英語学習は続く・・

英語ドラマや映画を繰り返しみて
そして原書をたくさん読んで☆
声を上げて読む〜☆

怪人二十面相 98

2023-02-11 21:35:51 | 怪人二十面相

 電燈がついたかと思うと、こんどは、どこからともなく、大きな人の声が聞こえてきました。だれもいないのに、声だけがお化けみたいに、空中からひびいてきたのです。

After the light turned on there was a loud voice. Even though there was no one the voice resonated from the thin air like ghost.

「ひとり人数がふえたようだな。そいつはいったい、だれだ。」
 どうも人間の声とは思われないような、へんてこなひびきです。

"There is another member. Who is it?"
It sounded odd, not like a human's voice.

 新米しんまいの赤井はうすきみ悪そうに、キョロキョロあたりを見まわしています。

The newcomer Akai was looking around nervously.

 すると、乞食に化けた部下が、ツカツカと玄関の柱のそばへ近づいて、その柱のある部分に口をつけるようにして、
「新しい味方です。明智に深いうらみを持っている男です。じゅうぶん信用していいのです。」
と、ひとりごとをしゃべりました。まるで電話でもかけているようです。

Then the beggar man approached to the pillar, put his mouth near the one spot and started talking.
"It's a new comrade hating Akechi. You can trust him."
It was like he was talking on the phone.

「そうか、それなら、はいってもよろしい。」
 またへんな声がひびくと、まるで自動装置のように、こうし戸が音もなくひらきました。

"I see, then he may come in."
With the weired voice, the lattice door opened automatically without any noise.

「ハハハ……、おどろいたかい。今のは奥にいる首領と話をしたんだよ。人目につかないように、この柱のかげに拡声器かくせいきとマイクロホンがとりつけてあるんだ。首領は用心ぶかい人だからね。」
 乞食に化けた部下が教えてくれました。

"Ha ha, you are surprised. I was talking to the boss inside. There is a speaker and a microphone installed behind the pillar. Our boss is very cautious."
The beggar man told him.

「だけど、おれがここにいるってことが、どうして知れたんだろう。」
 赤井は、まだふしんがはれません。
「ウン、それも今にわかるよ。」

"But how did he know I was here."
Akai was still puzzled.
"Yeah, you'll see."

 相手はとりあわないで、明智をかかえて、グングン家の中へはいって行きます。しぜん赤井もあとにしたがわぬわけにはいきません。

He didn't care and went into the house bringing Akechi. Naturally, Akai had to follow.

 玄関の間には、またひとりのくっきょうな男が、かたをいからして立ちはだかっていましたが、一同を見ると、にこにこしてうなずいてみせました。

There was a stout man standing with his shoulders raised in the vestibule. When he saw them he nodded with a smile.

 ふすまをひらいて、廊下へ出て、いちばん奥まった部屋へたどりつきましたが、みょうなことに、そこはガランとした十畳の空部屋で、首領の姿はどこにも見えません。

They opened the slide door, walked the corridor and arrived a room in the back but it was spacious empty room and no one was there.

 乞食が何か、あごをしゃくってさしずをしますと、美しい女の部下が、ツカツカと床の間に近より、床柱の裏に手をかけて、何かしました。

The beggar man signalled something with his chin up, then the beautiful woman went to the next room and did something behind the pillar with her hand.

 すると、どうでしょう。ガタンと、おもおもしい音がしたかと思うと、座敷のまんなかの畳が一枚、スーッと下へ落ちていって、あとに長方形のまっくらな穴があいたではありませんか。

And lo! After the rattling sound one of the Tatamis in the middle went down making a black hole.

「さあ、ここのはしご段をおりるんだ。」
 いわれて、穴の中をのぞきますと、いかにもりっぱな木の階段がついています。

"Now, climb down this ladder."
Inside of the hole, sure enough, there was a decent wood staircase.

 



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