またまた"お金”の話でなんですが、本日はこちら。
「ボッティチェリ絵画、84億円超か 来年1月に競売 NY」
Sandro Botticelli(ボッティチェリ)が描いた(とされる)肖像画が、来年1月にNYのサザビーズでオークションに掛けられるらしい。ボッティチェリの作品の中ではこれまでの最高額となる8000万ドル(約84億円)以上で落札される見通し、とのことだ。
作品はこちら。
日本語のサイトだと詳しいことは分からないので、イタリア語のアート専門のサイトを参照。(英語は苦手なので)
その記事によると、この作品は満場一致のボッティチェリ作品ではない。
「アングロサクソン系の専門家」とイタリア人が書くときは、大抵イロニーが込められているなぁと第三者の私は思うのだが、とりあえず1987年修復後のこの作品を、アングロサクソン系美術史家のRichard Staplefordはボッティチェリ作と断定したが、その後、Roberto LonghiをはじめFederico Zeriなどのイタリア人美術史家Francesco Botticini (Firenze, 1446 - 1497)に帰属すると断定している。またボッティチェリ研究者として重要なRonald Lightbown(この人もイギリス人なんだけど)もストックホルムの王宮所蔵のBotticiniの肖像画に非常に似ているという見解から、ボッティチェリ派の作品と位置付けている。
そんな背景が有っても、この作品は今回ボッティチェリの作品として売りに出され、ボッティチェリの作品では過去最高額(8000万ドル、約84億円)の値が付くのでは、と騒がれている。
過去ボッティチェリ作品の売値の最高額は2013年の「Madonna col Bambino e san Giovannino(聖母子と洗礼者聖ヨハネ)」通称「ロックフェラーの聖母」
写真:https://wikioo.org/
NYのクリスティーズ(Christie's)で1040万ドル(約11億円)の値がついた。
(参考:https://www.christies.com/lotfinder/Lot/alessandro-filipepi-called-sandro-botticelli-florence-144445-1510-5649717-details.aspx#)
どこの誰が買ったんだろ?
ちなみに2004年3月11日から6月11日までフィレンツェのストロッツィ宮(Palazzo Strozzi)で ”Botticelli e Filippino. L’inquietudine e la grazia nella pittura fiorentina del 400” (ボッティチェリとフィリッピーノ,15世紀フィレンツェ絵画の不安と優美) に出展されていたらしい。
私は見てない…
そうかと思うと、昨年こちらの作品が市場に出ていたらしい。
Ritratto di Michele Marullo Tarcaniota(ミケーレ・マルッロ・タルカニオタの肖像)
こちらはプライベートコレクションなのだが、およそ20年間に渡りスペインのプラド美術館に展示されている。
2019年10月3日から三日間、ロンドンで開かれたFrieze Mastersというイベントに出品予定だったらしいのだが、スペイン政府のストップがかかった。
「作品を売るのは止めないが、スペインから持ち出すのは禁止」ということだ。
どの国にも有ると思うが、国宝に値する貴重な美術品を、国外に持ち出すことに禁止する権限を政府が持っているという理由で。
結果、どうなったのかなぁ???
プラド美術館のオフィシャルサイトのコレクションにはないようだけど…
今回売りに出されたボッティチェリか?の作品について少々補足を加えると、この作品にスポットが当たったのは1930年代。当時はウェールズのカーナーヴォン(Caernarfon)のLord Newborough(ニューボロウ卿)のコレクションに有った。1700年代トスカーナにいたsir Thomas Wynnが購入したのだろう。
その後1982年には Christie’s(クリスティーズ)でオークションにかけられ810,000ポンド で現在の持ち主が落札した。
プライベートコレクションに入ったとはいえ、この作品はその後1990年から2013年に渡って、ロンドンのロイヤル・アカデミー(Royal Academy)、ナショナル・ギャラリー(National Gallery)、NYのメトロポリタン美術館(Metropolitan)、ワシントンのナショナル・ギャラリー(National Gallery of Washington)ドイツフランクフルトの絵画館(Städel Museum)で展示されていたので、見たことが有る人も多いことだろう。
今回出品される肖像画とよく似ているのが、こちらのウフィツィ美術館にある
老コジモのメダルを持つ男(Il Ritratto d'uomo con medaglia di Cosimo il Vecchio )
これも誰の肖像画だかははっきりしていない。
誰だかはっきりしている肖像画は、ロンドンナショナル・ギャラリーにあるこちら。
