「どうしたんです。どうしたんです。」
明智もおどろいて立ちあがり、部屋の中をのぞきました。
”What? What happend?"
"Akechi stood un in surprise, looked into the room.
「あ、あれ、あれ……。」
老人は口をきく力もなく、みょうな片言をいいながら、ふるえる手で、室内を指さしています。
"Look, look.."
Old man didn't have enough strength to talk, pointed the room with shaking finger, mumbling something.
見ると、ああ、老人のおどろきもけっしてむりではなかったのです。部屋の中の古名画は、壁にかけてあったのも、箱におさめて棚につんであったのも、一つのこらず、まるでかき消すようになくなっているではありませんか。
The result was that it was understandable the old man's surprise. Those antique painting, things in the boxes, every one of them has gone like they have vanished.
番人の刑事は、畳の上に打ちのめされたようにたおれて、なんというざまでしょう。グウグウ高いびきをかいているのです。
The guard detective was fallen miserably and snoring.
「せ、先生、ぬ、ぬ、ぬすまれました。ああ、わしは、わしは……。」
左門老人は、一しゅんかんに十年も年をとったような、すさまじい顔になって、明智の胸ぐらをとらんばかりです。
"Master, they.. they have been taken! Oh! Oh. How.."
Old Samon looked hideous, ten more years older, almost grab AkechiI's collar.
この章は終わりました。
明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします