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怪人二十面相 107

2023-02-16 23:25:38 | 怪人二十面相

「明智君、なにをする。おい、いけない。よさんか。」
 総監と刑事部長とが、声をそろえてどなりつけるのを聞きながして、明智はサッと陳列棚を飛びだすと、また、さいぜんのように老館長のそばへより、その手をにぎって、にこにこと笑っているのです。

"Mr. Akechi, what are you doing! Hey, no, stop!"
Parrying the chief of M.P and the chief detective's loud voice, Akechi jumped out of the showcase, went to the side of the old director and took his hand again smiling.

「おい、明智君いったい、どうしたというんだ。らんぼうにもほどがあるじゃないか。これは博物館の中でもいちばん貴重な国宝ばかりなんだぞ。」
 まっかになっておこった刑事部長は、両手をふりあげて、今にも明智につかみかからんばかりのありさまです。

"Hey, Mr. Akechi, what's wroing with you? You've gone too far. These are the most precious National Treasures in this museum."
Being crimson with fury, the chief detective was almost grab at Akechi with his both hands in the air.

「ハハハ……。これが国宝だってあなたの目はどこについているんです。よく見てください。今ぼくが折りとった仏像の傷口を、よくしらべてください。」

"Ha ha ha. Where are your eyes saying these are National Treasures. Look at them closely. Please check into the broken parts I just made."

 明智の確信にみちた口調に、刑事部長は、ハッとしたように、仏像に近づいて、その傷口をながめまわしました。

At Akechi's confident tone, the chief detective suddenly startled, got to the Budda statues and observed the broken parts.

 すると、どうでしょう。首をもがれ、手を折られたあとの傷口からは、外見の黒ずんだ古めかしい色あいとは似ても似つかない、まだなまなましい白い木口きぐちが、のぞいていたではありませんか。奈良時代の彫刻に、こんな新しい材料が使われているはずはありません。

To his surprise, he could see fresh white wood in those brokens neck or arms, not at all like an old blackish tone of antiques. There is no way this kind of new wood is used in the sculptures made in Nara period.

「すると、きみは、この仏像がにせものだというのか。」

"Then you mean, these statues are fake?"

「そうですとも、あなた方に、もう少し美術眼がありさえすれば、こんな傷口をこしらえてみるまでもなく、ひと目でにせものとわかったはずです。新しい木で模造品を作って、外から塗料をぬって古い仏像のように見せかけたのですよ。模造品専門の職人の手にかけさえすれば、わけなくできるのです。」
 明智は、こともなげに説明しました。

"Of course. If you had an eya for art a little more, you could tell it at once without marring them. He made these counterfeits using new wood and painted to be like old statues. It can be done easily by the counterfeiters."
Akechi explained casually.

「北小路さん、これはいったい、どうしたことでしょう。国立博物館の陳列品が、まっかなにせものだなんて……。」
 警視総監が老館長をなじるようにいいました。

"Mr. Kitaouji, what's going on. All art works in National Museum are conterfeit."
The chief of M.P. said like he was blaming the old director of museum.


「あきれました。あきれたことです。」
 明智に手をとられて、ぼうぜんとたたずんでいた老博士が、ろうばいしながら、てれかくしのように答えました。

"I'm shocked. This is shoking."
The old director who was standing in amazement with his hand in Akechi's hand answered hiding his embarrassment.

 そこへ、さわぎを聞きつけて、三人の館員があわただしくはいってきました。その中のひとりは、古代美術鑑定の専門家で、その方面の係長をつとめている人でしたが、こわれた仏像をひと目見ると、さすがにたちまち気づいてさけびました。

Hearing the uproar, three staffs came in hurriedly. One of them was a connoisseur of antiquities, working as a curator here. He screamed as soon as he saw the damaged statues.

「アッ、これはみんな模造品だ。しかし、へんですね。きのうまでは、たしかにほんものがここにおいてあったのですよ。わたしはきのうの午後、この陳列棚の中へはいったのですから、まちがいありません。」

"Ow! These are fake. But it's odd. Definitely there were the real things until yesterday. I'm sure because I got in this showcase."

「すると、きのうまでほんものだったのが、きょうとつぜん、にせものとかわったというのだね。へんだな、いったい、これはどうしたというのだ。」
 総監がキツネにつままれたような表情で、一同を見まわしました。

"Then they were real things until yesterday and today, they suddenly became conterfeits. It's weird. What on earth is happening here."
The chief of the M.P. looked at everyone with a very confused expression.

「まだおわかりになりませんか。つまり、この博物館の中は、すっかり、からっぽになってしまったということですよ。」
 明智はこういいながら、向こうがわの別の陳列棚を指さしました。

"Don't you get it? It means this whole museum is now empty."
Akechi said pointing at the showcases on the other side.

「な、なんだって? すると、きみは……。」
 刑事部長が、思わずとんきょうな声をたてました。

"What? Then, you.."
The chief detective gave a freakish voice.

 

館長と北小路博士がごっちゃになってないか、ちょっとわからなくなりました。
博士であり館長であるので、doctor かdirector か。。

 



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