英語学習は続く・・

英語ドラマや映画を繰り返しみて
そして原書をたくさん読んで☆
声を上げて読む〜☆

怪人二十面相 88

2023-01-31 21:41:06 | 怪人二十面相

 そこで、きょうは朝から自動車でほうぼう乗りまわしましてな。おひるは鉄道ホテルで食事をしろという、ありがたいいいつけなんです。たらふくごちそうになって、ここでしばらく待っていてくれというものだから、ホテルの前に自動車をとめて、その中にこしかけて待っていたのですが、三十分もしたかとおもうころ、ひとりの男が鉄道ホテルから出てきて、わしの車をあけて、中へはいってくるのです。

Today I ran around everywhere from the morning today. I was gratetful because he let me have lunch at the station hotel. After I had plenty I was ordered to wait here so I was waiting in the car, about 30 minutes later a man came from the hotel and got in the car.

わしは、その男を一目見て、びっくりしました。気がちがったのじゃないかと思ったくらいです。なぜといって、そのわしの車へはいってきた男は、顔から、背広から、がいとうからステッキまで、このわしと一りんもちがわないほど、そっくりそのままだったからです。まるでわしが鏡にうつっているような、へんてこな気持でした。

I was so surprised that I doubted my own sanity. Because that guy looked exactly like me. Like face, jacket, stick, everything was exactly same. I felt weired, seeing him was like looking into the mirror.

 あっけにとられて見ていますとね、ますますみょうじゃありませんか。その男は、わしの車へはいってきたかと思うと、こんどは反対がわのドアをあけて、外へ出ていってしまったのです。

As I was looking at him in astonishment the things got weireder. The man got in the car and next, he got off from the opposite door.

 つまり、そのわしとそっくりの紳士は、自動車の客席を、通りすぎただけなんです。そのとき、その男は、わしの前を通りすぎながら、みょうなことをいいました。
『さあ、すぐに出発してください。どこでもかまいません。全速力で走るのですよ。』

I mean, that guy looked like me just passed through the car seat. When he went through he said odd thing.
"Start now. Wherever you like. Go in full speed."

 こんなことをいいのこして、そのまま、ごぞんじでしょう、あの鉄道ホテルの前にある、地下室の理髪店の入り口へ、スッと姿をかくしてしまいました。わしの自動車は、ちょうどその地下室の入り口の前にとまっていたのですよ。

He said and, you know it, don't you, that entrance of the barbar in the basement, he just went and hid himself. My car was parked jut in front of that entrance.

 なんだかへんだなとは思いましたが、とにかく先方のいうままになるという約束ですから、わしはすぐ運転手に、フル・スピードで走るようにいいつけました。

I thought it was weired but the promise was promise, so I ordered the driver to go in full speed.

 それから、どこをどう走ったか、よくもおぼえませんが、早稲田わせだ大学のうしろのへんで、あとから追っかけてくる自動車があることに気づきました。なにがなんだかわからないけれど、わしは、みょうにおそろしくなりましてな。運転手に走れ走れとどなったのですよ。

After that where I ran I don't remember well. I noticed there was a following car at the back of Waseda University. I didn't get it but it was scary. So I shouted the driver to run, run."

 それからあとは、ご承知のとおりです。お話をうかがってみると、わしはたった五千円の礼金に目がくれて、まんまと二十面相のやつの替え玉に使われたというわけですね。

After that you know very well. From I heard I was blinded by just 5,000 yen and used as his double.

 いやいや、替え玉じゃない。わしのほうがほんもので、あいつこそわしの替え玉です。まるで、写真にでもうつしたように、わしの顔や服装を、そっくりまねやがったんです。

No, no. I'm not double. I am authentic. He is my double. He impersonated me as if my photo.

 それがしょうこに、ほら、ごらんなさい。このとおりじゃ。わしは正真正銘しょうしんしょうめいの松下庄兵衛です。わしがほんもので、あいつのほうがにせ者です。おわかりになりましたかな。」

This is the proof. Look, I'm real Shoubei Matsushita. I am real and he is fake. Do you understand?"

 松下氏はそういって、ニューッと顔を前につきだし、自分の頭の毛を、力まかせに引っぱってみせたり、ほおをつねってみせたりするのでした。

He told like that and stuck his face out, pulled his hair hard and twisted his cheek.

 ああ、なんということでしょう。中村係長は、またしても、賊のためにまんまといっぱいかつがれたのです。警視庁をあげての、凶賊逮捕の喜びも、ぬか喜びに終わってしまいました。

Oh, my God. The chief Nakamura was deceived again. The whole station was happy arresting the heinous criminal but the truth was that they enjoyed for nothing.

 のちに、松下氏のアパートの主人を呼びだして、しらべてみますと、松下氏は少しもあやしい人物でないことがたしかめられたのです。

Afterward they called the landlord of Matsushita's apartment and made sure he was not dangerous.

 それにしても、二十面相の用心ぶかさはどうでしょう。東京駅で明智探偵をおそうためには、これだけの用意がしてあったのです。部下を空港ホテルのボーイに住みこませ、エレベーター係を味方にしていたうえに、この松下という替え玉紳士までやといいれて、逃走の準備をととのえていたのです。

All things considered, how careful Twenty Faces is. To meet the detective Akechi, he prepared this mush. He prepared making his suborditates to live in Station Hotel, buying the elevater-boy, and plus, he hired this gentleman as his double.

 替え玉といっても、二十面相にかぎっては、自分によく似た人をさがしまわる必要は、少しもないのでした。なにしろ、おそろしい変装の名人のことです。手あたりしだいにやといいれた人物に、こちらでけてしまうのですから、わけはありません。相手はだれでもかまわない。口車くちぐるまに乗りそうなお人よしをさがしさえすればよかったのです。

When it comes to double, Twenty Faces doesn't need to find someone resembled him. He is an expert of disguise. He just hired someone at random and he could impersonate the man. He doesn't care who it is. Just finding a good natured man was enough for him.

 そういえば、この松下という失業紳士は、いかにものんき者の好人物にちがいありませんでした。

Come to think of it, this unemployed man, Matsushita, was sure good natured eazy-going person.

 

この章は終わりました。


怪人二十面相 87

2023-01-30 22:40:57 | 怪人二十面相

「わしがほんものじゃ」

"I'm the person in question"

「この人でした。この人にちがいありません。」
 小林君は、キッパリと答えました。

"This is the guy. I must say."
Kobayashi said positively.

「ハハハ……、どうだね、きみ、子どもの眼力がんりきにかかっちゃかなわんだろう。きみが、なんといいのがれようとしたって、もうだめだ。きみは二十面相にちがいないのだ。」

"Ha ha ha. What do you think. You can't beat the boy's power of observation. How hard you try to fudge up anything, it won't work. You are that Twenty Faces."

 中村係長は、うらみかさなる怪盗を、とうとうとらえたかと思うと、うれしくてしかたがありませんでした。勝ちほこったように、こういって、真正面から賊をにらみつけました。

The chief Nakamura was in rapture with this success capturing the long wanted thief he had been holding pent-up resentment. He said triumphantly and glared at him directly.

「ところが、ちがうんですよ。こいつあ、こまったことになったな。わしは、あいつが有名な二十面相だなんて、少しも知らなかったのですよ。」

"But it's not. How awkward. I didn't know he was the famous Twenty Faces at all."

 紳士に化けた賊は、あくまでそらとぼけるつもりらしく、へんなことをいいだすのです。

It seemed like the villain who disguised himself as a gentleman was trying to play innocent, saying like that.

「なんだって? きみのいうことは、ちっともわけがわからないじゃないか。」

"What? I don't understand what you are talking about."

「わしもわけがわからんのです。すると、あいつがわしに化けてわしを替え玉に使ったんだな。」

"I have no idea. I guess he pretended me making me a backup man."

「おいおい、いいかげんにしたまえ。いくらそらとぼけたって、もうその手には乗らんよ。」

"Hey hey, that's enough. We won't be deceived anymore."

「いやいや、そうじゃないんです。まあ、落ちついて、わしの説明を聞いてください。わしは、こういうものです。けっして、二十面相なんかじゃありません。」

"No, it's not like that. Please calm down, listen to me. I am this, no Twenty Faces."

 紳士はそういいながら、今さら思いだしたように、ポケットから名刺入れを出して、一枚の名刺をさしだしました。それには『松下庄兵衛まつしたしょうべえ』とあって、杉並区すぎなみくのあるアパートの住所も、印刷してあるのです。

As he talked the gentleman took a business card case from the pocket and show his card. It said "Shoubei Matsushita" and his adress, an apartment in Suginami district, was also written.

「わしは、このとおり松下というもので、少し商売に失敗しまして、今はまあ失業者という身のうえ、アパート住まいのひとり者ですがね。きのうのことでした。日比谷ひびや公園をブラブラしていて、ひとりの会社員ふうの男と知りあいになったのです。その男が、みょうな金もうけがあるといって、教えてくれたのですよ。

"I am Matsushita as it says. I lost my job so I'm an unemployed single man right now living in an apartment. Just yesterday when I was hanging around in Hibiya park and met a guy looked like an office worker. He imformed me there was this weired moneymaking.

 つまり、きょう一日、自動車に乗って、その男のいうままに、東京中を乗りまわしてくれれば、自動車代はただのうえに、五千円の手あてを出すというのです。うまい話じゃありませんか。わしはこんな身なりはしていますけれど、失業者なんですからね、五千円の手あてがほしかったですよ。

I mean, if I got in the car and ran around whole Tokyo as he said, he would pay the ride and pay me 5,000 yen. It's a good job, isn't it? I look like this but I have no job, so I wanted the 5,000 yen.

 その男は、これには少し事情があるのだといって、何かクドクドと話しかけましたが、わしはそれをおしとどめて、事情なんか聞かなくてもいいからといって、さっそく承知してしまったのです。

He started a tedious explanation but I interrupted him to accept the job because I didn't care the detail. 

 


怪人二十面相 86

2023-01-30 00:07:04 | 怪人二十面相

 警視庁に到着して、ことのしだいが判明しますと、庁内にはドッと歓声がわきあがりました。手をやいていた希代きだいの凶賊が、なんと思いがけなくつかまったことでしょう。これというのも、今西刑事の機敏な処置と、戸塚署の若い警官の奮戦のおかげだというので、ふたりは胴あげされんばかりの人気です。

When they arrived and everybody new what had happened, there was a big cheer in the Plice station. The rare wicked villain giving them so many problems was finally caught in a rare chance. This was because the detective Imanishi took a swift measure and the young policeman from Tozuka's effort, so now the two of them were almoset tossed in the air.

  この報告を聞いて、だれよりも喜んだのは、中村捜査係長でした。係長は羽柴家の事件のさい、賊のためにまんまと出しぬかれたうらみを、わすれることができなかったからです。

The happiest man with this was the chief Nakamra. He couldn't forget the grudge by being outwitted in the Hashiba's case.

 さっそく調べ室で、げんじゅうな取りしらべがはじめられました。相手は、変装の名人のことですから、だれも顔を見知ったものがありません。何よりも先に、人ちがいでないかどうかをたしかめるために、証人を呼びださなければなりませんでした。

Soon a detailed investigation was started in the interrogation room. This is the expert of disguise, no one knows his face. First of all, they have to summon some testifiers to make sure who this is.

 明智小五郎の自宅に電話がかけられました。しかし、ちょうどそのとき、名探偵は外務省に出むいて、るす中でしたので、かわりに小林少年が出頭することになりました。

A phone call was made to the Akechi's resident. But the detective went to Foreign Affair Ministory so the boy, Kobayashi was to attend instead.

 やがてほどもなく、いかめしい調べ室に、りんごのようなほおの、かわいらしい小林少年があらわれました。そして、賊の姿を一目見るやいなや、これこそ、外務省の辻野氏と偽名ぎめいした、あの人物にちがいないと証言しました。

Soon, a cute Kobayashi with apple cheeks appeared in the harsh interrogation room. As soon as he saw the villain, he said this was the person called himself Tsujino.

 

この章は終わりです


怪人二十面相 85

2023-01-29 00:54:08 | 怪人二十面相

 細い道ではスピードが出せないものですから、賊の車は大環状線だいかんじょうせんに出て、王子おうじの方角に向かって疾走しはじめました。賊はむろん追跡を気づいてます。しかし、どうすることもできないのです。白昼はくちゅうの都内では、車をとびおりて身をかくすなんて芸当は、できっこありません。

Since they couldn't speed along the narrow road, they raced through the wide loop line toward Ouji. Of course they know that they were followed but there was nothing they could do about it. They couldn't jump out of the and hide in a broad daytime of Tokyo.

 池袋いけぶくろをすぎたころ、前の車からパーンというはげしい音響が聞こえました。アア、賊はとうとうがまんしきれなくなって、例のポケットのピストルを取りだしたのでしょうか。

When they passed Ikebukuro there came a big bursting noise from the first car. Oh, the thief couldn't hold it anymore and pick up the pistol?

 いや、いや、そうではなかったのです。西洋のギャング映画ではありません。にぎやかな町のなかで、ピストルなどうってみたところで、今さらのがれられるものではないのです。

No, no, it was not. It's not a western movie. In a busy town they couldn't get away even if they soot the gun.

 ピストルではなくて、車輪のパンクした音でした。賊の運がつきたのです。

It wasn't shooting, but the sound of the tire went flat. The thief's luck has run out.

 それでも、しばらくのあいだは、むりに車を走らせていましたが、いつしか速度がにぶり、ついにおまわりさんの自動車に追いぬかれてしまいました。逃げる行く手にあたって、自動車を横にされては、もうどうすることもできません。

Still they made the car run forcefully for a while but it slowed down and ended up being outrun. There was nothing they could do with the car blocked their way.

 車は二台ともとまりました。たちまちそのまわりに黒山の人だかり。やがて付近のおまわりさんもかけつけてきます。

The both cars stopped. A throng of people surrounded them at once. Soon the policemen came from the nearby office.

 ああ、読者諸君、辻野氏は、とうとうつかまってしまいました。
「二十面相だ、二十面相だ!」
 だれいうとなく、群衆のあいだにそんな声がおこりました。

Oh, my readers, Tsujino got captured finally.
"Twenty Faces, Twenty Faces!"
The voices were heard.

 賊は、付近からかけつけた、ふたりのおまわりさんと、戸塚の交番の若いおまわりさんと、三人にまわりをとりまかれ、しかりつけられて、もう抵抗する力もなくうなだれています。

They were surruounded by the three policeman, the two from nearby and the young policeman from Tozuka, scolded, now drooping their heads.

「二十面相がつかまった!」
「なんて、ふてぶてしいつらをしているんだろう。」
「でも、あのおまわりさん、えらいわねえ。」
「おまわりさん、ばんざーい。」

"Twenty Faces is caught!"
"What a brazen face!"
"That policeman is good."
"Hurray, the police!"

 群衆の中にまきおこる歓声の中を、警官と賊とは、追跡してきた車に同乗して、警視庁へと急ぎます。管轄かんかつの警察署に留置するには、あまりに大物おおものだからです。

In the applause from the people, the policemen and the villains got in the followed car and rushed to the Metropolitan Police Station. It was too big a name to detain in the rocal office.

 


怪人二十面相 84

2023-01-27 23:53:01 | 怪人二十面相

「ああ、車の番号なら、ホテルへ行かなくても、ぼくが知ってますよ。一三八八七番です。」

"Oh, there is no need to go to the hotel. I know the number. It's 13887."

「え、あなたは車の番号まで知っているんですか。そして、あとを追おうともなさらないのですか。」

"What? You know the number, and still you are not  after him?"