ジュリアーノ・ディ・ピエロ・デ・メディチ(Giuliano di Piero de' Medici) の肖像
ロレンツォ・デ・メディチ(Lorenzo de' Medici)の弟で、パッツィ家の陰謀(Congiura dei Pazzi)で殺害される。
当時はフィレンツェ一の美男子と言われていた。
この2枚は満場一致のボッティチェリ作品。
この2点と比べるとどうも怪しいが(あくまでも私はイタリア寄りなので)、はてさてどれくらいの値が付くことやら。
サザビーズは、例えボッティチェリの作品ではなかったとしても、ルネサンス期の作品でここまで保存状態がよく、珍しい作品は他にはないとも言っている。
参考:https://www.finestresullarte.info/
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二点をみくらべるのもいいかと、この場合、ロヒールのミラフローレス祭壇画のようにコピーとオリジナルがひっくりかえることもありますから
○>この場合はそうはならないでしょうが、ロヒールのミラフローレス祭壇画のようにコピーとオリジナルがひっくりかえることもありますから
文章がおかしくなってしまいました。
当方は、ウフィッチのほうが優れていると思っていますし、BBCの意見もそうでしょう。
いつも興味深い情報をありがとうございます。
この作品について、他にも面白い記事を見つけたので、それと合わせて後日書こうと思います。
まず、1枚目の写真のメダルを持つ若者の肖像ですが、手持ちのいくつかのカタログレゾネ類にはほとんど扱われていない作品です。ライトボーンの2巻本のvol.1カタログ(1978年)では扱っていますが、「ボッティチェリかその工房の作とされるその他の絵」という項目に図版も載せないで取り上げている程度です。ボッティチェリの本でこの絵の写真を掲載しているものもほとんどなくて、私が最初にこの絵を知ったのは、アンドレ・シャステルの「人類の美術 イタリア・ルネサンス1460~1500」(邦訳新潮社1968)です。それ以降のものではシュテーデル美術館の2009~2010年ボッティチェリ展図録に出品作として掲載されているぐらいで、その解説には「全ての研究者がボッティチェリの真筆としているわけではない」として、上記ライトボーン1978年の本を例示しています。ボッティチェリが描きそうな男性像の雰囲気はありますが、私は写真掲載の5点のうちでは、最も真筆から遠い作品だと思います。現在のボッティチェリ工房作の絵の相場は全く分かりませんが、84億円もするものとは思えません。なお、上記本文中ではボッティチーニの作とする研究者もいると書かれていますが、私の知っている範囲ではボッティチーニの作風に近いという感じはしません(ボッティチーニの作風はボッティチェリ、ヴェロッキョ、ギルランダイオに近いと思うが、この絵はもっとボッティチェリ的な繊細な感じがする)。ストックホルムの王宮所蔵のBotticiniの肖像画というのは知らないので、もしどのような絵なのか画像がありましたら教えてください。
2枚目の聖母子とヨハネですが、この絵には見たかったけれど見ることができなかった、という思いがあります。実はこの絵は1990年頃に東京の石塚コレクションというところが持っていました(私の頭にはロックフェラーの聖母子というよりも石塚コレクションの聖母子という言葉が刷り込まれています)。上記ライトボーンの1978年の本では、WPロックフェラー所有となっていますが、1989年改訂版の大型本(邦訳西村書店1996年)では、東京・石塚コレクションの所有となっています。私は1990年頃にこの本を見て、丸紅所有のシモネッタとともに、日本にある数少ないボッティチェリ作品ということで、いつか見てみたいと思っていましたが、その後に読んだ本では外国の別の所有者名となっていて、見られないうちにまた海外へ出ていってしまったかとガッカリした覚えがあります。2003年10月~翌年2月のパリMusee Luxembourgの展覧会図録に出品作として掲載されていて、そこには1987年にサザビーで売られ石塚コレクションの所有になった後、1992年にクリスティーズのオークションにかけられた、とあります(2003年時点の所有者はCovacevich,Del Rio Larrain Collection,New Yorkとあります。ご紹介の引用サイトの来歴欄にもIshizuka Collection, Tokyo, 1987及び最後にPrivate collection, New Yorkとあります)。結局、日本にあったのは5年間ぐらいで、バブル崩壊で手放した?(利殖目的だった?)のかと思います。なお、このパリ展の図録(英語版)で開催場所が2004年3月からフィレンツェ・パラッツォ・ストロッツィとなっているので、ご指摘の展覧会と同じ内容と思われますが、副題が「15世紀フィレンツェ絵画の不安と優美」ではなく、「ロレンツォ豪華王からサヴォナローラまで」とあるので開催場所で多少の違いがあるのかと思います。
