≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

『 スカイ・クロラ 』 を観た。

2008-08-20 12:43:10 | 映画 (ネタバレ大嫌い)
押井守監督 『スカイ・クロラ 』 を観てきた。
予備知識を入れずに。

宮崎駿が戦闘機を描くと 『紅の豚 』 になって、
押井守が戦闘機を描くと 『スカイ・クロラ 』 になるのか、などと思った次第。

わたしは戦闘機には殆ど興味がないので、あと戦闘機といって頭から出てくるのは、
神林長平 『戦闘妖精・雪風 』 くらいのものだが。
(神林長平作品で一番好きなのは、『今宵、銀河を杯にして 』、次に好きなのは 『魂の駆動体 』。 脱線した。)

押井守の 『イノセンス 』 も映画館で見たが、冒頭の圧倒的な美しさは健在だ。
ストーリよりも、わたしが一番惹かれるのはそこだったりして。


さて、ネタバレは好きではないのだが、公式HPに載っている程度の情報は許してもらうとして。
(それでもいやな方は、読まないで頂戴。)

永遠の命というテーマは、はっきりいって山のようにある。
わたしが思いつくだけでも、
ロバート・A・ハインライン 『メトセラの子ら 』、『愛に時間を 』 (実はハインラインが苦手だ。)
ジェイムズ・ブリッシュ 『宇宙零年
ポール・アンダースン  百万年の船
グレゴリー・ベンフォード 『夜の大海の中で 』、
ちょっとひねったものでは
アーシュラ・K・ル=グイン 『なつかしく謎めいて 』 に入っている、「不死の人の島 」。
(それにしても、この本の題名は酷すぎる。 Changing Planes が原題なのに。)

こんな、古いSFばかりを探さなくても、小説、映画、いくらでも出てくるでしょう。


では、子供と大人とは何か?
端的にいえば、生殖できるのが大人で、それ以前が子供なんじゃないかしら?
だから、彼女/彼氏とやりまくっている高校生が、わたしは子供だ、というと、
わたしはとても違和感を覚える。
でも40も過ぎたわたしから見ると、大学生なんて本当にまだ子供に見える。
しかし、少しは大人になったかしら、と思える頃から子供を作り始めるのではかなりきついし、
間に合わないかもしれない。
ということを考えると、その若いお年頃は、仮免大人、ぐらいかしら。
井上ひさし 『吉里吉里人 』 のように、出来るようになれば大人、というのはある意味明確か!?
子供なら、やっちゃダメでしょう。 (この考え方は狭い?)

だから、子供といわず、若者といえば、わたしはちっとも違和感を覚えなかったのに、
敢えて子供という言葉を使う、この映画の意図って、何なんでしょうね。

ああ、子供にこだわったアニメ映画だったら、『新世紀エヴァンゲリオン 』 があったっけなぁ。
これがまた暗かった。
閉塞感と、子供のままでいることは、同じことなのかしら。

その閉塞感には、宮台真司 『終わりなき日常を生きろ 』 が、わたしにはぴったり来るけど。
生きていくのに、個々人に物語が必要だが、なかなか自分にぴったりの物語を見つけるのは難しい。
そして、こんな風に閉塞感たっぷりのものが今の若者にぴったりなのだとしたら、
なんて大変な世に生きているんだろう!?
(でも、全部世間のせいにして、自分を棚に上げるのは、ダメだよ。)


などとつらつら考えながら立ち寄った本屋で貰った 光文社 『本が好き! 』  に載っていた、
ひこ・田中 「こどもの物語はどこへ行くのか」 が、
機動戦士ガンダム 』 を 『二年間の休暇 』 と 『蠅の王 』 に比較していて、
シンクロニシティ!(ポリス) と喜んでしまったのである。


永遠の命という考え方で、最近目に付くのが、パーツを取り替えることで永らえる、という方法。
士郎正宗 『攻殻機動隊 』 や、木城ゆきと 『銃夢 』 ←ガンムと読む など、
日本の漫画のお家芸のようだ。
『銃夢 』 は話として面白いと思うけれど、生物学好きのわたしから見ると、全くのお話に過ぎない、
とも思っている。 ←当たり前だ!
そこらへんを勘違いして、脳さえあれば、などと思い込んでしまう人が出てくることを杞憂しています。
(そういえば、古くは 『キャプテン・フューチャー 』 のサイモン博士もそうか。)

それにしてもまぁ、ひっきりなしにタバコを吸い、酒を飲み続けていたことよ!!
酒とタバコを美しく描くことには、抵抗があるなぁ。


で、面白かったのか、って?
すごく興奮した、とか、見終わってすっきりした、とか、ってことはないですなぁ。
なんかもやもやした、かもね。 印象には残ったが、DVDを買うかは分からない。
わたしには、オチもそれほど意外性があったとはいえないし、ビミョ~ の一言に尽きるかも。




この夏も、奥能登に行きました。 岩牡蠣 がチョー!旨かった!!!