 刑事はふたたびあっけにとられてしまいましたが、一刻をあらそうこのさい、無益な問答をつづけているわけにはいきません。番号を手帳に書きとめると、すぐ前にある交番へ、とぶように走っていきました。

The detective was dumfounded again but there was no time to have discussion for nothing. He wrote down the number and ran to the nearby police office swiftly.

 警察電話によって、このことが都内の各警察署へ、交番へと、またたく間につたえられました。

By the inter-office telephone, it was diffused every police station, office in a minute.

「一三八八七番をとらえよ。その車に二十面相が外務省の辻野氏に化けて乗っているのだ。」

”Seize the number 13887. In that car Twenty Faces is on impersonating Mr. Tsujino from Foreign Affairs Ministry."

 この命令が、東京全都のおまわりさんの心を、どれほどおどらせたことでしょう。われこそはその自動車をつかまえて、凶賊逮捕の名誉をになわんものと、交番という交番の警官が、目をさらのようにし、手ぐすね引いて待ちかまえたことは申すまでもありません。

How this order thrilled all policemen in Tokyo. Needless to say, every one of the policemen had been waiting for this chance. All of them were eager to get honor of finding that car, capturing the famous thief.

 怪盗がホテルを出発してから、二十分もしたころ、幸運にも一三八八七番の自動車を発見したのは、新宿区しんじゅくく戸塚町とつかまちの交番に勤務している一警官でありました。

About twenty minutes after the thief left the hotel, it was a poiceman from the office of Totsuka-town Sinjuku-district who found the car numbered 13887 luckily.

 それはまだ若くて、勇気に富んだおまわりさんでしたが、交番の前を、規定以上の速力で、矢のように走りぬけた一台の自動車を、ヒョイと見ると、その番号が一三八八七番だったのです。

He was still young, vigorous policeman. When he looked at the speeding car running in front of his office it was the number, 13887.

 若いおまわりさんは、ハッとして、思わず武者ぶるいをしました。そして、そのあとから走ってくる空車くうしゃを、呼びとめるなり、とびのって、

With a start, the young policeman trembled excitingly. He hail the vacant taxi running after it, jumped in.

「あの車だッ、あの車に有名な二十面相が乗っているんだ。走ってくれ。スピードはいくら出してもかまわん、エンジンが破裂するまで走ってくれッ。」
とさけぶのでした。

"That car! The famous Twenty Faces is in that car! Run! I don't care how fast you drive. Run fast until the engine got crushed."
Shouted he.

 しあわせと、その自動車の運転手がまた、心きいた若者でした。車は新しく、エンジンに申しぶんはありません。走る、走る、まるで鉄砲玉てっぽうだまみたいに走りだしたのです。

Fortunately, the driver was a rakish young guy. The car was new, engine must be perfect. It ran and ran like a bullet.

 悪魔のように疾走しっそうする二台の自動車は、道行く人の目を見はらせないではおきませんでした。

The two cars belting along the road like the devils were sure to attract the pedestrian's attention.

 見れば、うしろの車には、ひとりのおまわりさんが、および腰になって、一心不乱いっしんふらんに前方を見つめ、何か大声にわめいているではありませんか。

Then he noticed there was a policeman looking forward, yelling desperately in the following vehicle.

ものだ、捕り物だ!」
 弥次馬やじうまがさけびながら、車といっしょにかけだします。それにつれて犬がほえる。歩いていた群衆がみな立ちどまってしまうというさわぎです。

"Car chase, car chase!"
With shouting, curious onlookers started following them. It made the dogs to bark. The pedestrian stopped walking.

 しかし、自動車は、それらの光景をあとに見すてて、通り魔のように、ただ、先へ先へととんでいきます。

Still the cars just ran forward leaving behind all those scenes like a phantom slasher. 

 いく台の自動車を追いぬいたことでしょう。いくたび自動車にぶつかりそうになって、あやうくよけたことでしょう。

How many cars were outran, how many times collision was avoided narrowly.