3枚目のバルセロナの個人蔵の男性肖像画ですが、昨年の年末頃にバーリントンマガジンだったかアートブレティンだったか、海外の美術雑誌をめくっていたら、広告のページにこの絵がアップで出ていました。ボッティチェリの絵なのでコピーを取っておいたのですが、それを今読んでみるとfrieze masters 3-6 Octber 2019の文字とTRINITY FINE ART / LONDONとあり、これはそのイベントの広告だったのですね。現在どうなっているのかは知りませんが、顛末はよく分かりました。この絵は研究者の意見ではかなり真筆に近いものとされているようです(この5点のうちでは4枚目のウフィツィの絵の次に良いものと思います)。
4枚目のウフィツィのコジモのメダルを持つ男の肖像、この5枚のうちではこれだけが文句なしにボッティチェリの真作です。5枚目のジュリアーノの肖像(ワシントンNGです)は他の3点のジュリアーノ(ベルリン、ベルガモ、逆向きのミラノ・クレスピコレクション)とともに工房作とされている絵です。この2枚は美術書にもよく出ていて、特に書くことはありません。
関西では次の西洋絵画の展覧会がロンドン ナショナル ギャラリー展です。11月3日からです。これが今年最後の楽しみです。
9月26日-28日に広島県の帝釈峡に行っていました。素晴らしい景観でした。
いつも興味深い情報をありがとうございます。私はBotticelliは全く詳しくないので、色々教えて頂きありがとうございます。
お尋ねのストックホルムのPalazzo Reale(王宮)の肖像画の画像ですが、下記のURLの論文(ピサ大学の修士論文のようです)の中に有りました。
https://core.ac.uk/display/79617093
p.180のFig.67です。
9月末、私もようやく「ロンドン・ナショナルギャラリー展」に行ってきました。
いつもよりは空いていましたが、やはり人は多いですね。
当然ですが、ロンドンに比べたらあまりにも数が少なくあっという間に見終わってしまったのが残念でした。(笑)
ようやく気候も良くなり、山歩きも気持ち良さそうですね。
私は西洋美術はボッティチェリからスタートし、その後周辺画家にも興味の対象を広げてきました。ボッティチェリはフィレンツェ派の本流ではありませんが、15世紀後半のフィレンツェの美術ではいつもボッティチェリを中心に考えています(工房の仲間、ライバル、パトロン、人文主義者やサヴォナローラのような宗教者、そして師のフィリッポ・リッピのような時間軸も)。数カ月前にペルジーノやポライウォーロの詳しい情報にこだわっていたのもこの一環です。ボッティチーニに関することは今まで足りなかったことの一つなので、今回の論文には大変感謝しております。ヴェロッキョ工房のことをいろいろ知るにつけ、(二流画家とはいえ)ボッティチーニの重要性を認識するようになってきました。
ストックホルム王宮の肖像画は確かに今回売却されるボッティチェリ?の絵とよく似ていますね。同一人物というより兄弟ぐらいの感じがします。ただ、売却される方の絵はボッティチェリ工房作かコピーと思いますが、ストックホルムの絵をボッティチーニと判定する根拠はよく分りません(ボッティチェリとも思えませんが)。
また、売却される方の絵について、ライトボーンの1978年ボッティチェリ2巻本にも1989年改訂版大型本にも、ストックホルムの絵との関連の話は出ていません。ライトボーンの何の本または論文等に書かれているのか、もしご存じなら教えてください。
そして、ご紹介いただいたボッティチーニ論文の図版を見て思ったのですが、これはボッティチーニという可能性のある絵を広く集めて、ボッティチーニ作としているようですね。例えば、FABBRIやSADEA/SANSONIのVERROCCHIOとかCASTAGNOの本でその画家の作品としている絵がボッティチーニ作となっています(P135:カスターニョ、P149、P150、P153:ヴェロッキョ)。作者判定は研究者により様々な意見があって当然だし、日本美術でも「銘のない作品を、その作者でないとして無視し、抹殺してしまうより、広く取り上げて研究の俎上に上げた方がよい」という意見を読んだことがあります。ご紹介の論文のように可能性のありそうなものは全て取り上げるという方針は、自分の知らない作品も見ることができるので、大変ありがたいと思います。一方で、あまりその画家らしくない作品については、判定根拠を知りたいと感じます。なお、P150のトビアスと3大天使は現在はボッティチーニ作で落ち着いているようですが、2007年新宿ペルジーノ展図録掲載のウフィツィ美術館館長ナターリ氏の論文では、ヴェロッキョ工房に関係した画家数人の筆が入っている可能性という興味深い意見が出ていました。
ロンドン・ナショナルギャラリー展ですが、9月中旬に私も行ってきました。作品数が少ない分、興味のある作品(初期ルネサンスの4点)に絞って事前準備を十分に行い、また、現場でも長時間見ることができて良かったと思います(イタリア現地や欧米の美術館ではとてもそういう時間はありませんので)。そんな作品の一つがクリヴェッリの受胎告知です。下記の上原真依氏の論文、日本語で読めるこの絵の解説としては最も詳しいものだと思います。2番目は同じ人が7月に書いた簡単な解説です。今後行く予定の人はご一読を。