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『銀河鉄道の夜』 ますむらひろし、細野晴臣

2008-02-11 09:58:52 | 映画 (ネタバレ大嫌い)


 『銀河鉄道の夜』 ますむらひろし、別役実、細野晴臣 ←検索リンク

すっごく好きな作品だ。
だけど、ビデオでしか手元になく、しかもハードが壊れて久しいので、
DVDをやっと手に入れたという次第。

静かな夜にゆっくり見たい作品。

銅版画家浜口陽三を思い出させるような雰囲気のある絵だ。
音楽が素晴らしい。
絵と音楽がぴったり、一体となっている。

登場人物がほとんど猫なのが、ストーリーに入れるかどうかのポイントだけれど、
原作がますむらひろしのマンガだから、仕方がない。

少しだけ内容に触れる。 (ネタバレ注意!って、この作品を知らない人がいるのか!?)
列車に乗り合わせたタイタニック号の事故にあった人たちだけが猫型ではない、という点が、
とても重要だ。
10年くらい前に観たときには全然気付かなかったが、
彼らの存在はカンパネルラの生き方をあらわしている鏡になっているのだ。

それにしても、宮沢賢治は熱心な仏教徒なのに、
話の中ではキリスト教が出てくる (十字架に向かって手を合わせたり、賛美歌を歌ったり) のが、
不思議だ。
彼にとっての宗教とは、一体どういうものなのだろうか。
宮沢賢治とキリスト教 ←検索リンク  (調べだすと、深そうなので、躊躇。)

とにかく、『死』 の色濃い作品だ。
そうそう、人生のそばには常に死がある、忘れないようにしなくては。


↑ 蘭 ソフロレリア‘アリク・チャーム’が咲いた。
一輪だけ、蕾が大きくならないまま開いてしまった。
それが、手前の花の左下に見える、変なこぶのようなもの。

基本的に朱赤は苦手だが、
花が乏しいし寒いし辛い冬には、台所がぱぁっと明るくなるので、
この花は大歓迎。


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『 ミザリー 』

2008-01-14 14:53:47 | 映画 (ネタバレ大嫌い)
有名な映画なのに、今まで見たことがなかった。

『ミザリー』 ←検索リンク。

長すぎないのがよい。
セクシーな美男美女だらけ、ではないのがよい。
どの俳優も味があって、とてもよろしい。

すごく面白かった!
これは 『サイコ』 に匹敵する作品だと思う。
長く継がれる作品になるでしょう。


売れっ子作家の主人公の名前が、受けてしまう。

キャシー・ベイツを見ていると、
アメリカに行ったきり帰ってこない友人を思い出してしまうのよねぇ。


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『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ』

2007-03-30 10:26:01 | 映画 (ネタバレ大嫌い)
春休みで持て余している子供たちのために、 『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ』 を借りた。
イギリスのクレイ・アニメーションで、ウォレスしか話さない。
約30分という短さがよろしい。
ストーリー展開も模範的でツボを押さえていて、じゅうぶん楽しめました。
子供たちも大うけ。
一度見た後、またすぐもう一度みてましたよ。
ブラスバンドの素敵な音楽もさりげなく入っていて、
『ブラス!』 じゃないけれど、イギリスってブラバンが盛んなのかしら?って思った。
そういえば、ずーっと昔、友達の家で見て記憶に引っかかっていたんだよなあ。

ストップモーションアニメって、好きなんです。
そういえばイギリスのストップモーションアニメで科白がないもので、
『フラットワールド』 というDVDを持っている。
これも30分の作品。
これはクレイではなく、なんと紙!
発想がオリジナリティに満ちていて、すばらしい。

ストップモーションアニメならやっぱり、 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』 でしょう。
これは大好き!
骸骨だの子鬼だの、ダークなトーンの一見あんまりかわいくないキャラクターばかりが出てくる。
監督ティム・バートンの主要なモチーフがすべて揃ったかのような作品。
これはアメリカ映画です。

チェコの異色のストップモーションアニメと実写が加わった、
ヤン・シュヴァンクマイエル監督 『アリス』 という映画のDVDも持っている。
これは映画館にも見に行った。
ルイス・キャロルの 『不思議の国のアリス』 を下書きにした、へんな映画。
万人に薦められる映画ではないですねぇ。

子供がいると、子供の楽しみをもう一度体験できて、面白いです。


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『運動靴と赤い金魚』

2007-02-12 15:26:51 | 映画 (ネタバレ大嫌い)
家がへんぴな所なので、インターネットで注文して宅配してもらうレンタルDVDをしている。
これが、リストの上の方のものはすぐ来ていいはずなのに、ちっとも!ちっとも !! 来ない。
何が来るのか、さっぱり分からない。
リストに加えたのもずっと以前なので、
何でこんな映画をリストに入れたのやら、私が入れたのか夫が入れたのかも忘れてたりする。

で、やっぱり頼みのものは来ないで、『運動靴と赤い金魚』 が来たわけだ。

映画を見る楽しさって、
やっぱりこの先ストーリーがどう展開するのかが気になって、わくわくするところにあると思う。
そういう意味で、予告編やらレビューを見てしまってからDVDを見るのは、興醒めだ。
そこらへんをすっかり忘れてからDVDを見るのはとてもいい。
(でもやっぱり、頼んだものはさっさと来てほしい!)
映画に限らず、面白い本も、予備知識は全くなしに、めぐり合えたらどんなに幸せだろう!

この映画だって、ついあらすじやレビューを見てしまったら、
なあんだ、感動ものか、ってなくらいに思ってしまうだろう。

ハリウッド映画とはぜんぜん違うところがとてもいい。
見慣れない、右から横書きするイスラム圏のエキゾチズムが興味深いです。
ベタベタしたものは嫌いなわたしが気に入った、というところでおすすめです。


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