二酸化マンガン鉱 MnO2
方解石 CaCO3
中国
方解石の成長過程で一時的にマンガン成分の急増があり、方解石の結晶表面に小さな球状に成長したものの、後の方解石の成長で閉じ込められてしまった。一般的なインクルージョン標本の成長過程だが、二酸化マンガンの晶出以降において方解石の結晶成長面が変化していることに注意したい。
方解石の結晶形態は多様である。理科の観察や実験などで目にする方解石の破片は、長方形の箱を押しつぶしたような菱面体に囲まれた形態だが、実際にそのような形で産出することは希。本書のような釘頭状、犬牙状、六角柱状、陣笠状などで、さらに微斜面が生じて形態による判断ができないことが多い。この標本の初期段階の結晶形態は鈍角になる三角錐の頂点だが、その稜線を横切る形で新たな結晶面が生じて次に紹介するコバルトカルサイトと同じ六角柱状に近い形となっている。
二酸化マンガン鉱 MnO2
コバルトカルサイト
コバルトカルサイト(少量のコバルトを含む方解石)に含まれる黒褐色の微小鉱物。
コバルトを含むことによってピンクに発色している。
結晶の中央部に黒い染み状の包有物(二酸化マンガン鉱)がみられる。
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