<十王岩(11:21頃)>
紅葉の名所鎌倉:散在ヶ池・獅子舞を歩く
(洛遊会第1回例会)
2008年12月15日(日)
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今日は「洛遊会(仮称)」結成後,第1回目の行事,鎌倉モミジ狩りの日である.鎌倉の住民であるFlower-hillが案内役を務める.
私達は,小田急トラベル主催の「歩いて巡る東海道五十三次宿場巡り全15回」に参加したメンバーの有志,18名で立ち上げた親睦グループである.振り返ると,この宿場巡りは,2007年3月に日本橋を出発してから,延べ28日間で,492キロメートルを踏破して,無事,京都三条大橋まで辿り着いた.
延べ28日間もお付き合いして,折角知り合ったのに,このままバラバラになるのは忍びないということで,鎌倉在住のAさんと,藤沢在住のOさんが纏め役になって,「洛遊会」が発足した.袖触れあうのも多生の縁である.
以下は,第1回の洛遊会ハイキングの一部始終である.
当該宿場巡りに参加された方で,今回のハイキングに参加されなかった方で,もし,このブログをご覧になった方が居られたら,Aさん,Oさん,またはflower-hillに連絡して頂きたい.
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<ハイキングマップ>
<プロフィールマップ>
<山ノ内から北鎌倉へ>
■山ノ内から六国見山を眺める
9月に東海道五十三次宿場巡りが終わってから,初めて仲間が集まる.案内役の私は,朝から興奮気味である.昨夜の内に準備した案内図を忘れないように,小さなリュックに入れて,9時10分に,鎌倉中央公園近くにある自宅を出発する.
昨日は雨が降りしきる肌寒い1日であったが,今日は快晴である.ただ,北から大きな寒気団が南下しているので,とても寒い.山の上ロータリーから,山ノ内配水場を経由して,山ノ内展望台で,展望を楽しむ.毎回ここを通るたびに,季節の移ろう様が感じとられる.
つい先日まで,目に染みるようなハゲイトウの花が鮮やかだったが,今はすっかりなりを潜めている.その代わりに,六国見山の山肌が見事に紅葉している.私は,恒例に従って,ここで数枚の写真を撮る.
<山ノ内の展望台から六国見山を望む(9:25頃)>
■北鎌倉駅集合
尾根沿いの細い路地を下る.美しく紅葉した木々に囲まれた住宅が続く.
尾根を下り終えて,北鎌倉から山ノ内へ抜ける自動車道路に出る.途端に,狭い道を往来する自動車に悩まされる.この道を拡幅する案もあるようだが,この辺りの住民の皆様の反対意見が強いと聞いている.
怖い思いをして,鎌倉街道沿いのお馴染みのコンビニ,スリーエフに立ち寄る.会うたびに,私をからかっていたご主人の姿が見えない.ここのご主人に会えないと,いささか寂しい.
昼食を購入した後,コンビニの複写機で,今日の資料を人数分だけコピーする.
<北鎌倉駅から勝上嶽へ>
■予想外に沢山の方が集まる
9時50分,集合時間の10分前に,北鎌倉駅前に到着する.
10分も前だというのに,全員がもう集まっている.幹事役のOさんが,案内役の私が到着しないのを心配していた.どなたかが,
「・・・近い人ほど,遅く来るんだよ・・・」
と嫌みを言う.何を言いやがる・・・憚りながら,私は約束時間に遅刻したことなど一回もないぞ・・・と心の中だけで,大声で反論する.
今日の参加者は,総勢18名.当初,5~6名も集まれば上々だと思っていたので,嬉しい誤算である.これだけの人数が集まれば,ツアー会社の旅行でも立派に成立する.
北鎌倉駅前に屯していた方々の大半が,私達,洛遊会のメンバーだと分かって,ビックリする.
■名月谷を登る
定刻,10時に出発しようと声を掛ける.ところが,まだ昼食を買っていない人,トイレに行きたい人などが数名出て,結局,10分遅れの,10時10分に,北鎌倉駅前を出発する.これだけ人数が多いと,混雑する市街地に入ると迷子になる人が出かねない.私は,全員を2班に分かれて貰い,それぞれに人数確認をするように依頼する.
参加者全員の方が,東海道五十三次を完歩した方々である.従って脚力には全く心配はない・・・が,ほとんどが舗装道路だけだたったので,山道をどの程度歩けるかは良く分からない.そこで,手始めに,名月谷から,名月院裏山のハイキングコースを歩いて,参加者の様子を見ることにする.
「・・皆さん,鎌倉では「谷」を「ヤツ」って言うことが多いんです.ただ,名月谷は,あくまでメイゲツダニで,メイゲツガヤツとは呼びません.その理由は昔からあった谷の名称は,昔からの呼称でヤツと言いますが,この名月谷は,近年,今泉台の住宅地が造成されたときにできたところなので,わざわざヤツと言うのはおかしいです・・・」
と鎌倉市の年寄学校で教わったことを,受け売りする.
