角閃石類 Amphibole 珪酸塩鉱物
苦土橄欖石 Forsterite 珪酸塩鉱物 直方晶系
Spat Gali, Kaghan Valley, Mansehra, Pakistan
苦土橄欖石Mg2[SiO4]のC軸と平行に成長する細い柱状の角閃石類。苦土橄欖石の結晶表面に放射状に広がっているのは気泡。苦土橄欖石は玄武岩などMgに富む火山岩の構成鉱物として産出することが多く、我が国では秋田県一の目潟のように粒状結晶の集合からなる橄欖石団塊が知られている。
ハワイ島の海岸には橄欖石による緑色の砂浜がある。橄欖石砂という点では我が国の海岸でも緑っぽい色の砂が縞を成しているところがある。橄欖石は珍しいものではないが、色鮮やかで綺麗な結晶は宝石として扱われ、ペリドット、オリビンの呼称がある。何も入っていない透明な結晶が好まれるようだが、筆者のような変わりもの好きは、何か不明なものが混じっている、ちょっと見栄えの悪い結晶に目が行ってしまう。角閃石類も橄欖石類も、ほぼ同じ組成からなっている。このようなインクルージョンは、成長の過程で環境が大きく異なったのだろう。
ライティングによって表情が変わる。インクルージョンしている他の鉱物の種類が多ければ多彩な表情を示す。写真の楽しみはそこを探り出すところにある。