http://www.ed.ehime-u.ac.jp/~kiyou/2013/pdf/30.pdf
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20200721-OYT8T50080/
(論文の方は4月の記事「サン・セヴェロ礼拝堂 ラファエロとペルジーノ」に対するコメントで取り上げています。)
ちょっと調べてみましたが、ライトボーンの意見に関する典拠は見つかりませんでした。論文にも要約を読んだだけなので、詳しくは分かりませんが、出典欄にライトボーンの名はないようですし…
Antonio Nataliはヴェロッキオが専門なので、その辺りは詳しいかもしれないですね。
Botticiniに関しては、イタリア語でもモノグラフは1冊(https://www.amazon.it/dp/8879700200/ref=as_sl_pc_tf_til?tag=os0bb-21&linkCode=w00&linkId=&creativeASIN=8879700200)で、イタリア国内の図書館でも3か所しか所有しているところがありません。
それからご存知かもしれませんが、Federico Zeri財団のHPからBotticiniの作品とZeriが考えた作品をまとめて見ることができます。http://catalogo.fondazionezeri.unibo.it/ricerca.v2.jsp?view=list&batch=10&sortby=LOCALIZZAZIONE&page=1&decorator=layout_resp&apply=true&percorso_ricerca=OA&locale=it&AUTN_AUTP_AAT_ROFA_ATBD=Botticini+Francesco
LNG展では私も「受胎告知」を穴があくほど見つめて来ました。常設展に「聖アウグスティヌス」が飾られていたのはとてもうれしかったです。
なお、急ぐことではありませんが、このZeriの作品リストと同じようなインターネットで読める資料として、ヴェロッキョ、ポライウォーロ、ギルランダイオ、ペルジーノ(そしてZambrano,Nelsonのカタログレゾネが大学の図書館で読めることは承知していますが、フィリッピーノ・リッピ)のものがあれば、教えていただけたら幸いです(ご負担にならない時で結構です)。イタリア現地の本や美術資料のネット検索に精通されている方の情報は大変貴重なので、今後もよろしくお願いします。
西洋美術館常設展示の聖アウグスティヌス、私もLNG展に入る前の予約待ちの時間でスルバランの新収蔵作品「聖ドミニクス」とともに、見てからLNG展に入りました。スルバランの作品はLNG展出品作の聖マルガリータととても近い作品ですね(大きさ、暗い背景、後ろに恐い動物など)。そしてクリヴェッリの聖アウグスティヌスの方は、4月の記事「サン・セヴェロのラファエロとペルジーノ」に対するコメントで取り上げたように、日本語論文もありますので、まだご覧になっていなければご一読されることをお勧めします。その掲載誌である「美術史」は日本美術の論文の方が多いのですが、西洋美術も載っています。最近ではLNGのボッティチェリ作「神秘の降誕」の抱擁する天使と人間についての考察(2019.3)とかフィリッポ・リッピのスポレート大聖堂壁画の受胎告知に描かれた砂時計の意味について(2018.3)といったものが私にとっての興味の対象だったので、コピーを取っています。ほとんどの大学図書館は現在まだ利用できないようですが、上野地区なら東京国立博物館や隣の文化財研究所、都美術館の資料室が予約制で利用可能なので美術史も閲覧できます。(国会図書館や都立中央図書館が利用できるかは把握していません。)
なお、スポレートのフィリッポ・リッピ作のフレスコ画受胎告知ですが、LNG展出品作であるクリヴェッリの受胎告知に影響を与えた作品だろうと思っています。窓を通って光が入ってくる構図はもちろんですが、2015年ボストンISガードナー美術館のオーナメント&イリュージョン展図録(同館所蔵のクリヴェッリ作聖ゲオルギウスの修復記念展)解説を読むと、「アスコリ・ピチェーノとスポレートの距離は69キロで、スポレートはアスコリからローマへ向かうメインのルートに位置している」とあり、影響関係を論じています。このリッピ最晩年の絵の10数年後がクリヴェッリの受胎告知なので、クリヴェッリはスポレートでフィリッポ・リッピのフレスコ画を見ているのではないかと思います。今まで活動範囲が全く異なる両者なので、関連があるかなど考えたこともなかったのですが、この解説を読んで、ボッティチェリの次に好きなこの2人の画家に影響関係があったかもしれないと思うと、とてもわくわくした気持ちになり、そのような意識で私もクリヴェッリの受胎告知を穴が開くほど眺めてきました。(ヤコポ・ベッリーニの素描2点、カメリーノ絵画館のジョヴァンニ・ディ・アンジェロの受胎告知も近い構図ですが、私はフィリッポ・リッピの絵が最も似ていると思います。)