■どうも勝手な人が居る
私は,参加者一同に,
「・・・絶対に急がないで・・ゆっくり,ゆっくり,登りましょう.汗をかかない程度の速さで歩きましょう.一番歩きが遅い人の速度に合わせます・・」
と,何回も,何回も,諭す.それでも,行き先を知らないのに,どんどん先に行ってしまう人が居るのには,実際の所,気が揉めて仕方がない.
「俺は,添乗員ではないぞ・・・素人だ~ぁ・・ぞ!. 勝手にしやがれ! 面倒見ないぞ!」
と,これまた,心の中で悪態をつく.ただ,顔はニコニコしているが・・・
このグループではないが,しばしば「自分は速く歩けるぞ」と誇示したくて,やたらに早く歩く人が,時々おられる.困ったものである.
■勝上嶽からの展望
10時49分,勝上嶽展望台に到着する.眼下に広がる風景を愛でながら小休止.高曇りで,あいにく富士山は見えない.私は,18人も一度に展望台に乗ったら,床が抜けるのではないかと,心配になる.
その後,暫くの間,天園ハイキングコース沿いに歩く.
十王岩展望台に到着する.十王岩の伝説を説明してから,交代で,展望を楽しんで貰う.
「・・・皆さん,ここから見ると,段葛が海の方に向かって登り坂になっているように見えるでしょう.実際は平らですが・・・何故でしょう・・」
私は,皆に,つまらない謎掛けをして,自分で楽しむ.
次いで覚園寺四国八十八箇所巡りの四国大窪寺薬師如来像をお参りする.ここは明治36年に建立されたものである.近くのヤグラの中に七十七番目の仏像が見当たらないというミステリーがある(実は某所にちゃんとあるのだが公開できない).
<天園ハイキングコースから枝道に入る(11:21頃)>
<散在ヶ池を一周>
■散在ヶ池森林公園
途中から近道を通って,今泉台住宅地に降りる.高圧線の電線の下に沿って北西に進む.
散在ヶ池森林公園入口から公園に入る.
「・・足許に気を付けて・・ステップを小さく.踵から着地しないように・・・対向者とすれ違うときは山側に避けて・・・」
と心配性の私は,参加者に注意を促す.
私達は,のんびり小径を通って,散在ヶ池湖畔に下る.先日の強風で,かなりの紅葉が吹き飛ばされてしまったが,それでもここの紅葉は見応えがある.所々に見える見事な紅葉が,参加者を和ませてくれる.
12時05分,散在ヶ池湖畔に到着する.数名の先客が,湖畔のベンチに座っている.私達も適当な場所に腰を下ろして,昼食を摂る.
<散在ヶ池の紅葉(11:48頃)>
■せせらぎ小径から馬の背小径へ
12時41分,散在ヶ池湖畔から歩き出す.まずは,せせらぎ小径を一回りする.
中には,鎌倉市内中心部にある有名社寺を3~4箇所しか訪れていないのに,鎌倉を知っているつもりだった方も居られるが,せせらぎ小径を見て,鎌倉にもこんな所があったのかとビックリする.
再び,湖畔に戻って,馬の背小径を登る.ここでも,私は,
「・・・急がずに,ゆっくり,ゆっくり,登ってください・・」を連発する.
<せせらぎ小径(12:44頃)>
<獅子舞を下る>
■大平山から天園へ
再び,今泉台住宅地を横切って,百八ヤグラ群の脇に出る.ここで,一般の案内書にも掲載されている上から2層目のヤグラ群だけを案内する.平素,歩き馴れているハイキングコースの直ぐ下に,こんな所があったのかと,ビックリしている参加者もいる.
途中でほぼ原型に近い五輪塔がある.五輪塔の説明を簡単にする.
13時50分,通称大平山山頂(標高159m)といわれる岩塊の上に到着する.実の所,天園の「峠の茶屋」にあるところが,本来の大平山だという説もあり,どちらが本当か,素人の私には分からない.
オフシーズンのためか,山頂下の広場の人影は疎らである.
■泥んこの獅子舞
14時10分,峠の茶屋を通過する.私は,茶屋の主人に,
「・・・今日は,沢山の方々と一緒なので,立ち寄らずに失礼します・・」
と挨拶する.
天園の展望岩塊の上から,交代で展望を楽しんでから,獅子舞の谷への下山を開始する.昨日までの雨のために,足場はかなり悪くて,滑りやすい.
「・・・歩幅を狭く,足許を良く見て,決して踵から着地しないで・・屁っ放り腰にならないように・・・前の人と間隔を空けて・・・」
と,心配性の私は,しつこく注意を呼びかける.
モミジの紅葉は,大分散ってしまったとはいえ,まだ,まだ,見事である.ユックリと紅葉を楽しみながら下山する.
