お盆とお祭り。妙な寂しさ。

「もう、今日で終わりだからいいのよ～」と、言いつつ母が仏壇のお供え物を片付け始めた。
ご先祖様、帰ったかしら？と思いつつ、私も手伝う。

お花を処分してから、お菓子を食べ始めた。
お盆も、あっという間だったな。もう、終わりか～。
ご先祖様は、今の私たちを見てどう思ったかしら？

そんなことを考えながら、ひたすらもぐもぐとお菓子を食べる。
母はこの地域のお祭りの準備のお話を私に聞かせた。
お盆が終わると同時にこの地域のお祭りが始まる。
最近は、みんな高齢化してるし、若者は共働きで忙しくてお祭りどころじゃない人が
多い。この土地を離れた者もけっこういる。これから、どうなっていくんだろう。
もう、秋が近づいてるような涼しい風が吹いた。

次々と、引退していく人達の中で、多少若い、やる気のある者達だけで、お祭りが
準備される。
昔は、賑やかだったのにな～と思う。楽しかった思い出がよみがえる。
父が下手くそな盆踊りの太鼓なんかを叩いていた。仮装して踊る人もいた。
会館では踊りやらカラオケやらバンド演奏などいろんな催しがあった。
わくわくしたものだ。

どんどん、過疎化していくのかしら？

私も、都会へ引っ越したいな、なんて思ったりする事がある。
ここは不便だしね。歳をとったら、買い物も大変だと思う。
病院へ行くのも一苦労だろう。
なんとかならぬものか・・・。

気がつけば、私はかなりのお菓子を食べていた。
今日は夕食抜きだわね。と一人、苦笑い。
みんなが、去って行った後の寂しさが残っていた。
この地方はお盆を過ぎたら、もう秋が近づいてくるのだ。

短い夏を楽しまなければ！
そう思いながら、最後にお茶を飲んだ。

時代の流れだね・・・。私は一言つぶやいた。