
 何時ものように,この歌碑の前に立って,詩をざっと眺める.
 島崎藤村といえば,すぐに思い出すのが.
  ”昨日またかくてありけり
   明日もまたかくてありなん
    この命何を齷齪(あくせく)
     明日をのみ思ひ煩う
             (記憶あやふや)
である.
 年を取るにつれて,この一節がとても気になる.


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 藤村詩碑近くにある展望台に立ち寄る.
 昔は,展望台まで,ちょっと危なっかしい石段を登って行ったが,今はとても安全な階段を登るようになっている.その分,多少風情がなくなったのはちょっと残念である.
 ここは崖の上に飛び出たように感じる場所である.
 私が幼少の頃は,ここから浅間連山が手に取るように見渡せたように記憶しているが,今は手前の木が大きく育っていて,枯れ枝の間からかすかに浅間山が見えるだけになっている.


 展望台から蛇行しながら流れる千曲川を見下ろす.
 絶景である.
 千曲川の向こうに見える山並みの右端に,牛に引かれて善光寺参りで有名な布引観音がある.mた,目を左に転じると眼下に水力発電所,その向こうに佐久平が広がっている(冒頭の写真).


 展望台から千曲川を見下ろしていると,小山敬三画伯の絵を連想する.
 私は小諸を訪れる機会があると,時間があれば毎回と行って良いほど,園内にある小山敬三記念館を訪れている.この美術館で展示されている絵の中に,この展望台とほぼ同じ位置(鹿島神社辺りかな)から千曲川を画いた絵がある.
 私はこの展望台に立つとき,いつもこの絵を連想する.

<記念館で購入した写真を引用>
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 馬場に戻る.
 少し残雪が見える.
 朝日が馬場に当たっている.木々の長い影が芝生に落ちている.
 相変わらず寒い.
 戦後間もない頃,ここで競馬が行われた.
 ”こんなところで競馬…?”
 今の感覚では信じられない.
 昔の小諸は佐久平の中心であった,町は近隣の人達で賑わっていた.ここ懐古園は何時も賑わっていた.
 今日,三回忌を迎える姉と一緒に,懐古園で遊んだことを今でも鮮明に覚えている.
 ある日,ここで回転していた露天商から,「万病に効く薬」というあやしげな薬を買った.両親に元気で居て欲しい一心で購入した.両親は医師だった.この薬を差し出すと,妙なものを買うんではないと,こっぴどく叱られた.あのときの悔しさを何十年も経った今でも鮮明に思い出す.
 馬場を横切って天守台へ向かう.


 馬場を横切って,天守台と周辺の石垣を見上げる.
 子供の頃から,この石垣を登ってみたいと何回も思っていた…が,もちろん登ったことはない.嘘か本当か分からないが,だれそれが上まで登ったとい噂もあった.
 もっとも,今は,「石垣に登るのは厳禁」ということになっている.


 懐古神社近くの石段から石垣の上に登る.
 石垣の上に登ってみると大変な高さである.下を見ると足がすくむ.
 石垣の上を天守台に向かって歩く.途中で大きな桜の老木が道の大半をふさいでいる.ちょっと怖いが,狭いところを通り抜けながら,天守台に向かう.


 天守台に到着する.天使台後は,こんなところに天守閣が建っていたのかと思えるほど,意外と狭い.跡地の中央に石碑が立っている.
 天守台を囲む枯れ木の間から浅間山連山が垣間見える.


 天守台から石段を降りて,懐古神社を詣でる.
 境内には残雪と霜が残っている.相変わらず凜とした寒さである.


 境内を一回りする.
 経大の一角に山本勘助が使ったと伝えられる鏡石が安置されている.
 以前は地面に直に置かれていたが,今は写真のように台座の上に安置されている.


 鏡石のすぐ近くに小さな池がある.
 この池の真ん中に噴水があるが,厳冬期の今は写真のように完全に凍結している.この噴水の姿を見て,
 ”やっぱり寒いな…”
 ちょうどこのとき,谷を挟んで向こう側にある動物園から,ライオン(かな?)の吠える声が,谷間にこだましながら聞こえてくる.凄い迫力だ.ライオンの吠える声の間に,鶏の鬨の声も聞こえてくる.


 再び馬場に戻る.
 園内の何カ所かに歌碑があるが,とりあえずは高浜虚子の歌碑だけ写真を撮っておこう.
 なお,小諸市内を通る北国街道(善光寺街道)沿いの与良に高浜虚子旧居跡など遺構がある.今日も時間があれば立ち寄ってみたいなと思っている.


 続いて富士見台に立ち寄る.
 晴れていて空気が澄んでいれば,ここから富士山の山頂付近が見えるはずである.でも今日はちょっと無理かな.


 富士見台から南佐久方面を望む.
 下の写真の中央からちょっと左に寄ったところに富士山があるはずだが,残念ながら今日は見えるような見えないような…
 前方左手に見えているのが金峯,瑞がきなどの山々,その手前が高原野菜で有名川上である.
 もうそろそろ9時になる.
 9時から動物園も開園する.
 これから動物園を経由して,小諸駅方面へ戻りたいと思う.

                                 (つづく)
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