<獅子舞の紅葉(14:21頃)>
<大倉山ヤグラ群を経由して鎌倉駅へ>
■鎌倉宮で教え子とバッタリ
14時57分,鎌倉宮に到着する.ここでトイレ休憩.
鳥居付近で,一同のトイレが終わるのをボンヤリと待っていると,
「・・・flower-hill先生・・・」
と呼ぶ男性がいる.大学院での教え子である.
「・・・実は論文博士を目指すことになりました・・机に座っていてもアイデアが浮かばないので,今,獅子舞を一回りしてきました・・」
「そうですか・・(論文作成のことなら)何時でも相談に乗りますよ・・」
これ,私の本音である.教え子に早く学位を取って貰いたい.続いて彼は,
「先日の○○研究会で,皆さんflower-hill先生に会いたがっていましたよ・・・」
と耳が痛いことを言う.
実は,先週土曜日,○○学会の研究会があった.山狂いの私は,天気が良かったので,研究会はサボって,山の方の集まりに参加していた.どうせ「サンデー毎日」の身分なのだから,今更,研究もヘッタクリもないだろうというのが本音である.
それにしても,偶然,教え子に声を掛けられて,とても嬉しかった.
<大倉山ヤグラ群(15:15頃)>
■大倉山ヤグラ群
15時07分に鎌倉宮を出発する.直ぐに「○○」というソバ屋の前を通過する.ここのご主人は,元,私の部下で技術者あった.サラリーマンから市会議員に転職,その後,ソバ屋に転身した.つい先日,JCN鎌倉のテレビで,ソバの蘊蓄を語っていた.
一行に,ここは元部下がやっているソバ屋だから,贔屓にしてくださいと御願いする.
大多数の方々が,まだ,歩き足りないようである.私は大倉幕府,宇津宮幕府,若宮幕府への移り変わりを説明しながら,東御門の裏道から,大倉山ヤグラ群に入る.ここで,三浦ヤグラ,大江広元,毛利,島津のヤグラを見学してから,崖を下って,頼朝墓を詣でる.ここで島津忠久と源氏との関係を,老人学校で教わったことを受け売りにして説明する.
この辺りまで来ると,一般の観光客の数が増え出す.
<大倉ヤグラ群から源頼朝墓へ下る(15:21頃)>
■若宮幕府跡から宇津宮稲荷へ
西御門から宝戒寺前を通過して,裏道に入る.
若宮幕府跡で,この辺りから北条一族が敗走したことや,東勝寺,腹切りヤグラなどの説明をする.
裏道を通って,丸山貞夫の墓の説明をしながら,妙龍寺脇を通過,宇津宮稲荷から,若宮大路に出る.ここで,十王岩から見たときに,なぜ,海の方に登っているように見えるかの種明かしをする.
小町通に入る.相変わらず沢山の観光客で賑わっている.
■小町通「モア」で懇親会
15時53分,ほぼ予定通りの時間に,鎌倉駅前に到着する.
小町通入口近くのレストラン「モア」で,簡単な懇親会を開催する.雑談をしながらも,洛遊会第1回目の案内役として,参加者一同の評価が気になる.
何れにしても,次回は,2月に,引き続き,鎌倉散策をすることに決まった.案内役の私としては,梅をテーマに,皆さんに喜んで頂くコース作りができるように努力しようと思っている.
17時25分に解散.
鎌倉駅で,再会を約してお別れする.
[ラップタイム]
9:10 鎌倉中央公園歩き出し
9:23 山ノ内配水場
9:26 山ノ内展望台
9:37 スリーエフ(9:49までコピー)
9:50 北鎌倉駅(10:10歩き出し)
10:49 勝上嶽(10:55まで展望休憩)
12:05 散在ヶ池森林公園(12:41まで昼食)
13:50 大平山山頂
14:11 天園展望岩塊
14:57 大塔の宮(15:07までトイレ休憩)
15:23 頼朝の墓
15:53 小町通「モア」(17:20解散)
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 10.0km
■累積登攀高度 381m
■累積下降高度 394m
■歩行時間(休憩時間を含む)
北鎌倉駅発 10:10
鎌倉駅着 15:53
(歩行時間) 5時間43分(5.43h)
歩行速度 10.0kmm/5.43h=1.84km/h
(おわり)
[加除修正}
2008/12/18 誤字修正,転換ミス訂正.
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a649376bcdac869ece616dec03af863a
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3c2e4230f863d6b21f1dbc430e40d17f
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追伸 セピア色のスケッチ、とってもすばらしかったです。
(注:ハンドルネーム)
コメント有り難うございました.
次回は臨時に鎌倉七福神巡りを致します.本日(1月7日),予定のコースの一部分を下見してきました.
鎌倉では,梅が咲き始めています.
セピア色のスケッチを見て頂き有り難うございます.このシリーズも,ユックリ続けて参ります.
今後ともよろしく御願いします.