昨日この本を読んでいたら、ピンときた。
先日仁和寺に行った時の事、国宝にも指定されている金堂をよく見てみた。
このご本尊である阿弥陀三尊を安置する建物は、慶長年間に造られた京都御所の紫宸殿を1624年〜1643年にこちらに移築した、紫宸殿遺構としては最古のもの。
檜皮葺だった屋根を瓦葺きに替えててはいるものの、ほぼ原形を保っている。
先日の「即位礼正殿の儀」で使用された「高御座」「御帳台」も解体されて東京に運ばれた(修復も入れてだが、費用が5億も掛かるということには驚きだが)と聞いた時も、日本人は何でも解体して移築するんだからすごいなぁと思ったけど、400年近くも前、この建物を解体・再生させたのだからすごいなぁと感心する。
この金堂の屋根の上に気になるもの(人?)を発見。
何か動物に乗ってる?中国人か?
京都に行くと、特にこの手の彫刻が屋根に乗っていたり、鬼瓦も特殊なものが多く、上を向いて歩くのが非常に楽しいのだが、一体この人は何者?なぜこんなところに?と思っていた。
そこへ、「タモリさんが『ちっちゃいおじさん』と呼んではしゃいでいた」というコメントと共に、これは「鍾馗(しょうき)さん」ということが書いて有ったのだ。
鍾馗さんとは「中国・道教系の神様で魔除けなどの効験があるとされ、屋根の上などに載せたりする」とも書いてあった。
鍾馗は中国の唐の玄宗皇帝の夢枕に現れて、鬼を退治した人物。
京都などのお寺の屋根には邪気が入らないように、魔除け、火除けの神様として「鬼瓦」を据えているところが多いが、その鬼瓦によって払われた邪気、および災いが自分の家に降りかからないようにという意味で、庶民は鬼をも倒したという鍾馗さんを家の小屋根に据えた、と。
京都の人たちは親しみを込めて「鍾馗さん」とさん付けで呼んでいるらしい。
また鍾馗さんの設置場所は、基本的には玄関口の小屋根の上となっていて、向かいの家に鬼瓦がある場合は、その鬼瓦を正面から睨みつけれる場所に置かれることが多いらしい。更に、お向かいにすでに鍾馗さんがある場合は、お互いが睨み合わないように、目線を外すように据えらたり、向かいの鍾馗さんの睨みを笑いかわすという意味で、鍾馗さんではなく「お多福さん」を据えることもあるとか。
この気の遣い方がいかにも京都って気がするのは私だけ?
ということでこのヒントを頼りに検索したところ、仁和寺の「ちっちゃいおじさんは」鍾馗さんではなく、「黄安(こうあん)」という仙人で、彼が乗っているのは亀。
この亀は3000~4000年に一度、水面に顔出すといわれ、黄安はその亀を3~4回見たといわれるとか。
永遠の象徴として安置されているらしい。(仁和寺のHPに答え出てた。)
京都の屋根にを見ていると、「これ厄除け?」というものも時には乗っている。
こんなお花とか。
モモまで。
ある神社でこの件について質問したら、「京都の人はお洒落だから」というような答えが返って来たんですけど…
沖縄のシーサーとは違うよね?
龍は火から守ってくれるからね。
何はともあれ、京都を歩くときは是非屋根の上も見ると楽しい。
ただし、足元にはくれぐれもご注意を!
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